ウォルマート売上速報、2009年1月度、101.8%!
ウォルマートの今期最後の売上速報、2009年1月度が2/5公表された。ウォルマート全体の数字は101.8%と12月度の99.9%と2ケ月連続でのマイナス成長にはならなかったが、依然として、昨対ぎりぎりという厳しい状況が続いている。累計ではちょうど52週目に当たり、106.2%という数字となり、いかに、この数ケ月が厳しい数字であったかがわかる。ただ、国内のウォルマートの数字は回復基調にあり、約20%弱のドル高による海外部門の影響があまりにも大きいといえ、当面、この傾向は続くものと予想されよう。
全体の数字をもう少し掘り下げてみると、全体の売上金額は277.42億ドル(約2.5兆円)となり、101.8%となったが、要因は海外の売上が66.47億ドル(約0.6億円)となり、92.7%となったことが大きい。52週累計では106.6%であるので、いかにここ数ケ月の海外状況が厳しいかがわかる。特に、ウォルマートの海外依存度は全体の23.9%と約1/4となっているので、この海外部門の失速がウォルマート全体を直撃しているといえよう。
これに対して、アメリカ本土のウォルマート本体は179.64億ドル(約1.6兆円、全体の約65%)となり、106.1%と52週累計が106.2%であるので、回復基調であるといえるが、海外部門がここまで後退すると、さすがに全体も厳しいものがあったといえよう。また、国内のサムズクラブ部門も31.31億ドル(約0.3億円)となり、99.2%となり、52週累計が105.1%であるので、厳しい状況となった。ちなみに、海外部門の中の日本、西友であるが、既存店の数字が好調であるとのことで、消費者に特に食品のeveryday low price政策が浸透しつつあるとのことである。ただ、食品以外の衣料品、住関連用品等は経済情勢の悪化により、やや厳しい状況にあるという。
ウォルマートはこの1月で累計52週となり、今期決算となるが、この時点での速報値の売上は3,982.61億ドル(約35兆8,434.9億円)であり、昨対106.2%である。ウォルマート部門は2,538.95億ドル(約22兆8,505.5億円)、106.2%、サムズクラブ部門は465.19億ドル(約4兆1,867.1億円)、105.1%、問題の海外部門も978.47億ドル(約8兆8,062.3億円)、106.6%となり、52週累計では、いずれの部門でも堅調な数字となった。
では、国内の既存店の状況はどうかを見てみたい。まず、ウォルマート部門であるが、102.1%と堅調な売上であった。昨年が100.2%であったので、昨年の1月度よりも、高い伸びを示しており、100年に1度といわれるアメリカの未曾有の経済危機の中では、健闘しているといえよう。52週累計も102.7%とほぼ同じ伸び率であり、この1年間、ウォルマート全体を大きく支えてきたといえよう。ウォルマート自身もこの数字は、ウォルマートが今期掲げた、ウォルマートでお買い物をすることによって、顧客の節約志向に応え、その結果、顧客のより豊かな生活をもたらすというスローガンを実践した結果であるとしており、この厳しい経済情勢の中でも消費者の支持を得たと述べている。
これに対して、サムズクラブの既存店であるが、102.4%、52週累計でも103.1%とウォルマート部門同様、堅調な数字ではあるが、これにはガソリンなど燃料関連が加えられていない数字である。ウォルマート部門はガソリンなど燃料関連の影響がほとんどないが、サムズクラブ部門はこの影響が大きい部門である。したがって、このガソリンなど燃料部門を加えた数字は98.5%と昨対を割ってしまった。実に、ガソリンなど燃料部門のインパクトが-3.9%もあり、サムズ部門にとっては大きな痛手となった。52週累計では、104.3%であり、インパクトは1.2%あり、この1年間、サムズクラブ部門にとってはガソリンなど燃料部門の貢献がいかに大きかったかがわかる。
この結果について、投資家は、ウォルマートをどう見ているかであるが、この売上速報が公表された2/5前後の株価を見てみると、2/2(46.57ドル)、2/3(47.81ドル)、2/4(46.42ドル)、そして、2/5(48.56ドル)、2/6(49.63ドル)と株価は上昇に転じている。ただ、今年に入ってウォルマートの株価は下げに転じている。年末には56ドル近辺であった株価が、徐々に下がり、オバマ氏が大統領に就任直前の1/8には、通常の3倍近い9,000万株を超える大量の売りが出て、51.38ドルまで売られた。その後、1/12には、51.39ドルとほぼ横ばいであったが、株価は下がりはじめ、2月はじめには46ドル近辺にまで迫っていただけに、この1月度の売上速報が堅調な数字であっただけに、一息ついた状況といえよう。今後、株価がどこまで回復するかが課題といえよう。
このように、ウォルマートが今期最後の月別売り上げ、2009年1月度を公表したが、先月よりは回復基調での数字であり、52週の年間の売上も堅調な数字となった。問題は、今後、公表されるであろう今期決算数字であり、売上は堅調な結果となったが、利益が最終的にどのような数字となるかが待たれるところである。そして、今期以上にアメリカ国内はもちろん、世界全体が厳しい経済情勢になりつつある厳しい経営環境の中で、来期、ウォルマートがどのような経営戦略を打ち出すかが注目といえよう。
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