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January 28, 2009

アークス、マクスバリュ北海道、第3四半期、明暗!

   現在、北海道では、食品スーパーマーケットが三つ巴の激しいシェア争いを繰り広げている。アークスグループ、イオングループ、そして、生協グループである。ここへきて、その趨勢、優勝劣敗が明らかになりつつあるが、ここでは、この第3四半期のアークスとイオングループの食品スーパーマーケットの中核、マックスバリュ北海道の決算数字を比較し、今後の動向をうらなってみたい。

   まず、アークスが1/6に公表した2009年2月期の第3四半期決算の結果であるが、売上高1,891.91億円(105.6%)、営業利益60.52億円(107.7%:売上対比3.2%)、経常利益66.68億円(109.0%:売上対比3.5%)、当期純利益38.20億円(108.8%:売上対比2.0%)と増収増益となる好決算であった。一方、マックスバリュ北海道が12/15に公表した2009年1月期の第3四半期決算であるが、営業収益570.78億円、営業利益-2.38億円、経常利益-1.98億円、当期純利益2.41億円(営業収益比0.4%)と赤字決算となり、厳しい経営状況となった。なお、マックスバリュ北海道は今期決算変更があったため、昨年対比がないため、今期のみの決算の公表となった。

   両食品スーパーマーケット、同じ、北海道での激しいシェア争いの結果、対照的な決算となったといえ、アークスが優位に立ち、その差を確実に広げつつあるといえよう。これは財務状況を見ると、より、明らかであり、今回の第3四半期決算の結果が一過性のことではなく、これまでに積み重ねられてきた経営の結果を反映しているといえ、マックスバリュバリュ北海道は極めて厳しい状況に追い込まれつつあるといえよう。

   その財務状況であるが、まず、自己資本比率はアークスが57.2%と50%を超え、食品スーパーマーケットではトップクラスであるのに対し、マックスバリュ北海道は24.8%と厳しい状況となり、負債に大きく依存する、いわゆるレバレッジ経営となっている状況であり、営業収益の厳しさが、より、自己資本比率を厳しいものにしつつある。

   今期のマックスバリュ北海道のキャッシュフローを見ると、それは明らかであり、営業キャッシュフローが-3.66億円となり、投資キャッシュフローは-15.08億円となり、合計、フリーキャッシュフローは-18.74億円と大幅なマイナスとなり、逆流の極めて厳しいキャッシュフローの流れである。特に、投資キャッシュフローの大半は有形固定資産の取得-14.81億円であり、新規出店へ向けての投資と思われる。したがって、このマイナスをカバーすべく、財務キャッシュフローであるが、長短借入金を大きく増加させ、18.78億円となり、結果、トータルではわずかなプラスとなったが、負債が大きく増加しており、一層財務状況が悪化している。

   特に長短借入金の合計は85.27億円となり、本決算時の44.71億円と比べ、倍増しており、総資産268.81億円の31.7%とかなりの比率に上っており、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金・保証金の合計は130.49億円、総資産の48.5%であるので、自己資本比率―出店にかかわる資産である出店余力は-23.7%と大きくマイナスとなり、その大半を負債に負う出店構造であり、厳しい財務状況である。
 
   一方、アークスであるが、増収増益という好決算であったこともあり、営業キャッシュフローは67.00億円となった。また、投資キャッシュフローであるが、-35.20億円となり、その大半は新店投資と思われる有形固定資産への投資30.88億円であり、結果、フリーキャッシュフローは31.8億円のプラスとなり、典型的な順流のキャッシュフローの流れである。これに財務キャッシュフローが-10.23億円となり、トータル20.65億円となり、営業キャッシュフローの範囲内で投資、財務キャッシュフローを賄っており、好決算がキャッシュフローの好循環をもたらしているといえよう。
 
   アークスの負債の主要項目である長短借入金の合計であるが、今期は128.04億円と総資産1,020.35億円の12.5%であり、昨年の153.90億円と比べ、約25億円削減が進んだ。したがって、出店余力であるが、土地、建物、敷金保証金の合計が742.66億円と総資産の72.7%であるので、自己資本比率57.2%から差し引くと-15.0%となり、ほぼ、長短借入金の分をそっくり依存する出店構造となっている。アークスは通常の食品スーパーマーケットよりも、NSC化、店舗の大型化が進んでいる分、出店にかかわる資産構造が重いといえるが、負債依存度はマックスバリュ北海道と比べても、軽いといえ、長短借入金の返済も進んでおり、出店余力は増しつつあるといえよう。

   このように、北海道市場で直接競合する両食品スーパーマーケットの直近の第3四半期の決算を見てみたが、対照的な決算となり、アークスは営業内容も財務内容も健全な状況といえるが、マックスバリュ北海道は、営業内容も財務内容も厳しい状況に追い込まれつつあるといえる。今年は、日本全体の消費が節約志向から家計のリストラに入る可能性も高くなり、北海道はさらに厳しい消費環境が予想される。その中で、この2社の決算結果を見る限り、アークスが大きく先行したといえる状況といえ、今後、北海道はこのアークスがどこまでシェアを増すかが注目といえよう。この好決算の流れを受け、来期アークスがどのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

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