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January 15, 2009

GMSからスーパーセンターへ、環境整う、ベイシア出店!

   日経新聞1/14に、「ベイシア、出店ペース倍に、来期6店、岐阜にも進出」という記事が掲載された。内容は、2010年2月期、来期であるが、ベイシアがスーパーセンターを中心に今年度の2倍にあたる6店舗を新規出店し、積極的な出店戦略に踏み切るというものである。しかも、ベイシアはすでに、まちづくり3法対応型の10,000平米以下のスーパーセンターの開発を終えており、消費者の節約志向の追い風に乗った新規出店戦略を発動できる体制が整っている。来期は、再び、スーパーセンターを中心に流通業界に激震が走る波乱の幕開けとなりそうである。

   スーパーセンターはかつて日の出の勢いで日本各地を席巻した時期があった。ベイシアスーパーセンター、イズミヤスーパーセンター、PLANT、アークランドサカモト、オークワスーパーセンター、バロースーパーセンター、トライアルカンパニー、そして、西友、イオンなど、錚々たる企業がフォーマットの開発に取り組み、新規出店攻勢をかけ、特に、改正まちづくり3法の論議が本格し、規制が入る直前まで、新規出店があいついでいたといえる。

   ただ、出店ペースを急ぐあまり、主要な企業では自己資本比率を下げ、負債に依存する新規出店構造となり、出店余力が弱まり、自然、出店ペースが鈍り、ここ最近では、全体として、スーパーセンターの新規出店が低調な状況であった。また、改正まちづくり3法の施行もはじまり、10,000平米を超えるスーパーセンターの出店が難しくなる中、スーパーセンターの時代は一段落したのではないか思われていた。

   事実、スーパーセンターをすでに約30店舗出店しているベイシアもここ数年のスーパーセンターの新規出店状況を見ると、その実態がよくわかる。直近のスーパーセンターから、スーパーセンターの出店状況を年度別に逆算してみると、以下のようなスーパーセンターの出店の奇跡である。

   2008年度、スーパーセンター31号店舗(9/15、ベイシア益子店、まちづくり3法対応)、30号店舗(7/10、ベイシアスーパーセンター大網白里店、まちづくり3法対応第1号店)、29号店舗(5/15、ベイシアスーパーセンター大平モール店)の3店舗の新規出店である。2007年はスーパーセンターは1店舗の新規出店もなかった。2006年であるが、28号店舗(12/20、ベイシアスーパーセンターさくら氏家店)、27号店舗(11/30、ベイシアスーパーセンター三好店)、26号店舗(7/15、ベイシアスーパーセンター長生店)、25号店舗(6/28、ベイシアスーパーセンターなめがわモール店)、24号店舗(6/22、ベイシアスーパーセンター市原八幡店)、23号店舗(4/27、ベイシアスーパーセンターひだかモール店)とこの年は6店舗を新規オープンしている。

   2005年であるが、22号店舗(12/16、ベイシアスーパーセンター佐倉店)、21号店舗(12/8、ベイシアスーパーセンター富里店)、20号店舗(9/15、ベイシアスーパーセンター栗橋店)、19号店舗(7/20、ベイシアスーパーセンター彦根店)、18号店舗(6/9、ベイシアスーパーセンター鶴ヶ島店)、17号店舗(4/20、ベイシアスーパーセンター寄居北店)と、6店舗の新規出店である。2004年は、16号店舗(4/14、ベイシアスーパーセンター中野店)の1店舗のみの新規出店である。2003年は、15号店舗(12/6、ベイシアスーパーセンター鴨川店)、14号店舗(11/26、ベイシアスーパーセンター小千谷店)、13号店舗(10/16、ベイシアスーパーセンター新潟豊栄店)・・という状況である。ちなみに、スーパーセンター1号店は2000年の渋川こもち店である。

   このように、ここ数年間は、スーパーセンターの新規出店は抑制気味で推移しており、2005年、2006年が合計12店舗でピークであったといえよう。一時は、スーパーセンターがアメリカのウォルマートが全米を制したように、日本でもGMSを凌駕し、小売業のトップ業態になるのではと思われた時期もあったが、ここ数年の動きをみる限り、小売業界の本命となることはないのではないかと思われてきた。

   ところが、アメリカ発のサブプライムローンの問題に端を発する100年に1度の経済危機が世界中を覆い、日本へもその影響が出始めつつある中、再び、スーパーセンターの時代が訪れるのではないかと思われるような今回のベイシアのスーパーセンターの積極出店である。折しも、GMSはイオンをはじめ、ここへ来て大量閉鎖があいついでおり、イトーヨーカ堂はプライスというディスカウント業態への転換を急ぐようである。また、西友はGMSの24時間対応で売上アップをはかっているが、GMSはここへきてさらに劣勢になりつつあるといえよう。

   来期のベイシアのスーパーセンターはピーク時に匹敵する新規出店であり、これが他のスーパーセンターを出店してきた企業にどのような影響を与え、また、既存のGMSがどのような対応をし、さらには、既存の食品スーパーマーケットでも新たにスーパーセンターへの参入がないとはいえない。来期は、このベイシアのスーパーセンターの動向が少なからず、小売業界に大きな影響を与えるのではないかと思われる。経済情勢はベイシアが判断したようにスーパーセンターに有利に働いているといえ、来期のスーパーセンターをすでにフォーマットとしてももっている企業、今後開発を検討している企業など各社のスーパーセンターへの対応が注目されよう。

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