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February 11, 2009

タイヨーの2009年2月期第3四半期決算を見る!

   ここ最近、タイヨーの株価が激しく動いている。その動きを見ると、売買高こそ、1日数千株であり、売買の成立もけっして多いとはいえないが、ここ数ケ月の値動きは激しい動きを示しており、特に、ここ数週間は上昇気味で推移している。昨年年末から今年に入ってのタイヨーの株価の動きであるが、12/25(1,286円、1千株)、12/26(1,286円、2千株)、12/30(1,400円、1千株)、1/5(1,598円、3千株)、1/6(1,629円、8千株)、1/7(1,439円、1千株)、1/14(1,271円、1千株)、1/20(1,200円、1千株)、1/30(1,450円、2千株)、2/2(1,415円、3千株)、2/3(1,420円、2千株)、2/4(1,460円、1千株)、2/5(1,598円、3千株)、2/6(1,628円、6千株)、・・という動きである。

   タイヨーの株価は昨年1年間、そして、今年の11月頃までは、1,000円前後での商いであったので、明らかに年末年始の株価は異常な値動きであるといえる。売買高が少ないだけに、このように株価の変動が大きくなる傾向があるとはいえ、昨年1年間はほとんど大きな値動きがなかったので、やはり、ここ数ケ月は動きが急であるといえよう。

   そこで、タイヨーの業績が現在どのような状況にあるかを、直近の決算、この1/13に公表された2009年2月期の第3四半期で見てみたい。まず、概要であるが、営業収益950.34億円 (97.3%)、営業利益23.26億円 (87.4%:営業収益比2.4%) 、経常利益23.36億円(87.9%:営業収益比2.4%)、当期純利益11.48億円(81.9%:営業収益比1.2%)と減収減益のやや厳しい決算であった。ちなみに、通期予想も、営業収益比1,295.00億円(99.2%)、営業利益33.00億円(89.6%:営業収益比2.5%)、経常利益34.00億円(92.1%:営業収益比2.6%)、当期純利益16.00億円(88.1%:営業収益比1.2%)と減収減益予想である。

   減益になった要因であるが、売上原価は78.7%(昨年79.2%)と0.5ポイント下がっており、原価の削減が進み、結果、売上総利益は21.3%(昨年20.8%)と改善した。一方、販売費及び一般管理費であるが、20.0%(昨年19.2%)と0.8ポイント上昇しており、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は1.3%(昨年1.6%)となり、0.3ポイント下がった。これに、不動産収入等の営業収入が1.2%(昨年1.1%)のり、営業利益は2.5%(昨年2.7%)となり、昨年よりも、営業利益が下がった。マーチャンダイジング力のマイナス、すなわち、経費の上昇が営業利益を下げた要因といえよう。

   これを受けて、キャッシュフローの流れであるが、営業活動によるキャッシュフローは100.60億円と巨額に上っているが、これは決算日の関係で仕入れ債務が73.79億円(昨年14.24億円)となったためである。投資キャッシュフローであるが、-15.10億円と有形固定試算の取得に12.51億円投資し、結果、フリーキャッシュフローは100.54億円となり、仕入債務の分を考慮しても、プラスとなり、順流のキャッシュフローである。そして、財務キャッシュフローであるが、-8.43億円となり、中身は長短借入金の増加が21.70億円あるが、支出も27.23億円あり、差し引き5億円強の支出となった。結果、トータル、77.07億円となり、仕入債務の分を考慮しても、プラスのキャッシュフローであり、長短借入金の返済も進み、キャッシュフローの流れは順流の良い流れであるといえよう。

   この結果、自己資本比率であるが、53.7%(昨年57.1%)と昨年より、やや下がったことが気になるが、負債の主要項目である長短借入金の合計は212.06億円(昨年218.81億円)と若干下がっている。ただ、総資産1,008.48億円に占める割合は21.0%とやや多めであり、今後、さらに圧縮したいところであろう。自己資本比率がやや下がったのは、仕入債務の買掛金の増加に負うところが大きかったといえる。一方、タイヨーの出店余力であるが、出店にかかわる資産である土地、建物、その他資産の合計は738.25億円となり、これは総資産の73.2%となり、自己資本比率-出店にかかわる資産は-19.5%となり、ちょうど、長短借入金の分、依存している財務構造といえる。今後、新規出店を行い、安定的な成長を目指す上においては、もう少し、借入依存度を減らし、出店余力を高めたいところである。

   こう見ると、タイヨーのここ数ケ月の株価の変動は、この直近の第3四半期決算の結果を見る限り、成長性、収益性への高い期待からの株価上昇ではないといえ、P/L、BS以外の要素による株価上昇と考えられる。最近のタイヨーの大きな動きであるが、1/24の南日本新聞の記事によると、タイヨーが九州でははじめて、農業生産法人「アグリ太陽 蒲生ファーム」を設立し、蒲生町と共同でパプリカ、ナス、トマトなどをつくり、収穫物はタイヨーに出荷する見通しということである。

   このように、タイヨーの株価は売買高が少なく、商いの成立もまばらな状況であり、強い買いが入ると比較的大きく上昇する傾向もあり、今回のように、財務内容とは無関係に株価上昇を招きがちであるといえよう。ここ最近の株価上昇がこの農業法人にかかわることによるかどうか、難しいところであるが、ここへきて、明らかに、タイヨーの株価は上昇気味で推移しており、全体的に厳しい食品スーパーマーケットの株価の中では、数少ない上昇株の1社であり、今後の動向に注目したい。

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