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February 17, 2009

西武百貨店にセブンプレミアム登場、買ってみる!

   先ほどのNHKの19時のニュースで、GDPの10-12月の成長率が-3.3%となり、これを年率換算すると-12.7%になるという厳しい経済情勢の報道をしていた。そして、その関連報道の中で、百貨店でも価格訴求の商品を品揃えに加えはじめたということで、池袋の西武百貨店の売場を取材していた。特に、この2/10から池袋の西武百貨店で販売をはじめたセブン&アイのPB(プライベートブランド)、セブンプレミアムの売り場が写しだされた。たまたま、その約1時間前の18時頃、報道のあった池袋の西武百貨店の売り場でセブンプレミアムを5品買ったばかりであり、びっくりした。もしかしたら、テレビに映っているのではないかと思ったが、残念ながら、映ってはいなかった。
  
   ちなみに、5品とは7プレミアムのしょうゆヌードル98円(79g、サンヨー食品)、ピーナッツチョコ100円(80g、でん六)、シーフードヌードル(78g、サンヨー食品)、辛口いかフライ100円(60g、なとり)、そして、ふ菓子100円(8本、やおきん)である。この5つを選んだのは、セブンプレミアムの全約800品目の中で売上ベスト5だからである。セブンプレミアムは通常のPBとは違い、上記5品にあげたように、メーカー名をパッケージに明記しているのが特徴である。これは、これまで、セブンイレブンが取り組んできたメーカーとのチームマーチャンダイジングのノウハウを活かし、セブン&アイホールディンズのグループをあげてのグループマーチャンダイジングの成果といえ、メーカーもともに責任をもって消費者へ販売してゆこうという意思が強く働いているからといえよう。
  
   先日のブログ、「日経ビジネス2009.2.2、セブン&アイの破壊を読む!」でも言及したが、このセブンプレミアムの開発責任者は、ヨークベニマルの大高善興社長であり、コンビニよりも、食品スーパーマーケットからの視点が強く反映されているといえ、その分、商品選定、品質へのこだわり、そして、何より価格へのこだわりが高いといえよう。セブンプレミアムのトップ5がすべて100円以下というのも、顧客の値ごろをしっかりつかんでの商品開発といえる。NHKのニュースでも、この100円ゾーンのセブンプレミアムの商品をアップで写していたが、これが堂々と最高級の商品を販売する百貨店に置かれ、しかも売れ始めているとのことで、まさに、時代の変遷、現在の世相を反映しているといえよう。
   
   先のブログでも触れたが、池袋の西武百貨店の食品売場の幹部がヨークベニマルの大高善興社長ひきいるヨークベニマルの本社、郡山に赴き、いまから約30年前のイトーヨカー堂の行革を思いおこさせる業務改善委員会に参加し、ヨークベニマルのバイヤー、店長等といっしょに研修を受けたという。これが、今年の1月のことであるので、早速、その成果の一端が、この2/10からはじまったセブンプレミアムの専用売り場のオープンという形で表れたといえ、感慨深いものがある。このセブンプレミアム売り場の奥にはザ・ガーデンという食品スーパーマーケットの売り場があるが、いずれ、ここにも、おそらく、ヨークベニマルの本格的な売り場が出現する日も来るのではないかと思ってしまう。

   この池袋の西武百貨店のB2は生鮮倶楽部/ザ・ガーデンというコンセプトであり、今回オープンしたセブンプレミアムの売場を挟んで、奥がザ・ガーデン、手前が生鮮倶楽部であり、そこでは、生鮮3品のテナント、いわゆるカテゴリーキラーが入っており、強力な生鮮売り場を作っている。そして、ザ・ガーデンは高級スーパーのシェルガーデンがベースになった食品スーパーマーケットであり、やや高級感のある通常の食品スーパーマーケットよりもワンランク上の商品を中心に品揃えされている。昨年の後半までは時代にフィットしていたコンセプトであると思えるが、昨年後半からは、節約志向の激しい波が押しよせ、やや、現在の消費環境と違和感のある売り場となってしまった感は否めないといえよう。


   仮に、ここに、ヨークベニマルがそっくり入ったらどのような売り場に変身するのだろうかと思いながら、ついでに、このザ・ガーデンの売り場にも立ち寄って、その場面を想像してみた。ただ、食品スーパーマーケットとしてはやや面積が狭く、売り場づくりにはかなりの工夫が必要といえるが、都市型小型タイプのヨークベニマルのモデル店を開発するには、ぴったりの立地のようにも思え、また、この時代だからこそ、そして、この池袋には、いまだからこそ、格好の地であるように思えた。

   本来、食品スーパーマーケットは消費者の生活を、食という面から全面的に支える社会的使命があり、そのためには、安心安全を前提とし、いかに、家計を節約というキーワードで支えるかが競争の源泉であるといえよう。その意味で、PB、プライベートブランドは、まさに、本来、食品スーパーマーケットが取組むべき、その象徴的な商品であるといえよう。この1年、食品スーパーマーケット業界のPBは急激に成長し、昨年前半はメーカー各社の値上げ攻勢の中、その存在感を高め、後半からは経済情勢の急激な悪化から、まさに、消費者の節約志向に真っ向から応えたといえ、ちょうど、この1年で急激な成長と存在感を増したといえよう。今後、セブンプレミアムはもちろん、各社のPBがどこまで消費者に受け入れられてゆくかに注目したい。

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