PLANT、厳しいスタート、2009年9月期、第1四半期決算!
1/27、PLANTの2009年9月期の第1四半期決算が公表された。PLANTは現在、売上は好調に推移し、この12月度は全体が113.9%、内、スーパーセンターは114.0%である。その好調な売上が利益にどう結びつているかが問われた決算である。結果は売上高210.86億円(112.1%)、営業利益0.10億円(7.0%:売上対比0.04%)、経常利益-1.45億円、当期純利益-0.81億円と増収大幅減益、経常利益、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。ただ、通期予想は、売上高900.00億円(108.3%)、営業利益11.00億円(109.2%:売上対比1.2%)、経常利益10.00億円(212.4%:売上対比1.1%)、当期純利益5.00億円(187.0%:売上対比0.5%)と、売上対比はなお厳しいものがあるが、増収増益となる決算予想であり、この第1四半期決算は特別に厳しい決算となったともとれる。
これについて、PLANTは、棚卸資産の評価に関する会計基準が適用され、棚卸資産評価損が0.87億円発生したことが、営業利益を圧迫したとのことである。また、営業外費用にシンジケートローンの手数料1.17億円が発生し、経常損失、当期純利益の損失となったとのことである。したがって、棚卸資産の評価方法が今後とも適用されるので、営業利益への影響は続くと思われるが、シンジケートローンの手数料は一括であれば、今後は発生しないので、収益への影響はなくなるといえ、これを見込んでの、通期利益の予想といえよう。
そのシンジケートローンであるが、昨年10/9に総額190億円の規模であり、タームローン170億円、コミットメントライン極度20億円の内容である。幹事行は地元福井銀行であり、福邦銀行、北國銀行の地方銀行に加え、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行など都市銀行など10行からなるシンジケートローンである。これにより、PLANTは既存借入金の返済や運転資金に機動的に対応でき、資金繰りの長期安定化を図るという。
では、PLANTの現在の財務状況はどうかを見てみたい。この第1四半期の自己資本比率は14.9%であり、2008年9月期の決算時が16.4%であり、かなり厳しい状況であり、負債に大きく依存する経営状況であることがわかる。その負債の中身であるが、長短借入金の合計が208.67億円(2008年9月決算時188.84億円)であり、わずか、3ケ月で約20億円増加しており、総資産が395.48億円であるので、52.7%と大半を占めており、厳しい状況である。
PLANTの現在の売上好調な要因は新規出店にあり、大熊店(PLANT4)、福知山店(PLANT3)、鏡野店(PLANT5)の新店が寄与している。PLANTのこれら新店を含めた出店にかかわる資産、建物、土地、その他の合計は205.35億円であり、これは総資産の51.9%となり、自己資本比率14.9%を大きく上回り、差し引き、出店余力は-37.0%となる。出店にかかわる大半を負債に依存する構造となっており、しかも、営業利益が厳しい状況であり、財務的には厳しい状況である。
したがって、キャッシュフローに関しても、今期は営業キャッシュフローが3.80億円とはなったが、その大半は減価償却費の3.99億円に負うところが大きく、当期純利益は純損失が発生したため、その貢献がなく厳しい状況であった。投資キャッシュフローは-3.37億円であり、その大半は定期預金への3.25億円であり、新規出店等への投資は0.68億円とほとんどできない状況である。したがって、フリーキャッシュフローは0.43億円とわずかなプラスにとどまった。これに財務キャッシュフローであるが、長短借入金を152.16億円返済しているが、新たに長期借入金を172.00億円借り入れており、結果、長期借入金が約20億円増加し、借入依存度が上昇している。その結果、財務キャッシュフローは19.26億円のプラスになり、トータルのキャッシュフローは19.69億円とはなったが、借入金がさらに増加していることが気になるところである。
PLANTはこのように財務的には借入依存度をさらに増し、厳しい財務状況といえるが、その財務状況を改善してゆくにはひとえに、営業利益を増加させる以外にはない。その営業利益の状況であるが、今期のPLANTの原価は81.53%であり、昨年が81.23%であるので、0.3ポイント上昇しており、結果、売上総利益は18.46%(昨年18.75%)となった。一方、販売費及び一般管理費であるが18.41%(昨年17.99%)と約0.4ポイント上昇している。したがって、減価、経費双方が昨年よりも上昇しており、営業利益が0.05%(昨年0.76%)となり、営業利益が極めて厳しい状況になった。PLANTは本来、日本独自のスーパーセンターを目指し、経費比率を極めて低く抑え、利益を生み出す新業態を目指し、当初は15%前後の経費比率であった。ところが、ここ最近は、今期の数字を見ても18%強へと大きく増加しており、利益を生み出すにはかなり厳しい水準になっているといえよう。
このように、PLANTの今期はじめてとなる2009年9月期の第1四半期の決算が公表されたが、かなり、深刻な決算結果といえ、売上は極めて好調な推移であるが、財務状況は極めて厳しい状況である。この厳しい財務状況を改善するには、マーチャンダイジング力を改善するしか方法はなく、棚卸資産の評価に関する会計基準の適用がなさる中、原価の上昇は避けられず、いかに、年々上昇気味の経費をコントロールできるかが課題といえよう。次の中間決算までに、どこまで経費比率が改善され、営業利益がプラスとなるか、まったなしの経営が続くといえよう。
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