« コンビニ、2008年12月度売上、依然好調108.5%! | Main | ID-POS時代のMD評価表とは? »

January 26, 2009

スーパーバリュー、2009年2月第3四半期、増収減益!

   スーパーバリュ-が、2009年2月期の第3四半期決算を1/8公表した。結果は、売上高271.75億円(101.6%)、営業利益7.86億円(93.7%:売上対比2.9%)、経常利益6.63億円(95.3%:売上対比2.4%)、 当期純利益3.96億円(97.7%:売上対比1.4%)となる増収減益となった。増収幅も今期はわずかではあったが、この11月に川口前川店を新規出店し、12月にも入間春日町店を新規出店し、店舗数は現在、合計8店舗となったため、通期ではこの新店2店舗も寄与し、好決算が期待されよう。実際、通期予想では、売上高372.50億円(103.9%)、営業利益11.90億円(106.5%:売上対比3.2%)、経常利益10.00億円(108.1%:売上対比2.7%)、当期純利益5.80億円(107.8%:売上対比1.5%)と増収増益予想である。

   スーパーバリューは食品スーパーマーケットにホームセンターを併設した業態であり、これにより、通常の食品スーパーマーケットでは不可能な圧倒的な集客力を増すことが可能となり、全体の客数を増やし、食品スーパーマーケットの2倍以上の売上を達成することが可能となる新業態ともいえよう。店舗フォーマットとしては、食品主体のスーパーセンターがイメージに近いといえよう。

   実際、この第3四半期のSM事業部の売上高は183.60億円(102.5%)、HC事業部の売上高は88.15億円(99.8%)となり、SMの売上構成比は67.5%であることから、通期予想に11月以降の新店2店舗を合わせて半期分組み入れ、6.5店舗で計算すると、1店舗57.3億円となる。SM事業の構成比は67.5%であるので、38.6億円となり、通常の食品スーパーマーケットの2倍以上の売上となる。また、HC部門の構成比が32.5%であるので、ほぼ2対1の割合でSMの構成比が高く、SM主体の業態であることがわかる。その意味で、スーパーバリューはNSCとも一線を画し、本格的なスーパーセンターとも違い、独特な食品スーパーマーケットを主体にした新業態と位置づけられる。

   では、もう少し、スーパーバリューのマーチャンダイジングを掘り下げてみたい。まず、売上面であるが、スーパバリューは部門をSM部門とHC部門に分け、さらに、SM部門を生鮮とグロサリー、HC部門を第1グループから今期新設になった第4グループ、そして、その他とに分けている。HC部門の第1グループは、日曜大工用品、園芸用品、エクステリア用品、第2グループはカー用品、レジャー用品、ペット用品、第3グループは家電製品、対面(時計、カメラ)、インテリア用品、家庭・日用雑貨、文具・玩具、ドラッグ、そして、第4グループがリフォームである。

   この中で売上構成比で見ると、グロサリー34.1%、生鮮食品33.4%が突出しており、ついで、第3グループ17.1%、第2グループ8.5%、第1グループ6.1%、新設の第4グループはまだ0.2%というところである。そして、これを粗利率(売買差益)で見ると、第1グループが25.9%、生鮮食品が23.5%、第2グループが22.0%、第3グループが20.2%、グロサリーが19.7%、第4グループが7.5%となり、第1グループが生鮮食品を抜き、トップとなる。

   こう見ると、粗利面から見る限り、SM部門で集客を図り、HC部門で利益を取るという構造になっており、HC部門を広域集客の手段として位置付けているというよりは、周辺のSM以外の商品の需要創造と、SM強化による来店頻度をひきあげることにより、近隣商圏の来店密度を最大にするマーチャンダイジング政策ととらえることができよう。スーパーバリューが草加、越谷、戸田、練馬大泉、春日部武里、南船橋、杉並高井戸、上尾愛宕という比較的人口密集地に出店し、平均年商約60億円弱、食品SMで40億円近い通常の食品スーパーマーケットの2倍以上の数字を達成しているのを見ても、広域集客というよりも、来店頻度、来店密度を同時に引きあげた新業態であるといえよう。

   では、粗利構成比、すなわち、相乗積はどうかを見てみたい。全体のこの第3四半期決算の数字は粗利(売買差益)が20.4%であった。この中で、最も粗利貢献度の高い、すなわち、相乗積の高い分類は生鮮食品の7.9%、ついで、グロサリーの5.5%であり、粗利率が低くとも、売上構成比の高いこの2分類がトップ2である。合わせて、13.3%となり、粗利全体の65.2%となり、売上構成比にほぼ比例している。ついで、第3グループの3.4%、第2グループの1.9%、第1グループの1.6%となり、新設の第4グループはまだ0.0%である。その他が0.2%となるが、HCグループは合計7.1%となる。

   このように、この第3四半期のスーパーバリューの決算は増収減益となったが、今後、新たに11月以降2店舗の新店が加わり、8店舗体制になり、通期は増収増益となる予想である。ただ、ひとつ気になるのは、今回、深く言及しなかったが、自己資本比率である。今期12.9%であり、昨年の8.9%と比べると改善はしているが、今後、新たな新店を出すのにはかなり厳しい財務状況であり、負債に大きく依存する出店構造であることである。今後、この財務面の改善をどうはかるかが、最大の経営課題といえよう。スーパーバリューとしての、新業態のマーチャンダイジングは8店舗体制となり、かたまりつつあるので、来期は財務面での改善を期待したいところである。

有料版プレミアム、リニューアル、今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ!(現在1270人)  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在545人)

« コンビニ、2008年12月度売上、依然好調108.5%! | Main | ID-POS時代のMD評価表とは? »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference スーパーバリュー、2009年2月第3四半期、増収減益!:

« コンビニ、2008年12月度売上、依然好調108.5%! | Main | ID-POS時代のMD評価表とは? »