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February 26, 2009

PB戦略最前線、チェーンストアエイジ2/15号で特集!

   PB戦略最前線と題し、チェーンストアエイジ2/15号でPB(プライベートブランド)の特集が組まれた。全28ページの記事であり、なかなか読み応えのある内容である。対象PBはランキング順(ブランドパワー)に、トップバリュ(81.3)、コープ商品(68.6)、セブンプレミアム(63.1)、セービング52.5)、CGC(52.6)、生活良好(50.1)、くらしモア(49.2)、ファインセレクト(48.4)、Vマーク(47.0)、SEIJOISHI(46.8)、e-price(45.8)、東急セレクト(45.7)、グレートバリュー(45.2)、グットアイ(44.7)、万代選品(43.8)、GreenQ(43.5)、ハッピープライス(43.4)、バローベーシック(43.3)、くらしのモルト(42.7)、ハートフラッグ(42.3)の20品であり、日本の主要PBをほぼ網羅しているといえる幅広いPBの特集記事である。
 
   記事の構成もパート1がPBブランドパワーランキング編、消費者の変化編、プライシング編、パート2がPBの大躍進、欲張りなPB・SBに加え、イオングループ、セブン&アイホールディングス、日本生協連、ニチリウ、CGC、ユニーグループ、ウォルマートのインタビュー等も入り、充実したPBの特集記事である。また、このパート2では日本の主要小売業、食品スーパーマーケットへのアンケート記事も掲載されており、日本のPBの現状がよくわかる内容となっている。
  
   実際、今期の食品スーパーマーケットのPBはこの1年で急激に浸透したといえる。2008年前半は原油の値上げが異常な状況となり、それに連動するかのように、小麦、とうもろこし等の穀物相場に投機マネーが流れ、異常な相場高となった。これを受けて、食品メーカーがあいついで値上げを行い、これが小売価格に転嫁され、NB(ナショナルブランド)は軒並み価格が上昇した。その結果、PBとの価格差が拡大し、PBの割安感が増し、じわじわとPBの売上が上がっていったのが今期前半の動きであった。
  
   その後、値上げしたNBの数量が落ち始めるということが起こりはじめ、売上はその数量の落ち込みが値上げ分よりも低かったこともあり、各社、値上げ分を吸収する状況となったが、数量は下がりはじめ、この頃から、一部工場等で生産が抑制されたり、NBの提携工場では生産が縮小されるなど、NBの数量が落ちはじめるという動きがではじめた。そして、この間隙を縫う形で、これまでPBを生産してこなかった優良メーカーが小売業の求めに応じてPBを生産しはじめる動きが見え始め、PBの品質が以前よりも、あがりはじめるようになった。
  
   そのような中、9.15、リーマンブラザーズの経営破綻がきっかけとなる100年に一度の金融不安による世界的な経済危機がぼっ発し、その後、金融、輸出関連企業を中心に日本経済も未曾有の経済危機に陥ることになる。これが、消費の節約志向につながり、最近では家計のリストラ、生活そのものの全面見直しに突入しはじめるという状況になった。ここにぴたりPBがはまったといえ、現在、爆発的といってよいほど、消費者のPBへの流れが加速したといえよう。
  
   まさに、この1年でPBは大きく変身を遂げており、量においても、質においても変貌したといえよう。チェーンストアエイジのPB戦略最前線の記事の中でもPBの購入重点視点の90%以上の項目を見ると、価格が安い・手ごろ(94%、昨年91%)、味や品質が良い(93%、昨年87%)、安心感がある(92%、昨年86%)、安全性に配慮している(91%、昨年85%)である。この4項目がPBの購入重点視点であり、特に、価格以外は本来NBの強みであったはずであるが、昨年の数字と比べても、これらの項目が上昇しており、いまや、NBとPBの差は消費者から見ると、価格のみとなりつつある状況を示しているといえよう。したがって、明らかに、NBよりも2割から3割は価格が安いPBは消費者からの支持が広がるのは当然といえば、当然の結果ともいえ、この経済、消費環境が続く限り、PBはますますその存在価値を高めることになろう。

   また、記事の中で消費者アンケートがあるが、PBを買うか?という問いに、約80%の方がよく買う、ときどき買うと答えており、PBが浸透していることがよくわかる。逆に買わないという方は、わずか約5%であり、PBへの消費者の意識が高まっているといえよう。では、PBで購入する商品とは何か?については、菓子、調味料、めん類、乳製品等をあげており、菓子がトップであるのは少し意外であった。問いの中では、購入時に必ず価格を見るものはどの商品分野か?というものもあるが、これも意外なことに、農産物、水産物、畜産物がベスト3となり、加工食品が4位とである。消費者は生鮮の価格をいかに重視しているかがわかる。

   このように、チェーンストアエイジでPB戦略最前線の特集記事が組まれたが、まさにベストタイミングの特集記事であるといえ、興味深い内容である。今期、PBはまさに、経済、消費環境が追い風となり、飛躍的な躍進を遂げたといえるが、当面、この厳しい経済、消費環境は続くと思われ、来期もPBは一段と消費者に浸透するのではないかと思われる。食品スーパーマーケットはもちろん、小売業全体が来期はどのようなPB戦略を打ち出してくるかに注目といえよう。

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