牛乳に相談だ、3月から大キャンぺーン!
3年前から中央酪農会議が力を入れている「牛乳に相談だ」キャンペーンが、この3月から牛乳以外の食品とのクロスマーチャンダイジングを本格化させる。日経MJ、2/23で詳細が報じられているが、その見出しは、「牛乳、食品とクロスMD」、「明治製菓のチョコなど、2000店舗にPOP設置、中央酪農協議会」というものである。ちょうど、この3月から、乳業メーカーが牛乳の出荷価格を上げることに対応するとのことである。
これまでにも、「牛乳に相談だ」キャンぺーンはこの3年間数々のクロスマーチャンダイジングを実施しており、お酒のリキュール、パン、ココア、バナナ、ハンバーガーなど様々な商品と取り組んでおり、今回は、これらの実績を踏まえての、7月頃までのロングキャンペーンになるとのことである。すでに、第1弾として、明治製菓のミルクチョコレートと組み合わせたクロスマーチャンダイジングを実施したという。「チョコと牛乳は相性がいい」とのキャッチコピーに、「牛乳に相談だ」のコピーを組み合わせ、POPを作成し、バレンタインデーで訴えたという。また、この3月からは、森永製菓とココアやホットケーキなど牛乳を使用する4商品で共同販促を行うという。さらに、ミツカンとも酢を組み合わせた新たな牛乳の飲み方を提案するという。
ちなみに、中央酪農協議会が公表している数字によると、「牛乳に相談だ」のCM認知度は東京の中高生では85.0%、大阪の中高生では76.7%と高く、中高生以外でも東京の19-69歳では77.5%、そして、東京の30-49歳では90.8%という高い知名度であり、この3年間で消費者に十分に浸透したといえよう。このキャンペーンの実績を踏まえての、今回のクロスマーチャンダイジングのキャンペーンであり、この3月から、牛乳は値上げと付加価値キャンぺーンという、通常は値下げとキャンぺーンが販促のポイントであるが、逆の非価格、付加価値のキャンペーンであり、どこまで、牛乳の値上げによる逆風を緩和できるか、消費者の動向が気になるところである。
ところで、牛乳は食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングの中でどのような位置づけになるかであるが、結論からいえば、牛乳は最重点商品であるといえる。その根拠は、食品スーパーマーケットの約300ある全カテゴリーの中で、年間を通じて、金額PI値、PI値ともにNo.1の商品であるからである。特に、PI値は圧倒的なNo.1といえ、20%を優に超え、強い店舗では30%から40%もある商品である。PI値30%とは、1日平均約2,000人の客数で600本の牛乳が平均して売れるということであり、これでだけ、支持のあるカテゴリーは食品スーパーマーケットにはなく、ずば抜けたPI値の商品である、ちなみに、今回のチョコレートのPI値はせいぜい数%のPI値であり、牛乳の1/10となる。
したがって、極論すれば、牛乳はすべての商品にとってクロスマーチャンダイジングの効果が期待でき、牛乳の圧倒的な集客力を店舗全体の活性化にどう活かすかという商品であるといえよう。仮に、牛乳にとっても、販売数量増を狙うのであれば、牛乳につぐPI値の商品か、顧客動線の中で、牛乳のPI値以上の客数PI値の高い場所でのキャンペーンが有効であろう。ちなみに、牛乳につぐPI値の高い商品は豆腐、たまご、菓子パン、きゅうり、もやし、季節の果物(いちご、みかん等)などであり、客数PI値の高い場所は、店頭、平台、エンド、レジ前、壁面などである。このPI値、客数PI値とクロスマーチャンダイジングがクロスされた時が牛乳、クロス商品、そして、店舗全体の活性化につながるハイブリットキャンペーンとなろう。
また、牛乳は売れ筋が明確な商品であることも、特徴である。品揃えは約30SKU近くもあるが、上位5SKUで約70%近い売上構成比を占め、残り25SKUで30%という売上構成比であり、重点商品で牛乳のマーチャンダイジングの強さを決まってしまうというのが実態である。しかも、最近はそのベスト5の中で、No.1がPBに次々に置き換わっており、圧倒的なPBの強さが光る食品スーパーマーケットが大半となりつつある。この3月からの牛乳の値上げはこの傾向をさらに強める可能性が高く、PB対NBという構図がより鮮明になり、PBの存在感がより増すのではないかと想定される。ちなみに、PBのPI値は1品で5%前後、強いPBになると10%にもなる場合もあり、PB1品でチョコレート全品の売上を優に超えてしまう強さがあるのが実態である。
このように、牛乳は食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングにおいて、最も重要なPI値最高の商品である。また、最近、急激に数字を伸ばし、存在感を増しつつあるPBの成功事例の典型的な商品でもある。今回、この3月からはじまる中央酪農会議の「牛乳に相談だ」のクロスマーチャンダイジングのキャンペーンは、食品スーパーマーケットとしては、再度、牛乳のマーチャンダイジングを見直し、店舗全体の活性化につなげるチャンスでもある。このキャンペーンをもとに牛乳のマーチャンダイジングを改善し、平均単価のアップ以下にPI値のダウンをどこまでくいとめることができるかが課題といえよう。この3月移行の牛乳の動向に注目といえよう。
有料版プレミアム、リニューアル、今週の内容! お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ!(現在1300人) 資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在580人)
« 売上速報、食品スーパーマーケット2009年1月、104.7%! | Main | PB戦略最前線、チェーンストアエイジ2/15号で特集! »
« 売上速報、食品スーパーマーケット2009年1月、104.7%! | Main | PB戦略最前線、チェーンストアエイジ2/15号で特集! »
Comments