日経MJ新製品週間ランキング1/30をカバー率から見る!
ここ最近、日経MJ新製品ランキングが低迷気味である。最新の1/30の数字を見てもNo.1は森永乳業、ビヒダスプレーンヨーグルト脂肪0(ゼロ)500gであり、金額PI値は323円(1人当たり0.323円)である。323円は金額PI値の評価としては、Bランクであり、以前はAランク500円を超える新製品が数品はあった。しかも、今週Bランンクはこの1品のみであり、Cランクの200円を超える新製品もわずか3品という状況であり、明らかに、ここへきて新製品が低迷気味で推移しているといえよう。そこで、今回は、ランキングの金額PI値にこだわらず、カバー率という観点から、どれだけ、対象の食品スーパーマーケット45チェーン、250店舗のバイヤーに受け入れられたかをもとに見てみたい。
日経MJ新製品週間ランキングの金額PI値は導入店舗のみの金額PI値であり、対象全店舗の客数を分母とした総店の金額PI値ではない。したがって、カバー率をみることによって、その金額PI値がどのくらいの重みがあるかがより鮮明になり、導入店のみの金額PI値を活用する時はカバー率は重要な指標のひとつとなる。一般に金額PI値総店=客数PI値×金額PI値導入店であり、客数PI値は導入店の客数÷総店の客数となる。したがって、客数PI値が100%になれば、金額PI値総店と金額PI値導入店は一致するが、100%以下では常に金額PI値導入店の方が高くなるのが通常である。したがって、客数PI値が低い場合はそれなりの考慮が必要であり、注意して数字を判断することがポイントとなる。
また、カバー率は客数PI値に極めて近い数字ではあるが、微妙にずれるので、カバー率を活用する時はそれなりに注意が必要である。たとえば、客数の多い店舗がカバー率の中に多く含まれた時には、カバー率が低く、少ない店舗数でも金額PI値総店の数字が高めに出たり、逆に、客数が少ない店舗の場合は、小さめに出たりするからである。その意味でカバー率を使う場合はこのようなことを考慮する必要があるので、それをわきまえた上での判断が必要である。
さて、今週の日経MJ新製品ランキングにおいて、カバー率No.1の新製品であるが、98.0%のカルビー、ポテトチップスコンソメパンチ70gである。ほぼ100%といえ、ここまでカバー率が高い新製品はまれであり、改めて、ポテトチップスのすごさが浮かび上がったといえよう。ポテトチップスはNo.2にもカバー率97.6%でうすしお味70gが入っており、この2品は断トツのカバー率である。ちなみに、ビックパックうすしお味170gもランキングに入っているが、カバー率は60.5%、コンソメパンチ170gは58.1%であり、約40%の対象食品スーパーマーケットで未導入である。さらに、カルビーの新製品のかっぱえびせん紀州の梅75gは、カバー率がわずか28.6%であり、同じメーカーの商品でも、商品により、カバー率は全く違い、食品スーパーマーケットのバイヤーとメーカーの営業マンとの交渉力、どこまで消費者に受け入れらるかの商品力の読みの相違が現れた結果ともいえよう。このカバー率は消費者の声以上に、小売業とメーカー(卸)との駆け引き、交渉力、営業体制など様々な要素が絡んだ結果の数字ともいえる。
意外に、菓子にはカバー率の高い新製品が比較的多く、明治製菓、チェルシースカッチアソート84gもカバー率が97.2%と極めて高い数字である。これについで、カバー率が高い新製品は、80%台となるが、冷凍食品部門の森永製菓、エスキモー「PARMチョコレートバー」55ml×6本であり、カバー率は81.0%である。もう1品、飲料部門であるが日本コカ・コーラ、コカ・コーラプラス500mlペットボトルが80.2%である。80%以上のカバー率の高い今週の新製品は以上の5品であり、カバー率でみて80%を新製品が超えるのはいかにむずかしいかがわかる。
では、70%台のものを見てみたい。ランダムにピックアップしてみると、76.6%の日本コカコーラ、ファンンタワールドカリフォルニアグレープフルーツ500mlペットボトル、71.0%のコカ・コーラプラス1.5L、78.6%のネスレコネクショナリー、キットカットミニ紅白パック14枚、71.8%の明治乳業、エッセルスーパーカップストロベリー(チョコチップ入り)200ml、70.2%の明治乳業、ブルガリアヨーグルト白桃&黄桃80g×4個、77.8%の六甲バター、QBBベビーチーズ(プレーン)4個60g、74.2%のQBBアーモンド入りベビー4個60g、77.0%のQBBカマンベール入りベビー4個60g、そして、家庭用品部門から1品、72.6%の花王、ハミングフレアふわっと花咲くエッセンスつめかえ用520mlである。
このように、カバー率のランキングでみると、金額PI値でのランキングとは一味違った角度から新製品が見えてくることがわかる。今回、ピックアップされたカバー率が70%以上の全新製品を見ると、もともと定番でも強い商品のリミューアル、改良商品が多く、いわゆるブランド力があるものが、70%という大きな壁を越えてくるという特徴があるように思える。カバー率は金額PI値と違い、消費者の評価に加え、メーカーの営業努力がかなり入る余地がある領域でもあり、この数字をいかに引き揚げるかの戦略的な取り組みも重要な営業政策といえよう。当面、新製品ランキングは低迷気味で推移することが予想されるので、今後は、このカバー率などの動きも取り入れ、新製品の動向みてゆきたい。
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