ライフコーポレーション、2009年2月期第3四半期、好調!
1/6、ライフコーポレーションの2009年2月期の第3四半期決算が公表された。営業収益3,448.64億円(105.9%)、営業利益80.71億円(108.8%:営業収益比2.3%)、経常利益77.86億円(111.5%:営業収益比2.2%)、当期純利益42.35 億円(111.9%:営業収益比1.2%)となり、好調な決算であった。特に、利益はほぼ2桁の伸び率であり、節約志向、内食回帰の追い風を受け、食品スーパーマーケットの好調さが新ためて示された決算であるといえよう。ただ、通期予想は、営業収益4,600.00億円(104.6%)、営業利益105.00億円(100.6%:営業収益比2.2%)、経常利益98.00億円(100.6%:営業収益比2.1%)、当期純利益50.00億円(116.9%:営業収益比1.0%)であり、売上は堅調であるが、利益がやや伸び悩む予想であり、気になるところである。
今期、ライフコーポレーションは既に、8店舗の新規出店をしており、10月に寝屋川黒原店(大阪府)、11月に大国町店(大阪府)を新規オープンしたことに加え、これまでに、今津駅前店(3月)、毛馬店(3月)、三国橋店(4月)、西九条店(4月)、調布仙川店(6月)、江北駅前店(7月)と次々に店舗をオープンしており、積極的な新規出店を果たしている。その結果、総店舗数は、首都圏91店舗、近畿圏112店舗の合計203店舗となり、200店舗を突破した。この積極的な新店戦略が堅調な営業収益へとつながったといえよう。
一方、利益の方であるが、原価は73.9%(昨年74.0%)と0.1ポイント下がっており、この厳しい食品メーカーの値上げ攻勢の中で、原価が下がった。結果、売上総利益は26.1%(昨年26.0%)となった。これに対して、販売費及び一般管理費であるが、26.4%(昨年26.3%)と0.1ポイント上昇した。したがって、マーチャンダイジング力、売上総利益-経費は-0.3%(昨年-0.3%)となり、昨年同様、-0.3%であった。残念ながら、現状のライフコーポレーションのマーチャンダイジング力はマイナスであり、商品売買から得られる粗利で経費を賄えない構造となっている。したがって、不動産収入等の営業収入で相殺する構図となるが、今期は2.7%(昨年2.6%)と0.1ポイント増加したため、結果、営業利益は、2.4%(2.3%)と0.1ポイント、率にして、104.3%の上昇となった。これが、好調な営業収益とあいまって、利益を押し上げた要因である。
ただ、マーチャンダイジング力がマイナスになるのは気になるところである。ここがプラスになれば、不動産収入等の営業収入分がそっくりプラスとなり、営業利益が大きく跳ね上がることになる。現在のライフコーポレーションは残念ながら、経費比率が26.4%と高い水準にあるため、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆくには、それ以上の原価削減が必要となるが、これは厳しい食品スーパーマーケットの競争の中では難しいものがあり、今後、ライフコーポレーションとしては、何としても経費比率を25%以下に下げたいところであろう。そのためには、一層の経費削減に取り組む一方で、固定費を相対的に下げるために坪効率をいかにあげるか、ないしは、集客力を引きあげ、売上をさらにあげるかが課題となろう。
では、この好調な決算を受けて、財務状況はどうかを見てみたい。まず、自己資本比率であるが、23.4%(昨年23.5%)と極めて低い数字である。このまま、自己資本比率が改善しないと、いずれは、出店余力に限界が生じ、新規出店が思うようにできない状況となりかねない懸念があるといえよう。その要因であるが、負債の主要項目である長短借入金の合計が523.35億円(昨年672.72億円)と総資産の30.5%とかなりの比重を占めていることである。ただ、昨年と比べ、約150億円削減し、急激な財務改善が進んでいる状況といよう。仮に、このペースで負債の削減が進めば、数年で自己資本比率は倍増し、いっきに出店余力が生まれ、成長戦略が見えてくることになる。
そこで、今期のライフコーポレーションの出店にかかわる資産であるが、土地、建物、差入保証金の合計が973.02億円(昨年964.12億円)となり、総資産の56.7%である。これは全店舗203店舗で割ると4.79億円となる。したがって、ここから出店余力を計算すると、自己資本比率-出店にかかわる資産=-33.3%であり、ちょうど、負債の長短借入金分30.5%で賄っている構図となっており、負債に大部分を依存した出店構造といえる。今後、今期の勢いで長短借入金が返済され、自己資本比率が高まってくれば、出店余力は大きく改善されるので、いかに、ライフコーポレンションとしては、好業績をもとに、負債を削減できるかが、今後の成長戦略を描く上での課題となろう。
このように、2009年2月期の第3四半期のライフコーポレーションの決算が公表されたが、増収増益の好決算となり、負債も削減され、経営改善が確実に進んでいるといえよう。ただ、今後、さらに収益を上げ、安定成長してゆくには、経費比率の削減、負債の削減が一層求められるといえ、これらがどこまで、今後改善されるがかが経営課題といえよう。ライフコーポレーションが現在進めている経営改革の成果が今期の数字にも着々と表れつつあるといえ、今期決算がどのような数字となり、そして、来期経営戦略をどのように打ち出すかに注目したい。
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