売上速報、食品スーパーマーケット2009年1月、104.7%!
食品スーパーマーケットの今年はじめての売上速報を集計した。食品スーパーマーケット業界は上場企業が約50社あるが、その内、毎月売上速報を公表している企業は20社強である。今回はその20社強である食品スーパーマーケットのこの1月度の売上速報の集計となるが、結果は単純平均で104.7%、既存店は99.7%であった。この数ケ月の数字は昨年12月度が全体104.0%(既存店99.2%)、11月が106.2%(101.5%)、10月度が103.9%(99.5%)、9月度が103.5%(98.4%)という推移であるので、11月の休日が例年より多かった月を除けば、ほぼ横ばいの伸び率といえ、1月度も堅調な売上であったといえよう。
ここのところ、日本経済全体がこの10-12月度のGDPの年率換算が-12.7%となるなど、急激な厳しい経営環境に入ったといえるが、こと、食品スーパーマーケットに関してはコンビニと並び、堅調な売上を維持し続けているといえよう。既存店もほぼ100%を維持しており、健闘しているといえる。全体の数字が104.7%になった要因であるが、客数が105.5%、客単価が99.4%という状況であり、客数が伸びての売上増であり、さすがに、客単価(顧客一人当たりの売上)はやや厳しい状況にあるといえる。ちなみに、客単価まで公表している食品スーパーマーケットは約10社強であり、さらに、PI値、平均単価まで公表している食品スーパーマーケットは5社前後であるが、その状況を見ると、PI値の方がやや落ち込み、平均単価がほぼ100%という状況である。
このような中で、この1月度No.1となったのはハローズである。全体が113.0%(既存店99.4%)という状況であり、新店が寄与し、好調な売上となった。ハローズはこの1年間、積極的な新規出店を果たしており、昨年2月にハローズ江崎店、6月には香川県1号店のハローズ丸亀店、11月にはハローズ六条店、12月にはハローズ笠岡店、そして、この1月度の売上には入らないが、2月にはハローズ総社店と次々に新規出店をしている。食品スーパーマーケットの成長は新規出店に負うところが大きく、まさに、ハローズの好調な売上はこの積極的な新規出店にあるといえよう。
No.2はスーパーバリューである。売上は112.2%(既存店101.1%)と既存店も堅調な数字である。スーパーバリューもこの11月にスーパーバリュー川口前川店、12月にもスーパーバリュー入間春日町店を立て続けに新規出店しており、これが大きく売上に寄与したといえよう。これで店舗数は10店舗となったが、店舗数の増加は120%となるので、おそらく、来月以降はさらに売上を伸ばすことが予想される。No.3はPLANTであり、111.7%(既存店97.7%)である。PLANTも昨年7月にPLANT-5鏡野店、5月にPLANT-3福知山店を新規出店しており、売上は2桁を維持し続けている。昨年10月には190億円のシンジケートローンを契約し、財務的には一息ついた感があるが、依然として、利益は厳しい状況が続いており、この好調な売上をどう利益に繋げるかが課題といえよう。
これについで、No.4はマックスバリュ東海110.4%(既存店100.2%)、No.5はマックスバリュ西日本110.2%(既存店101.7%)であり、この5社がこの1月度110%の売上を超えた食品スーパーマーケットである。なお、他のマックスバリュであるが、No.7にマックスバリュ東北106.9%(既存店99.4%)、No.18にマックスバリュ中部101.6%(既存店99.1%)、No.23にマックスバリュ北海道94.6%(既存店91.0%)であり、マックスバリュ東海、西日本が特に好調な売上である。
逆に、この1月度売上が厳しかった食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ北海道の94.6%(既存店91.0%)についで、Olympic97.0%(既存店98.5%)、トーホー98.9%(既存店97.7%)、エコス99.4%(既存店96.0%)であり、この4社がこの1月度の集計では100%を割った食品スーパーマーケットである。ただ、この4社にしても、100%を大きく割ってはおらず、この状況を見ても、この1月度の食品スーパーマーケットの売上は堅調な数字であったといえよう。
また、105%以上の堅調な売上となった食品スーパーマーケットを見てみると、ダイイチ109.2%(既存店101.0%)、マックスバリュ東北106.9%(既存店99.4%)、ヤオコー106.0%(既存店102.5%)、九九プラス105.6%(既存店103.2%)、CFSコーポレーション105.6%(既存店103.0%)、そして、バロー105.3%(既存店97.4%)である。105%以上は110%も含め、全部で11社であり、集計食品スーパーマーケットの半数が105%以上と堅調な売上であったといえる。
今回、気になる食品スーパーマーケットとしては、これまで好調であったマルエツがやや売上が伸び悩み、102.9%(既存店101.7%)であったことである。また、この1月度は104.6%(既存店104.6%)と既存店が好調なオオゼキであるが、この4月に3年ぶりの新規出店が控えており、今年後半から急成長に転じるのではないかと予想される。
このように、この1月度も食品スーパーマーケット業界は好調さを維持しているといえよう。この数ケ月、ほぼ同じ水準の伸び率で推移しており、1月度の数字も落ち込むこことなく104.7%と堅調な結果となった。また、好調な食品スーパーマーケットはこの厳しい経済状況の中でも積極的な新規出店を行っており、改めて、食品スーパーマーケットの成長が新規出店に支えられていることが明確になったといえよう。今月は食品スーパーマーケットの決算月である。この好調な売上が決算数字にどのように反映されるか注目したい。
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