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February 04, 2009

2008年12月度の年末の状況を見る!

   昨年の年末の消費動向が明らかになった。本ブログでも取り上げた1/30に公表された2008年12月度の家計調査データの中に日別の消費動向があり、それを見ると、12/1から12/31までの日別の各項目ごとの消費動向が公表されている。家計調査データは、詳細な家計の消費動向が分析されているが、速報値は月間であるが、これに季刊(四半期)、年間があり、さらに、月間と一緒に日別の数字が公表される。そこで、ここでは、特に、気になる昨年の年末、および、クリスマスの日別の数字をもとに、2007年12月度と比べどのような消費の特徴があったのかを見てみたい。

   この2008年12月度は、9/15のリーマンブラザースショック以来、急激に落ち込んだ景気後退の影響を最も強く受けたといえる時期の年末である。したがって、その消費動向には例年にない変化が表れている可能性も高く、それが、今後、さらに混迷するであろう消費へ、どのような影響が予想されるかもうらなうことにもなり、ここで結果をしっかり把握しておくことが重要と思われる。

   まず、12月度の特徴であるが、食品(外食を除く)でみた場合、12/1から12/31までの31日間で12月平均よりも家計の消費額が高くなる日は、昨年の12月度は全部で7日間あった。12/23、24、27、28、29、30、31である。意外にクリスマス当日の12/25は消費額が12月平均を下回ったのが今年の特徴である。一昨年の2007年度は103.4%であったので、今年のクリスマスは食品はやや厳しい数字であったといえよう。ただし、食品を含む全消費額で見ると、12/25は118.62%と高い数字であり、食品以外の部門がこの日は大きく貢献したのが特徴である。ただ、一昨年と昨年のクリスマスの消費額を比べてみると、80.13%であり、今年はかなり厳しいクリスマスであったといえよう。

   そこで、問題の年末の消費動向であるが、今年の年末の日別動向は12/27から月間平均値を上回り、12/27(113.4%)、12/28(135.0%)、12/29(154.2%)、12/30(208.2%)、12/31(219.2%)となり、ピークは12/30、12/31の2日間であるが、12/27から徐々に消費額が上向いていることがわかる。これを全体でみると、12/28までは12月平均並みで推移しており、12/29(115.20%)、12/30(127.13%)、12/31(123.64%)という状況であり、さほど、年末だからといって、大きく跳ね上がるわけではないといえよう。むしろ、食品が全体の消費を引っ張っての年末の数字が上昇しているといえよう。

   では、一昨年と比べ、昨年、2008年12月度の年末の状況はどのように推移したかであるが、12/23(103.2%)、12/24(100.4%)、12/25(93.1%)、12/26(99.0%)、12/27(110.0%)、12/28(103.2%)、12/29(94.7%)、12/30(101.1%)、12/31(100.3%)という状況である。これを見ると、12月の最大の消費となる12/30、12/31はほぼ一昨年並みであり、12/29がやや落ち込み、12/27が例年よりも高い消費であったことがわかる。昨年の年末は、各社が早めに年末商戦に取り組んだために、12/27が一昨年と比べ最も伸び率が高い日となったのが特徴といえよう。

   そこで、まず、12/27、110%を優に超えた一昨年と比べて高い消費を示した部門を見てみると、穀類123.6%、果物123.1%の2部門が大きく伸びているのが特徴である。穀類では特に即席めん282.4%、スパゲッティ168.0%、もち143.0%、生うどん・そば133.5%などがよく伸びている。また、果物では金額は少ないがオレンジが異常値であり、955.6%、ついで、なし264.7%、バナナ171.8%、いちご145.1%がよく伸びている。

   次に、まさに、年末、12/30、12/31であるが、一昨年と比べ全体の数字は先に見たように12/30(101.1%)、12/31(100.3%)とあまり大きな変化はなかったが、部門で見ると、12/30は調理食品(惣菜)110.6%、肉類106.3%、魚介類104.2%と、この3部門が比較的高い伸びを示している。これに対し、12/31は菓子類112.6%、乳卵類107.9%、果物107.6%、油脂・調味料107.4%と、この4部門がよく伸びているのが特徴である。

   では、さらに、12/30の特徴的な大きく伸びた項目を見てみると、カツレツ159.8%、弁当136.2%、ハンバーグ128.2%、冷凍調理食品127.4%、合いびき肉201.0%、ベーコン152.0%、かつお317.6%、さんま291.7%、干しあじ242.2%、しじみ234.9%、あさり177.2%、たらこ145.5%、塩さけ144.7%、干しいわし135.2%、煮干し124.1%、さしみ盛合わせ122.6%等である。

   一方、12/31、特に伸びた項目を見てみると、ゼリー147.1%、ようかん135.9%、プリン120.7%、キャンデー120.1%、チーズ140.1%、バター122.8%、オレンジ314.3%、バナナ183.8%、キウイフルーツ152.4%、マーガリン157.4%、乾燥ス-プ140.9%、ふりかけ123.5%、ジャム123.4%等である。こう見ると、12/30、12/31、果物は共通しているが、それ以外は日により、消費項目が違うのが昨年の年末の特徴であったといえよう。ちなみに、12/30、12/31、どちらも伸び悩んだ部門は穀類(89.4%、98.8%)、酒類(88.0%、94.8%)、野菜・海藻(96.9%、100.7%)の3部門であった。

   このように、昨年、2008年12月度の食品の年末商戦はほぼ昨年並みの数字であったといえるが、12/27が意外に伸びており、若干早目に年末商戦が立ち上がったといえよう。そして、年末商戦の根幹、12/30、12/31は、一昨年と比べ、伸びた部門、伸び悩んだ部門はあったものの、全体の食品の数字は一昨年に近い数字であり、消費状況が悪化し、家計が明らかな節約志向に入っている割には、例年並みの比較的落ち着いた消費傾向であったといえよう。問題は、この1月からはじまった今季の消費であり、さらに、家計の節約志向は強まっており、今後の消費動向がどのような状況になるか、いち早く、現状を把握し、的確な対策を立ててゆく必要があろう。1月度は2月末に公表される予定であるが、どのような数字となるか気になるところである。

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