九九プラス、2009年3月期第3四半期決算、黒字転換!
九九プラスが2/9、2009年3月期第3四半期決算を公表した。第3四半期の累計では営業総収入1,017.43億円(108.8%)、営業利益-1.13億円、経常利益-0.88億円、当期純利益-6.18億円と依然として増収減益、赤字決算が続いているが、四半期ベースで見ると、10-12月期の第3四半期のみでは、営業総収入339.06億円、営業利益2.43億円、経常利益2.34億円、当期純利益0.81億円と昨年の第4四半期から続いていた赤字から、黒字に転換した。
九九プラスは、昨年の9/5にローソンの連結子会社(株式保有76.8%)となっているので、その成果がここに来て表れてきたようである。ただ、通期予想は、営業総収入1,332.00億円(108.3%)、営業利益0.50億円(12.5%)、経常利益0.40億円(11.2%)、当期純利益-6.00億円と依然として厳しい状況が続く予想であり、今後、この第3四半期での黒字転換が転機となり、今後、どこまで経営改善につながるかが課題といえよう。
その九九プラスとローソンとの業務提携後の取り組みであるが、大きく3つあるといえよう。ひとつは、「SHOP99」の「ローソンストア100」への転換(新規出店及び既存店の改装)である。この12月末で372店の新型「ローソンストア100」をオープンさせており、2010年3月期の第2四半期連結累計期間中にもほぼ全店を「ローソンストア100」に転換する計画であるという。当然、その結果、既存店の売上高と粗利率のアップに貢献し、既存店活性化につながってゆくことになるという。現在でも、既存店は102.0%で推移しており、この第3四半期のみでは103.9%と好調である。
2つめは、FC(フランチャイズ・チェーン)化についてである。現在、FCビジネスの本格展開に向けて、新FCパッケージ構築のための実験を既に終了させ、「ローソンストア100」で試験運用(検証)を開始しているという。この12月末で店舗数は、843店となったが、その内、直営734店に対して、FCは109店となり、構成比は12.9%となった。
そして、3つめは、物流コストの削減についてである。これまで関東エリア及び関西エリアを中心に商品カテゴリーによって点在していた物流センターを常温センターと低温センターにそれぞれ集約化したという。また、昨年6月には西関東低温センター(埼玉県川越市)、同9月には関西低温センター(大阪府大阪市)、同10月には東北低温センター(宮城県仙台市)、同11月には西関東DDC(神奈川県相模原市)と関西DDC(大阪府茨木市)の常温センター2カ所を稼働させたという。さらに、今期中には残る中京エリアの新常温センター・新低温センターを設置する予定で、これにより当初計画の全国物流整備計画は完了する予定であるという。
この3つ以外にも、ローソングループ統一のプライベートブランド(PB)商品「バリューライン(VL)」と「オリジナル商品」を共同開発し、12月末現在426品となったという。さらに、九九プラス特有の強みである青果についても三菱商事グループの協力体制による主力商品の品質向上で客単価の高い主婦層を中心に女性客の獲得を目指す取り組みもはじめたという。
このような急激な経営改革により、九九プラスは経営改善が着々と進みつつあるが、この第3四半期の営業利益がマイナスになった要因を見てみると、原価が76.1%(昨年73.2%)と2.9ポイントと大幅に上昇しており、結果、売上総利益が23.9%(昨年26.8%)と大きく下がったことが大きかたといえる。一方、販売費及び一般管理費であるが、25.9%(昨年25.9%)と変わらず、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-2.0%(昨年0.9%)となり、原価が大きく上昇したことが響いたといえよう。ただ、今期はFC化も進み、加盟店手数料、その他収入が2.0%入り、結果、営業利益は1.13億円のマイナスに抑えることができ、しかも、この第3四半期のみでは黒字化しており、FC化戦略をはじめ、ローソンとの業務提携が軌道にのりはじめたといえよう。
一方、財務面であるが、自己資本比率は40.8%(昨年40.1%)と若干プラスとなった。その要因を負債の主要項目である長短借入金の状況を見てみると、今期は19.52億円(昨年決算時44.68億円)と大きく改善しており、総資産261.25億円に占める割合は7.4%となった。また、出店にかかわる資産、土地、建物、敷金保証金の合計は93.72億円と総資産の35.8%であり、自己資本比率の範囲内での出店構造であり、今後、FC化が進めば、さらにこの数字は軽減されよう。ちなみに、九九プラスの負債の構成比が大きい項目は99.62億円(総資産の約40%弱)の買掛金であり、自己資本比率の改善は負債の削減よりも、純資産の増加がむしろ課題といえよう。
このように、現在、九九プラスは経営改革がローソンと2人3脚で急ピッチで進んでおり、この第3四半期のみの営業利益が黒字に転じたことで、その成果が表れはじめたといえよう。現在、家計は節約志向から家計のリストラへと突入しつつある中、小売業の中ではコンビニと食品スーパーマーケットが比較的強い支持を受けている業態といえる。九九プラスは、ローソンと組むことによって、まさに、この2つの業態を融合することになり、ハイブリットな新たな小売業態の創造へ挑戦しているといえよう。来期、九九プラスが、今期の成果を踏まえて、どのような経営戦略を打ち出すか、期待したいところである。
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