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February 18, 2009

家計調査データ、2008年度、餃子No.1は宇都宮市!

   総務省統計局から、家計調査データの年間版、2008年度の結果が2/13、公表された。本ブログでは、月間版の家計調査データを公表され次第、独自に分析し、毎月取り上げているが、年間版を取り上げるのははじめてである。今回は、特に年間版ということで、昨年1年間の消費金額の都市別ランキングを様々な項目で見てみたい。ちなみに、都市別の家計調査データは、全都道府県を網羅し、51都市の集計となっており、平均約100世帯、全部で約5,000世帯のデータである。
  
   まず、2008年度の概要であるが、総消費金額の平均は3,582,494円であり、世帯人員は3.11人である。したがって、一人当たりに換算すると1,151,347円となる。また、この内、食品(外食を含む)消費金額は906,484円であり、一人当たり291,327円となる。この2つの数字を割ると食品比率、いわゆるエンゲル係数となるが、25.4%である。標準偏差をとると1.7%であり、平均との比率が6.7%であるので、各都市、さほど大きな差はないといえ、2008年現在、日本人の世帯当たりのエンゲル係数は約25%といえよう。過去の日本のエンゲル係数は昭和28年までは50%以上であり、昭和37年から40%を切り、そして、昭和54年から30%を切ったというので、年々、日本のエンゲル系数は下がっているといえよう。
  
   さて、このような状況の中で、特に、各都道府県の都市間でバラツキが大きいものを中心に食品の項目を比較してみたい。バラツキの度合いについては、標準偏差を算出し、平均からの割合をもとに見てみたい。全体の消費金額のバラツキが7.6%、食品が6.7%であるので、10%を超えればバラツキが大きいといえ、20%以上では大きくバラツいているといえよう。ちなみに、先ほど、NHKで餃子の数字を公表していたが、まず、餃子で見てみると、餃子のバラツキは30.7%でかなりの地域差がある項目であるといえる。No.1の都市は宇都宮市であり、4,706円である。No.2が浜松市の3,665円であるので、約1,000円の差となり、宇都宮市は圧倒的なNo.1の餃子の消費金額といえよう。以下、No.3鹿児島市(2,604円)、No.4宮崎市(2,592円)、No.5静岡市(2,498円)と続く。
   
   食品の大分類で見た場合のバラツキであるが、穀類7.1%、魚介類12.6%、肉類14.6%、乳卵類8.6%、野菜・海藻11.5%、果物14.4%、油脂・調味料5.9%、菓子類9.4%、調理食品11.1%、飲料8.3%、酒類15.4%、外食14.4%であるので、生鮮品、酒類が比較的バラツキが大きいといえ、グロサリー関連は小さいといえよう。そこで、酒類についてバラツキ度合を見て見ると、最もバラツキが大きいのはウィスキーであり66.5%である。ついで、ぶどう酒46.9%、37.9%の清酒、31.1%の焼酎と続く。ビールが最もバラツキが小さく17.6%である。そのウィスキーのNo.1であるが、札幌市の4,065円であり、No.2が京都市(3,050円)であるので、ダントツで札幌市である。

   ちなみに、酒の中で焼酎と清酒の比率を出してみると、焼酎比率が高いNo.1は那覇市であり、1,188.2%と清酒の10倍以上焼酎の消費金額が高いことがわる。No.2は鹿児島市959.7%、No.3が宮崎市460.4%、No.4が熊本市264.0%、そして、No.5が広島市235.7%であり、南の都市が圧倒的に多いといえよう。逆に、清酒比率が高い都市は富山市39.8%、奈良市41.8%、津市42.7%であり、これらの都市は圧倒的に清酒の消費金額が多い都市である。同様に、牛肉と豚肉の比率を出してみると、牛肉比率のNo.1は和歌山市の161.7%である。No.2は神戸市の156.1%、No.3奈良市149.9%、No.4大阪市144.0%、そして、No.5松山市141.7%となる。逆に、豚肉の比率が高い都市は、牛肉比率の低い都市であり、札幌市31.8%、福島市33.6%、前橋市36.9%、盛岡市37.9%、新潟市39.2%となり、天気予報のように、西高東低の牛肉比率といえよう。

   もういくつか、バラツキの大きな項目を見てみると、納豆があり、30.7%である。No.1は福島市であり、6,435円であり、No.2は山形市の6,229円であり、競っている。No.3は前橋市5,903円、No.4は水戸市5,595円、そして、No.5が仙台市5,420円である。逆に、納豆の消費金額が少ない都市は、和歌山市の1,758円であり、ついで、大阪市2,057円、堺市2,076円、高知市2,304円となり、牛肉と反対の東高西低の納豆の消費金額である。意外に、納豆の本場、水戸市がNo.4であるのが驚きである。

   もうひとつ、ミネラルウォーターであるが、これも飲料の中では33.1%とバラツキが大きい項目である。No.1は長崎市の4,844円であり、No.2が那覇市の4,121円である。以前、沖縄県の食品スーパーマーケットの売り場を視察したことがあるが、ミネラルウォーターの品揃えにびっくりしたことがあり、やはりというか、全国No.2の数字である。No.3は宇都宮市3,559円、No.4水戸市3,340円、そして、No.5神戸市3,320円である。逆に、消費金額が少ない都市は鳥取市752円、青森市846円、富山市1,331円となり、地区はバラバラといえよう。

   このように、年間の家計調査データを各都市間で比較してみると消費実態の各地区での違いが鮮明に浮かび上がり、興味深い結果である。特に、食品の中では生鮮、日配、酒にバラツキが大きいといえ、改めて、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングは地域密着が極めて大事な要素であることが明確に浮かび上がったといえよう。今後、本ブログでも必要に応じて、家計調査データの月別の速報に加え、今回の年間データも参考にし、より食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングに活用できるように工夫してゆきたいと思う。

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