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March 29, 2009

丸和、2009年1月期、増収減益、厳しい決算!

   九州、福岡県を中心に食品スーパーマーケットを展開する丸和が3/24、2009年1月期の本決算を公表した。結果は、売上高402.82億円(101.4%)、営業利益-0.43億円、経常利益-3.13億円、当期純利益0.15億円(11.0%:売上対比0.03%)となり、増収減益、営業利益、経常利益は赤字となる厳しい決算となった。

   丸和は現在、広島の食品スーパーマーケットユアーズの全面支援を受けて経営再建途上である。この3/17にはユアーズへ第3者割当増資により、株式を金銭債権の現物出資として受け入れ、これまでのユアーズの持ち株比率が41.13%から66.62%となり、親会社がユアーズへと移った。これで、ユアーズがほぼ2/3の株式を取得したことになり、ユアーズ傘下で経営再建が本格化することになる。

   丸和は現在、59店舗の食品スーパーマーケットチェーンであるが、今期は当初は既存店46店舗での展開であったが、昨年4月に石原商事13店舗を子会社化したため、現在は、59店舗でのチェーン展開となっている。今期売上高が101.4%となった要因は、この石原商事の子会社化が大きいといえる。特に、石原商事が北九州、福岡県を中心にドミナント展開を行っていたため、丸和の18店舗の既存店に加え、13店舗が加わり、31店舗体制となり、北九州地区でのドミナトがより強化されたことになる。親会社のユアーズは、地元が広島であるので、今後、中国から九州へかけての食品スーパーマーケットのチェーン展開が本格化するものといえよう。

   ユアーズは、決算が9月であり、すでに2008年9月期の決算が終了しているが、売上は417.01億円(101.4%)、営業利益6.78億円(74.5%:売上対比1.62%)、経常利益8.10億円(77.1%:売上対比1.94%)、当期純利益1.69億円(54.6%:売上対比0.40%)と増収減益となるやや厳しい決算であった。ユアーズの店舗数は現在41店舗であるが、この内、40店舗が広島県での展開であり、1店舗が岡山県での展開である。したがって、丸和の北九州31店舗、そして、山口県での25店舗とユアーズの岡山県での1店舗、広島県での40店舗とがチェーン化されることになり、今後、この地区でどこまでドミナントを強固にできるかが当面の経営課題となる。
 
   さて、丸和の営業利益が赤字となった要因であるが、売上原価は75.1%(昨年76.4%)と1.3ポイント下げており、原価は大きく改善している。結果、売上総利益は24.9%(昨年23.6%)と上昇しており、粗利は改善した。一方、販売費及び一般管理費であるが、25.9%(昨年22.8%)と、3.1ポイントと大幅に上昇しており、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.0%(昨年0.8%)と大きくマイナスとなった。これに、不動産収入等の営業総利益が0.9%(昨年0.9%)のり、営業利益が-0.1%(昨年1.7%)という結果となった。今期はこのように、販売費及び一般管理の大幅増が経営を圧迫した要因である。

   特に経費の増加が大きい項目は賃借料3.5億円、人件費3.5億円、販促費2.4億円、その他2.0億円等である。これについて丸和は、「外食事業を展開する当社連結子会社の業績不振、株式会社石原商事の子会社化に伴う諸経費増加、同社で予定しておりました大型物件の賃貸契約開始がずれ込んだこと等による、・・」とコメントしており、外食の不振と石原商事へのM&Aの諸経費が要因であるとしている。実際、外食については、売上は今期19.78億円と全体の約5%であるが、営業利益は-2.5億円と赤字となり、スーパーマーケット事業の営業利益2.3億円でカバーできず、赤字の要因となっているのが現状である。昨年の外食の営業損失が-0.5億円であったので、さらに悪化しており、丸和にとっては、外食の経営改革が急務の状況である。
 
   これを受けて、丸和の自己資本比率であるが、9.3%(昨年11.7%)と厳しい状況である。これは、決算が1/31であり、ユアーズの3/17の第3者割当増資前の数字であるので、厳しい状況であるといえるが、利益剰余金-54.05億円が重くのしかかっている状況である。また、負債の主要項目である長短借入金の合計は131.14億円と総資産271.69億円の48.2%と多額の金額となっており、これも経営を大きく圧迫している要因である。今回、ユアーズの増資金額が13.91億円であるので、ユアーズが経営権を取得することにはなるが、財務状況は依然として厳しい状況が続くものいえ、丸和としては、ユアーズ主導での一層の経営改革が急務といえよう。
 
   これを受けて、2010年1月期の通期予想であるが、売上高400.00億円(99.3%)、営業利益3.6億円(前期赤字:売上対比0.90%)、経常利益1.7億円(前期赤字:売上対比0.42%)、当期純利益3.60億円(前期0.15億円:売上対比0.90%)と減収増益である。依然として、厳しい経営が続くといえよう。

   このように、2009年1月期の丸和の本決算が公表されたが、増収減益、特に、営業、経常段階では赤字となる厳しい決算となり、財務内容も自己資本比率が9.3%という厳しい状況であった。この3/17にはユアーズが第3者割当増資を受け入れ、親会社となり、やや財務内容が改善してはいるが、依然として、多額の借入金、利益剰余金の大幅なマイナスが財務に重くのしかかり、営業面でも外食が厳しい状況である。この厳しい経営を改善するのには、一層の経営改革が必要といえ、今後、ユアーズ主導でどのような抜本的な経営改革が打ち出されるか、また、今回のユアーズの増資を踏まえ経営数字がどこまで改善するかに注目である。

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