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February 02, 2009

家計調査データ2008年12月度、消費支出、鈍る!

   1/30、総務省統計局から2008年12月期の家計調査データが公表された。全体の消費支出は、10,870.19円(95.8%)とマイナスに転じた。11月度は9,492.07円(100.7%)、10月度は9,403.35円(98.2%)、9月度は9,078.48円(100.0%)、8月度は9,392.06円(98.4%)、7月度は9,624.71円(102.3%)と、この6ケ月間では最も低い伸び率となり、改めて、家計消費が冷え込み始め、節約志向が鮮明になったといえよう。総務省統計局では、この数字のように名目ではなく、実質での伸び率を公表しているが、実質でもこの12月度は、95.4%であり、しかも、過去2年間で最も低い伸び率であり、家計は明らかに節約志向に入ったといえよう。

   では、その要因はどこにあるかを大分類で確認してみると、外食を含む食料3,131.81円(99.5%)、住居713.03円(90.6%)、光熱・水道768.29円(98.6%)、家具・家事用品435.03円(93.3%)、被服及び履物472.48円(92.4%)、保健医療431.61円(92.2%)、交通・通信1,260.10円(94.0%)、教育324.77円(103.1%)、教養娯楽1,242.2円(96.9%)、その他の消費支出2,090.81円(93.0%)という状況であった。食品、教育は堅調な数字といえるが、その他は軒並み厳しい数字であり、特に、住居(90.6%)、保健医療(92.2%)、被服及び履物(92.4%)など厳しい数字となった。

   そこで、このような全体的に消費支出が厳しい中で、食品はどうかを見てみたい。まず、外食を除く食品の状況であるが、食品2,646.16円(99.9%)とほぼ昨対並の堅調な数字となった。その中身であるが、特に穀類が278.23円(104.7%)と好調であり、最も伸び率が高かった。穀類の中でよく伸びた項目はスパゲッティ3.77円(131.5%)、即席めん5.84円(124.0%)、小麦粉2.10円(122.6%)が120%以上の伸びを示し、改めて値上げ関連商品が消費を牽引していることが鮮明になったといえよう。実際、最も伸び率の高かったスパゲティの伸びた要因を見てみると、購入世帯のみの数字が10.77円(126.8%)、購入世帯の割合が35.0%(103.7%)という状況であり、新たな購入世帯を増やしているのではなく、購入世帯の消費支出が上昇しており、これは、平均単価の上昇に負うところが大きいと推測される。他の120%以上伸びている項目もほぼ同様な傾向であり、結果的に値上げが消費支出を押し上げたといえよう。

   穀類についで、伸びた部門は果物141.35円(101.5%)、野菜・海藻326.94円(100.7%)、乳卵類112.13円(100.6%)であり、穀類を含む、この4部門が昨対を100%超えた部門である。この中で、120%以上伸びた項目であるが、バナナ14.00円(166.9%)、キウイフルーツ2.39円(154.2%)、ぶどう0.87円(135.0%)、かんしょ3.90円(122.2%)のみである。ただ、バナナの伸びには著しいものがあり、166.9%は食品すべての項目約200分類の中でNo.1の伸び率であり、改めてダイエット効果がテレビ放映されたことによる宣伝効果が明らかになったといえよう。ちなみに、バナナのここ最近の数字であるが、12月度14.00円(166.9%)、11月度15.67円(164.9%)、10月度18.23円(170.7%)、9月度15.06円(151.1%)、8月度12.42円(129.6%)、7月度13.55円(116.7%)、6月度15.40円(114.9%)、5月度14.10円(103.3%)、4月度13.23円(102.3%)という推移であり、9月度から爆発的に需要が拡大したことがわかる。では、その中身はどうかであるが、購入世帯のみの数字が20.12円(141.6%)、購入世帯の割合が69.6%(117.9%)という状況であり、購入世帯のみの数字の方が伸び率は高いが、購入世帯の割合も大きく増加しており、バナナの新規購入世帯も増やし、既存の購入世帯はさらに需要を増やすという好循環によるバナナの消費拡大が続いていることがわかる。

   これに対して、この12月度、消費支出が厳しかった部門であるが、魚介類404.39円(97.4%)、調理食品(惣菜)367.94円(98.1%)、飲料133.13円(98.8%)、酒類183.16円(98.9%)の4部門である。魚介類では生鮮魚介が216.19円(95.4%)と厳しい状況であり、特に、まぐろ24.39円(87.1%)、さば3.26円(87.8%)、ぶり19.68円(88.3%)、かれい4.61円(88.8%)等の主力項目が80%台という厳しい状況であり、消費額の大きいさしみ盛合わせ22.61円(97.1%)、この時期特有のかにが29.65円(91.1%)と伸びなやんだことが大きかったといえよう。ただ、その中でもさんま2.19円(136.0%)、えび20.61円(108.7%)、たこ5.65円(106.1%)は堅調な伸びを示した。

   調理食品(惣菜)では何といっても、うなぎのかば焼き3.55円(61.5%)の落ち込みが大きい。ついで、ぎょうざ5.03円(84.8%)、やきとり4.52円(92.1%)といずれも中国関連の項目が伸び悩んだといえよう。飲料では紅茶3.19円(83.9%)とミネラルウォーター5.39円(89.3%)が厳しい数字であった。そして、酒類であるが、ぶどう酒9.77円(78.7%)が厳しかった。ただ、この中でもウイスキーは4.39円(122.5%)絶好調であり、ここのところ酒類の中では断トツの伸び率である。

   このように、この12月度の家計調査データを見ると、明らかに消費の減退が感じられる。ただ、その中でも食品は比較的堅調であり、節約志向の中、検討している部門であるといえよう。特に、値上げ関連の穀類、乳卵類が消費を牽引しており、これについで、この12月度は果物、野菜が検討したのが特徴であったといえよう。いよいよ、今年に入り、本格的な不況となりつつあり、来月以降の家計調査データがどのような数字となるか、注意深く見てゆく必要があろう。

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