コンビニ、2009年1月度、依然好調、既存店107.0%!
2/20、日本フランチャイズチェーン協会から、2009年1月度のコンビニの売上速報が公表された。結果は、全体が109.6%、既存店が107.0%となり、依然として好調な売上を維持している。この売上集計は、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの11社、合計41,800店舗の集計であり、コンビニ業界全体の現状を反映した結果であるといえよう。
もちろん、これは、taspo効果の影響が大であり、いかにたばこがコンビニに影響があるかを表しているといえよう。一般にチェーンストアの売上が伸びる要因は、新店の増加によることが大きいが、この1月度の数字を見ても、店舗数は102.2%であり、新店が全体の売上109.6%へ寄与したわけではなく、既存店の107.0%が全体の売上を押し上げており、コンビニそのものがtaspoにより、構造変化が起こったといえる。もう少し、細かく、その要因を見てみると、全体の客数が10億4,862.5万人となり、110.0%となり、内、既存店は107.6%となり、既存店の客数が大きく伸びている。ちなみに、1店舗当たりでは、809.24人であるので、1店舗当たり全体では80人ぐらい、既存店では60人ぐらいの伸びとなる。
これに対し、客単価はどうかと見てみると、全体が601.0円、既存店が595.9円となり、伸び率は-0.4%、-0.5%とほぼ横ばいである。すなわち、taspo効果は客単価よりも、客数を増やしており、しかも、増えた客数の客単価も通常の顧客と大きく変わらないという結果となっている。これまで、たばこを自動販売機で買っていた消費者が、コンビニで購入することが多くなり、しかも、その時、通常のコンビニの顧客と同様な客単価で買い物をしているということであろう。
さらに、商品別の数字を見てみると、統計ではコンビニの商品分類を4つに分けて集計しているが、最も伸びた商品はたばこを含む非食品であり、128.0%という高い伸びである。ついで、サービスの107.1%、加工食品の102.9%、日配の101.2%である。客単価がほぼ昨年と変わらず、非食品のみが約30%突出しており、しかも、非食品の売上構成比は30%強であるので、相乗積をとると、約9%の貢献度となり、ほぼ売上の伸びと一致する。したがって、taspo効果により増加した顧客の客単価601円の中身は、非食品、特にたばこ+αの数字と推測される。既存商品への影響よりも、たばこそのものの売上増が全体の売上増につながったといえ、コンビニの顧客を増やしたというよりも、たばこの購入顧客を自動販売機からコンビニに呼び込んだという方が近いようである。
そこで、単純にこの数字から、自動販売機から、コンビニにどのくらいたばこの売上が移ったかであるが、既存店の増加客数が全国のコンビニで、この1月度は約7,000万人弱であるので、このうち、大半が客単価600円をタバコに充てたとすると 約420億円、70%でみても約300億円の自動販売機でのたばこの売上がコンビニに移転したことになる。しかも、これが、約1年近く続くと思われるので、年間では最大約5,000億円、70%でも約3,500億円のたばこの売上移転といえよう。
ちなみに、これと同じことが、この6月から薬で起こる可能性がある。改正薬事法の施行により、ドラックストアから、コンビニ、食品スーパーマーケットへ、そして、通販での薬販売の規制により、通販からドラックストアへ、そして、コンビニ、食品スーパーマーケットへである。今回のたばこのtaspoほど、この6月時点では受け入れ態勢側のコンビニ、食品スーパーマーケットができていないといえるので、数字の変化があるかどうかは読めないところだが、体制が整うにしたがい、徐々に影響が明確になってゆくものといえよう。
Taspoの場合も、この1年を見てみると、全国一斉にtaspoが導入されたわけではなく、徐々にtaspoの導入が進んで行き、コンビニの売上も徐々に上昇し、全国へのtaspoの導入がほぼ行き渡った5月頃からは、順調に売り上げが伸び、昨年後半は110%近い数字で推移している。したがって、薬に関しても、急激に売上が上昇してゆくのではなく、体制が整うとともに徐々に上昇してゆくことになろうが、ほぼ、期間はtaspoよりは、長くかかると思われるが、傾向は同じようなことになるのではないかと推測されよう。ちなみに、Taspoの効果が全国のコンビニで明確に表れ始めたのは5月から6月であり、コンビニの現在の好調な数字も今年の5月から6月には昨年並みの数字に落ち着くと予想されるが、薬の取り組みによっては、この6月以降、コンビニも食品スーパーマーケットも薬の導入により、客数を伸ばし、売上を伸ばす店舗も出てくるものといえよう。
このように、この1月度も景気後退が鮮明となり、消費者の節約志向が深まる中、コンビニは依然として既存店が107.0%、全体では109.6%と2桁近い売上の伸びを維持しており、好調さが依然として続いている。おそらく、この好調さは今年の5月から6月までは継続すると思われるが、そろそろ、ポストtaspoを検討する時期に来たといえよう。そのひとつは薬ではあろうが、これは体制をつくるまでに、かなりの時間がかかると思われるので、薬以外の成長の糧が必要といえる。今期、コンビニの決算は好調な決算となると思わるが、決算後、次の成長戦略をどのように打ち出すか、各社の動向に注目したい。
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