コンビニ、2008年12月度売上、依然好調108.5%!
1/20、日本フランチャイズチェーン協会が2008年12月度のコンビニエンスストアの売上速報を公表した。結果は全店ベースで108.5%、既存店では106.1%と依然として、好調な伸びであった。全店は18ケ月連続プラス、既存店は8ケ月連続プラスという状況であり、改めて、taspo効果のコンビニへの影響が鮮明となった。taspoの導入が本格化したのは、昨年4月頃からであるが、まさに、この頃からコンビニの売上、特に既存店の売上が上昇に転じ、一時は昨対112%まで売上を伸ばした時期もあり、その後も安定した既存店の伸びに支えられ、ほぼ110%前後で推移している。taspoはそれだけ、コンビニの既存店を活性化させたといえ、たばこがコンビニにとっていかに影響の大きい商品であるかがわかる。
今回のtaspo効果は、一部のコンビニだけでなく、日本全国の津々浦々のコンビニまでプラス効果があらわれている。この日本フランチャイズチェーン協会が公表した売上集計の対象企業は、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社41,714店舗の集計結果であり、サンプリング結果ではなく、全店の集計であり、ほぼ日本のコンビニ全体を網羅しているといえよう。その中での今回の結果であり、すごい数字である。
1/23の日経MJではコンビニと百貨店のこの10年間の売上高の比較グラフが掲載されているが、2008年度、はじめてコンビニが百貨店の売上をうわ回ったが、まさに、このtaspo効果が今年一気に百貨店の売上を追い抜いた原動力になったといえよう。グラフを見ると10年前は百貨店が9兆円を超え、コンビニは5兆円強とダブルスコアぐらいの差があったが、コンビニはその後、急激に売上を右上がりに伸ばし、百貨店は逆に、右上がりに売上を落とし、ここ数年はいつxデーが来てもおかしくない状況であった。ちょうど、この未曽有の不況に突入し、百貨店が売上を急激に落しはじめ、逆にコンビニはtaspo効果により急激に売上を伸ばし、これが決定打となり、2008年はじめて逆転という状況になったといえよう。
ただ、今後、数ケ月後にはtaspo導入1年を迎えるので、コンビニの急成長はとまる可能性が高いので、コンビニが今後とも急成長が続くかどうかは、わからない状況であるが、当面は、コンビニは好調な売上を続けるので、その差はますます広がる可能性が高いといえよう。
さて、ここで、家計調査データから、たばこの消費はこの数ケ月どのような状況であったのかを見てみたい。たばこは、家計調査データではその他の消費支出に分類され、たばこのみ独立して、集計されている。現在、直近のデータは2008年11月度のデータであるが、これを見ると、1世帯1日当たり34.33円(108.5%)、消費世帯のみの金額は221.79円(104.0%)、消費世帯の割合は15.5%(104.3%)という数字である。たばこは11月度は数字が伸びており、しかも、約15%とごく限られた世帯の商品であることがわかる。さらに、数字をさかのぼってみると、10月度34.10円(106.0%)、9月度33.29円(101.6%)、8月度37.61円(107.7%)、7月度37.58円(106.5%)、6月度34.33円(98.1%)、5月度35.77円(106.2%)、4月度32.00円(92.7%)、3月度31.55円(94.3%)、2月度32.69円(96.5%)、そして、1月度30.32円(92.5%)という状況である。
意外や意外、taspo導入が本格する4月前後までは昨対を割っていたたばこの消費額が、5月以降、6月はやや伸び悩んだが、その後、順調に消費額を増加させ、直近の11月まで堅調な伸びとなっていることである。コンビニの売上とほぼ同じ傾向を示しており、コンビニが家計のたばこの消費まで押し上げたといってもよいといえよう。当初はtaspo効果でコンビニが自動販売機やたばこ店からたばこのシェアを奪い、たばこの家計での消費全体は大きな変化がないのではと思っていたが、この数字を見る限り、コンビニがたばこのシェアを上げたのはもちろんだが、それに加え、たばこ全体の市場も広げたといえる家計調査データのtaspo導入後のたばこの伸び率である。
また、今回の日本フランチャイズチェーン協会の公表データの中には部門別の売上の伸び率もあるが、これを見ると、たばこの属する部門の非食品が125.3%で伸びているが、同時に、日配食品も101.4%、加工食品も102.9%と伸びている。サービスは97.3%と伸び悩んだが売上構成比が5.1%であるので、全体への影響はわずかであり、この結果をみる限り、たばこの売上だけでなく、他の商品への波及効果もあり、コンビニ全体が活性化しているといえよう。
このように、依然として、taspo効果はコンビニでは鮮明であり、コンビニ全体への波及効果も大きく、さらに、家計調査データを見る限りでは、たばこそのものの消費も増加させたともとれる数字である。その結果、予想よりも早めに、百貨店の年間売上をコンビニが抜き去るという歴史的な1年ともなり、改めて、taspoは今期のコンビニとたばこの救世主であったといえよう。
有料版プレミアム、リニューアル、今週の内容! お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ!(現在1270人) 資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在545人)
« SK-Ⅱ、金額PI値がなぜ高いか? | Main | スーパーバリュー、2009年2月第3四半期、増収減益! »
Comments