日経ヴェリタスで縮む消費、縮まぬ会社を特集!
日経ヴェリタス2/15号で縮む消費、縮まぬ会社の特集が組まれた。表紙から5ページに渡っての特集記事であり、その中に、食品スーパーマーケットが4社取り上げられた。取り上げられた企業が8社であるので、半分が食品スーパーマーケットであり、投資家からも、節約志向の中、食品スーパーマーケットの動向が注目されていることが改めて浮き彫りになったといえよう。今回、この特集に取り上げられた食品スーパーマーケットは、オオゼキ、サンエー、大黒天物産、そして、イズミヤの4社であるが、それぞれ、記者が現場の店舗に直接足を運んで取材しての記事であり、興味深い内容である。
記事の内容は、記者の現場取材記事に加え、最近の業績、社長インタビュー、そして、ここ1年の株価を掲載したコンパクトなものであるが、なぜ、この食品スーパーマーケットが伸びているのかを記者なりの独自の分析と感想が述べられており参考になる。
まず、オオゼキであるが、「客の希望に即答、トマトだけで22種、ノーと言わない「恋愛関係」」という見出しではじまる。記事のポイントは、仕入と売り場の一体化に焦点を当てており、オオゼキにはバイヤー職はなく、店ごとに担当者が自分で市場に出向いて仕入れるところが強みであることを強調した内容である。そして、これが、品揃えと売込みの強さにつながり、食品スーパーマーケットでも類稀な坪売上1,280万円を達成する原動力となっているという。ヤオコー320万円、マルエツ330万円と比べても4倍以上の差であり、オオゼキの強さの源泉であるという。そして、記者は少し、意地悪をし、あえて、従業員にトマトの質問、ステーキの半カットへの要望を出すが、いずれも、しっかり従業員が対応し、改めて、オオゼキの強さを感じたという落ちとなるが、オオゼキの特徴をよく表しているといえよう。
次に、サンエーであるが、「ノウハウ借りて多業態運営、地元が愛する「なんでも屋」」という見出しの記事である。記事のポイントは、サンエーの強さを、食品スーパーマーケットの強さだけでとらえるのではなく、沖縄県における総合小売業No.1企業としてとらえているところにある。食品スーパーマーケットをメインに、SC、外食、ホテル、そして、様々な本土の企業、マツモトキヨシ、家電量販等とのFC契約で、総合小売業化をはかり、地元、沖縄県では入社したい会社トップ3に入るという人気企業であるという。また、この1月にはローソンとの業務提携を発表し、コンビニ業界への参入を決めたという。サンエーは沖縄県では唯一の小売業の上場企業であり、この点も沖縄県では一目置かれる存在であるという内容である。
そして、大黒天物産であるが、「創業以来増収増益、平日も行列、安さで圧倒、少品種大量販売」という見出しの記事である。今回取り上げた4社の食品スーパーマーケットの中では株価上昇率が最も高い企業であり、約1年で500円前後が1,500円を超え、3倍強となっており、注目の取材記事である。内容は、記事でも強調しているが、「他社の追随を許さない値段の安さ」であり、記事の冒頭から、缶コーヒー29円との書き出しである。社長への取材では、大賀社長も「不況でわれわれの時代がやってきた」と述べているように、実際の業績も抜群のものがあり、この12月度も既存店が約10%伸びたという。その結果、予想を上回る増収増益となることが確実となり、この5月期決算を上方修正するという好調さである。しかも、今年11月からは月1店舗のペースでの新規出店をはじめるとのことで、来期は積極的な攻めの経営戦略を打ち出すという。さらに、まだ、未出店の地区、九州地区でM&Aも検討しているという記事の内容である。来期、大黒天物産は食品スーパーマーケット業界において、台風の目となる予感である。
最後に、イズミヤであるが、「余計なものは値下げの邪魔。データで攻める「毎日安い」という見出しの記事である。内容は、スーパーセンターの好調さと独自のポイントカードの活用方法についてである。現在、イズミヤは5店舗のスーパーセンターを出店しており、売上が好調に推移しているとのことである。また、ポイントカードに関しては顧客の購買履歴を分析し、様々な工夫を凝らして商品戦略、競合対策等を立てており、これが他の食品スーパーマーケットにない強みとなっているという内容である。
このように、投資家向け専門紙である日経ヴェリタスが、現在の縮む消費の中で、縮まぬ会社として特集した8社の中に上記の4社の食品スーパーマーケットが取材されており、業績の良い食品スーパーマーケットが投資対象として注目されはじめたといえよう。実際、ここへきて、消費は節約志向が鮮明になり、食品スーパーマーケットはその追い風を受け、比較的好調な売上を確保しており、この4社に限らず、業績の好調な企業が多いといえる。今期決算はもちろん、来期もこの好調さは続く可能性が高いといえ、食品スーパーマーケット各社が、来期、どのような経営戦略を打ち出すかに注目といえよう。
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