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January 11, 2009

マルエツ、2009年2月、第3四半期、増収大幅増益!

    マルエツの2009年2月期の第3四半期決算が、1/8、公表された。営業収益2,560.48億円(102.2%)、営業利益62.26億円(112.9%:営業収益比2.4%)、経常利益58.66億円(116.0%:営業収益比2.3%)、当期純利益58.24億円(174.7%:営業収益比2.27%)となる増収大幅増益となる好調な決算となった。収益が102.2%とやや伸び悩んだ感があるように思われるが、マルエツ単体の営業収益は108.1%と堅調な伸びを示している。特に、ここ最近のマルエツ単体の売上速報を見ると、11月度111.0%(既存店104.4%)、10月度107.3%(既存店101.0%)、9月度106.3%(既存店100.6%)と、ここへ来て高い伸び率を示しており、マルエツ単体、すなわち、店舗は順調な売上推移であり、好調である。

    今期も上期にマルエツ勝どき六丁目店(東京都)、ポロロッカ護国寺駅前店(東京都)、フーデックスプレス白金台プラチナ通り店(東京都)、ポロロッカ港南シティタワー店(東京都)の4店舗を新設し、下期にはマルエツ行徳駅前店(千葉県)、イオンレイクタウン内にマルエツ越谷レイクタウン店(埼玉県)の2店舗をオープンした。その結果、総店舗数は241店舗と日本の食品スーパーマーケット業界ではNo.1の店舗数を誇っている。

    一方、利益面であるが、原価は71.9%(昨年73.8%)と約2ポイント改善した。今期はイオンのPB、トップバリュの導入を拡販したこともあるとは思うが、この値上げ環境の厳しい中、原価が改善しており、結果、売上総利益は28.1%(昨年26.2%)と好調であった。一方、販売費及び一般管理費であるが、27.7%(昨年26.0%)と約2ポイント弱上昇し、やや厳しい状況であった。その結果、マーチャンダイジング力、商品売買から得られる粗利-経費は0.4%(昨年0.2%)と昨年より、増加し、プラスとはなったが、もう少し、強化したいところであろう。

   今後、マーチャンダイジング力を強化するには、いかに、経費を抑えるかが課題といえ、そのためにも、一層の経費削減と、一方で、坪効率を引き上げ、相対的に固定費を下げる戦略的な店舗づくりも課題といえよう。そして、これに不動産収入等の営業収入が2.0%(昨年2.1%)のり、結果、営業利益は2.4%(昨年2.3%)と0.1ポイント上昇し、好調な決算結果となった。

   この好調な決算の流れを受けて、キャッシュフローの状況であるが、営業キャッシュフローは110.0億円と100億円を超えた。投資キャッシュフローは、新店投資などに投資を行い、-33.5億円となり、結果、フリーキャッシュフローは76.5億円とプラスの順流のキャッシュフローとなった。ここから、財務キャッシュフローとして、短期借入金35.0億円、コマーシャルペーパー20.0億円などを返済し、-63.9億円と多額のマイナスとなったが、トータルでは、12.6億円のプラスとなり、ほぼ理想的なキャッシュフローの流れである。

   一般的にキャッシュフローの理想的な流れは、好調な決算によって、営業キャッシュフローを極限まで高め、その豊富な営業キャッシュフローから、成長戦略のための新規出店投資への投資キャッシュフローを50%以上、残りの50%以内の、30%ぐらいを配当、負債の圧縮等に充て、20%ぐらいを資金として残すのが理想といえよう。今期、マルエツについては、負債圧縮の財務キャッシュフローの構成比が60%近くとなり、投資キャッシュフローが30%ぐらいしかできず、やや成長戦略への投資が抑制されざるをえなかった点が気にはなるが、いずれ、負債が健全な状況になれば、一層の成長戦略への投資が可能となり、より、理想に近いキャッシュフローの流れができるようになろう。

   そこで、マルエツの負債の状況を見てみたい。負債の中でも、その主要項目である長短借入金等の合計は297.3億円(昨年310.3億円)と約10億円強削減した。ただ、前期決算時には360.1億円であったので、削減額はこの9ケ月で60億円強であり、負債の削減が大きく進んでいることがわかる。結果、総資産1,275.0億円の23.3%となった。現在、マルエツの自己資本比率は41.3%であるが、昨年は38.0%であり、徐々に上昇傾向にあり、今後、好調な決算をいかし、負債の圧縮が一層すすめば、自己資本比率を50%から60%へと安定的な比率に改善する方向が見えてきたといえよう。

   では、マルエツの出店余力を見てみると、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金の合計は837.0億円(昨年733.9億円)となり、総資産の65.6%であり、自己資本比率41.3%から引いた出店余力は-24.3%であり、まだまだ、負債に依存した新規出店構造といえ、今後、安定的な成長をしてゆく上には、一層の財務改善が必要といえよう。ちなみに、1店舗当りに換算すると、3.5億円であり、小型店が多いせいか、出店にかかわる資産は比較的低いのが実態である。

   このように、マルエツの2009年2月期の第3四半期決算が公表されたが、増収増益の好決算となり、キャッシュフローの流れもよくなり、財務の改善が確実に進み、自己資本比率は40%台となった。現在、マルエツをはじめ、食品スーパーマーケットには節約志向、内食需要という追い風が吹いており、今期は好決算が予想される。マルエツとしても、ここで、この好決算をいかし、財務改善が一層すすめば、数年後には安定成長戦略が可能な強固な財務体制ができあがるといえよう。来期、マルエツがどのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

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