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February 27, 2009

ローソン、am/pm(レックスHD)、基本合意発表!

   2/25、日経の1面トップに掲載された、「am/pm、ローソンが買収へ、150億円、首都圏を強化」という記事の中身が正式に、25日のローソンの取締役会において承認され、公表された。2/26の日経でも、「ローソン、am/pm買収発表、店舗飽和再編促す、国内1万店超、セブンを追撃、来春メド合併」という見出しの記事が掲載された。いよいよ、コンビニも首都圏を主戦場として、再編が本格化したといえよう。日経の記事にも、ローソンとam/pm合併後の総店舗数と首都圏の店舗数の主要コンビニの一覧表が載っているが、セブンイレブン、ローソンの一騎打ちとなる様相が鮮明となり、今後、第3位のファミリーマートの動向も含め、コンビニ業界が風雲急を告げる状況になったといえよう。
  
   日経の記事によれば、今回のローソンとam/pmの合併を受けての総店舗数と首都圏での店舗数の合計は、No.1はセブンイレブンの総店舗数12,000店舗(首都圏4,000店舗)であるが、ローソン、am/pmは合併後10,600店舗(首都圏3,300店舗)、ファミリーマート7,300店舗(首都圏2,300店舗)となるので、依然としてセブンイレブンの優位は変わらないが、ローソンが激しく追い上げ、ファミリマートを突き放しはじめたといえよう。今回、ローソンが業界7位のam/pmを買収することにより、コンビニ業界全体が再編へ動く可能性が高いといえ、今後のコンビニ各社の動向は予断をゆるさない状況となりつつあるといえよう。
   
   今回、ローソンが公表した、am/pmの親会社、レックスHDとの合意内容を見てみると、単純に株式を買い取るのではなく、少し、分かりにくいスキームでの買収となっている。ローソンのam/pmの買収条件に、「am/pmは運転資本等確保・財務体質の改善・資本増強を目的として、レックスHDへの55 億円の第三者割当増資を予定しており、当該第三者割当増資を前提に、本取得を実施する予定」という内容がついていることである。am/pmの現在の資本金は95.5億円であり、その内、レックスHDが62.6%を保有しているので、単純に金額に換算すると59.7億円となる。したがって、55億円を増資すると、総資本金が150.5億円となり、レックスHDは59.7億円+55億円となり、114.7億円の資本金となり、単純計算では76.2%へと資本構成が跳ねあがる。さらに、「上記第三者割当増資と併せて、レックスHDがam/pmを100%子会社とすることを条件として、当社が本取得を実施する予定です。」とのことである。
   
   したがって、レックスHDは、55億円をam/pmへ新たに出資し、さらに、残りの株式も取得し、100%の子会社とすることがまずは、大前提であるということである。そして、さらに、「取得金額につきましては、レックスHDによるam/pmへ55億円の第三者割当増資を前提に、第三者割当増資後のam/pmの全株式を備忘価格、貸付債権を200億円と予定しています。その結果、実質的な本取得金額は145億円となります。」とのことであり、株式は100%買い取るが、これ加え、貸付債権を200億円としており、債権を同時に買い取る内容であり、実質、M&Aというよりも、債権を買い取っての買収という内容といえよう。これにより、レックスHDは200億円-55億円-株式買取分が入り、ローソンは200億円-am/pmの第3者割当増資分55億円=145億円の投資ということになる。
  
   実にわかりにくいスキームであり、単純な株式取得によるM&Aとは違い、債権、債務の絡んだ複雑なM&Aといえよう。ここまで、話が複雑になったのは、am/pmが2007年12月期決算において、純利益が148.83億円の大幅なマイナスとなり、純資産が122.62億円の多額なマイナスとなり、経営危機に陥ったことが背景にあるといえよう。その後、taspo効果の追い風が吹いたが、2008年12月期決算も純利益が50.26億円の赤字となり、経営が待ったなしの状況に追い込まれていた。純資産は26.21億円とプラスにはなったが、総資産に占める割合はわずか5%強であり、深刻な経営危機となっていたといえる。
  
   このような背景でのローソンとのM&Aの交渉であり、レックススHDとしては、ローソン側におされる形での交渉となったものと思われる。2/26の日経でも、「正直、もうぎりぎりのところまで下げたのに、とレックスの関係者は疲れ切った表情を見せた」と、交渉の難しさが報じられているように、ローソンの強気の交渉による妥結であったことが伺われ、それゆえ、今回のような複雑なスキームとなったものと思われる。
   
   ちなみに、2/26のローソンの株価であるが、4,150円(+120円、+2.97%)と、日経平均が下げる中、プラスとなり、投資家は買いと判断したようである。ただ、ローソンの株価は、昨年の年末は5,000円を超えており、今年に入り、右下がりの株価で推移しており、今後、このM&Aを受けて、どこまで、株価が回復するか、しばらくは状況を見極める必要があろう。
   
   このように、いよいよコンビニ業界も本格的なM&Aに入ったといえ、今回のローソンのam/pmへのM&Aは業界再編の口火ともいえよう。折しも、北陸ではセブンイレブンが1号店をオープンし、今後3年で200店舗を出店する方針であるという。コンビニは食品スーパーマーケット以上に体制が整うと出店ペースが速いのが実態であり、今後、今回のローソンのようにM&Aによる店舗数増加に加え、セブンイレブンに見るような一気呵成の新規出店もまだまだあり、ここ数年がコンビニ業界の勢力図を決めることになりそうである。本ブログでも、食品スーパーマーケットに加え、コンビニの動向にも注目してゆきたい。

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