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January 24, 2009

SK-Ⅱ、金額PI値がなぜ高いか?

   昨年9月のブログの一節であるが、「9/26、恒例の日経MJ新製品週間ランキングが公表された。今週金額PI値No.1となったのは家庭用品部門の化粧品、マックスファクター、SK-Ⅱサインズリンクルセラム30gが初登場で金額PI値Aランクの561円となり、全新製品の中でトップとなった。ただし、カバー率は14.4%であり、対象45チェーン、250店舗の中ではわずか36店舗と、限られた店舗での数字である。化粧品は一般的に食品スーパーマーケットでは限られた店舗での販売となることが多い。それは、このSK-Ⅱでもそうだが、平均単価が12,966円と高額になるためである、・・」という内容である。今週、1/23、恒例の日経MJ新製品週間ランキングが公表されたが、残念ながら、先週同様、厳しい数字となり、金額PI値Aランク500円以上0、Bランク300円以上がたた1品、Cランク200円以上6品という状況であった。

   したがって、このSK-Ⅱが当時、全新製品の中でNo.1となり、金額PI値がAランクの500円を超える数字であったのが、以前から不思議であった。しかも、平均単価は12,966円と高額である点もびっくりであった。もちろん、これだけの高額商品であるので、カバー率は14.4%と低い数字ではあるが、それでも、その14.4%の店舗の顧客が金額PI値561円という高い支持をしめしたことに驚いたものである。その後、なぜ、化粧品が時として、これだけ、高い金額PI値となるかがわからなかったが、1/23の日経MJでたまたま、SK-Ⅱの特集記事が掲載されており、これを読んで、少しその理由が理解できたように思う。

   この特集記事はヒットを狙えというテーマの連載記事であり、今回のテーマは女性用乳液、見出しは、「「SK-Ⅱ」強さ浸透、マックスファクター、抗加齢効果前面に独走」、「勝利の方程式、若年層も取り込む、手入れ好きに訴求、試用で新規つかむ」であり、金額シェアベスト10の一覧表も掲載されている。この表を見ると、やはり、SK-Ⅱサインズトリートメントトータリティが金額シェア14.2%で2位の資生堂エクシールシュペリエルホワイトCEエマルジョンⅡの2.9%を圧倒し、断トツのNo.1となっている。

   冒頭の以前取り上げたブログの記事でもそうであるが、SK-Ⅱは他を圧倒する支持を受けており、現在も、今回の特集記事のように定番になっても他を圧倒しており、すごい商品であるといえよう。記事のはじめに、No.1のSK-Ⅱサインズトリートメントトータリティの商品解説があり、そこで、「酵母が作り出す成分「ピテラ」などをカプセルに入れ、肌の内部まで成分が浸透しやすい。しわなどの加齢現象に対応する、・・」という解説があった。ヒットの理由のひとつは、アンチエイジング(抗加齢)効果を前面に出した乳液である点であるという。これが、若年層をも引き込み、しかも、一昨年9月発売の商品であるにもかかわらず、昨対104%で伸び続けているという。

   この背景には、新規顧客をたえず取り込む仕組みがあることに加え、リピート顧客が多いことも大きいといえよう。この記事では単純POS分析のみのデータだけでの分析結果となっているが、これに、ID-POS分析を加え、時間軸を6ケ月、1年でとってみると、非常に興味深い内容がさらに明らかになったのではないかと思う。たとえば、6ケ月と1年間の顧客を購入顧客のみの分析を行い、その間、新規顧客が何人生じたか、6ケ月間の購入顧客の内、どのくらいがリピートにつながり、その来店頻度はどのくらいだったか、さらに、その顧客が他の乳液と併売しているのかや、ブランドスイッチしたままの顧客はどのくらいいるのかなどを分析してみると、なぜ、SK-Ⅱの金額PI値が高くなるかの要因がより深く理解できるのはないかと思う。

   記事の中では、勝利の方程式として、若年層も取り込む以外に、手入れ好きに訴求、試用で新規つかむという理由もあげている。特に興味深いのはSK-Ⅱは乳液なのにマッサージに使えるゲル状に仕上がっている点もヒットの要因のひとつだという。また、2週間分のサンプリングを入れて化粧品と一緒に渡すと、かなりの割合で通常サイズの商品を購入する客が続出したという。まさにこれは、新規顧客獲得の王道であり、食品スーパーマーケットでも試食は新規顧客獲得の最高の手段ともいえる方法であり、SK-Ⅱもまさに試供が新規顧客獲得にぴったりはまったといえよう。

   このように、今回No.1の金額シェアとなったSK-Ⅱサインズトリートメントトータリティは発売以来、高い支持をうけ、新規顧客を絶えず獲得し、リピート購入も高い商品となり、わずか、1年強で圧倒的な乳液のシェアを獲得した特異な商品である。日経MJの週間ランキングにこのシリーズが新製品と登場した時もいきなり、金額PI値Aランクの500円を優に超え、全新製品No.1となったが、今回、この特集記事を読み、その一端が垣間見えたように思える。乳液という非常に身近な商品の中にもヒットの背景には、ヒットするだけの理由があり、しかも、それが1万円を超える高額商品でも食品スーパーマーケットで金額PI値がトップクラスになることもあることがわかり、商品とは改めて奥が深いと感じた。

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