大黒天物産、2009年5月中間、増収増益、絶好調!
大黒天物産が2009年5月期の通期予想を、1/14、上方修正した。売上5.5%、営業利益12.4%、経常利益12.1%、当期純利益14.9%、そして、配当15.7%の121.40円という大幅な上方修正である。その結果、通期決算予想は、売上高710.00億円(110.3%)、営業利益32.60億円(118.1%:売上対比4.6%)、経常利益32.00億円(117.8%:売上対比4.5%)、当期純利益17.00億円(120.6%:売上対比2.4%)となる大幅な増収増益となる。同じ、1/14に公表した2009年5月期の中間決算は、売上高347.79億円(113.9%)、営業利益17.28億円(185.8%:売上対比5.0)、経常利益16.99億円(188.3%:売上対比4.9%)、当期純利益8.96億円(190.6%:売上対比2.6%)となり、同様に大幅な増収増益であるので、現在、大黒天物産は絶好調であるといえよう。
この好業績について、大黒天物産は、「「生活応援宣言セール」により、多くのお客様のご支持をいただき、来店客数が増加した結果、売上高が好調に推移いたしました。また、エリアマネージャー制の導入及び「Weekly Management」により、週単位で店舗の業績管理を徹底いたしましたことにより経営効率が向上いたしました。」とコメントしており、消費者の節約志向に合致した低価格政策が消費者の強い支持を受けたといえよう。直近の公表売上の2008年11月度を見てみると、売上が110.2%であるが、その中身は既存店が107.5%と異常値となっており、しかも、客単価100.8%に対し、客数が106.1%と既存店の客数が堅調な伸びを示しており、既存店が活性化していることが鮮明である。
これを受けて、ここ最近の大黒天物産の株価の推移であるが、絵にかいたような右上がりのチャートとなっており、昨年10月頃は1,000円前後であった株価が、ここ最近は1,800円を超え、急激な株価の上昇となっている。1/14の通期予想の上方修正があった後の株価の推移を見てみると、1/14(1,690円)、1/15(1,562円)、1/16(1,709円)、1/17(1,780円)、1/20(1,780円)、1/21(1,860円)という推移であり、1/15はやや株価が下がったが、その後は順調に株価を上げており、明らかな上昇傾向での推移である。これは、5日移動平均4.46%、25日12.23%、13週21.08%、26週37.02%とすべてのトレンドがプラスで、しかも長期トレンドが大きくプラスになっていることからも、勢いのある株価であることがわかる。
では、大黒天物産の原価、粗利、経費、営業利益の状況を見てみたい。今期の原価は76.9%(昨年77.2%)と、この原価上昇の中、0.3ポイント下がっており、結果、売上総利益は23.1%(昨年22.8%)と改善した。一方、販売費及び一般管理費であるが、18.1%(昨年19.8%)と何と1.7ポイントと大幅に削減された。今期決算の上方修正の時のコメントにもあったように、「Weekly Management」により、週単位で店舗の業績管理を徹底の貢献もあったとみえ、顕著な数字改善効果である。その結果、営業利益(=マーチャンダイジング力)は5.0%(昨年3.0%)と2.0ポイントと大きくプラスとなった。粗利も経費も改善するという好循環が起きており、大黒天物産の営業数値はまさに絶好調といえよう。
次に、この第3四半期の財務面を見てみたい。まず、自己資本比率であるが、50.7%(昨年48.1%)と上昇している。これは、負債の主要項目である長短借入金の合計が30.43億円(昨年の本決算時36.5%)と昨年の本決算時と比べ、6億円強削減されてはいるが、総資産196.40億円の15.4%となり、それほど大きな負担ではないが、やや自己資本を圧迫しているといえよう。現在、大黒天物産の出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は86.3億円であり、これは総資産の43.9%であり、これを自己資本比率50.7%から引いた出店余力は6.8%のプラスとなり、自己資本の範囲内で新規出店が可能な財務構造といえる。現在、大黒天物産は既存の好調さによる売上増であるが、この数字をみる限り、出店余力も十分であり、今後、新規出店を加味した大幅な成長戦略も期待できよう。
一方、この好調な決算を受けて、大黒天物産のキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは11.1億円であり、投資キャッシュフローが-19.0億円となり、フリーキャッシュフローが-7.9億円となり、逆流となった。これは定期預金の預け入れが15.0億円と多額になったことに加え、約3億円強有形固定資産を増加させたためである。そして、財務キャッシュフローであるが、長期借入金の返済4.4億円、自己株式の取得1.1億円、配当1.7億円などとなり、-7.2億円となった。結果、トータル-15.1億円となり、現金及び現金同等物がその分減少し、今期の現金及び現金同等物の期末残高は33.7億円と総資産の17.1%となった。
このように、大黒天物産の2009年5月期の中間決算は大幅な増収増益の好決算となり、通期予想については、配当を含め上方修正する好調な予想である。また、財務的にも借入の返済も進み、自己資本比率も上昇し、出店余力も増しており、既存店の好調さに加え、新規出店も望める安定的な財務内容になりつつある。ただ、気になるのはこの好決算であるにもかかわらず、キャッシュフローの流れが、フリーキャッシュフローがマイナスとなる逆流となったことである。ただ、明らかに、大黒天物産は消費者の節約志向の流れにぴったりはまったマーチャンダイジングが功を奏しており、今後、客数増の高い成長力が期待される。今後、大黒天物産が好調な中間決算を受け、どのような成長戦略を打ち出すかに注目である。
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