家計調査データ2009年1月度、食品堅調、全体は厳しい!
今年に入っての家計調査データ、2009年1月度が2/27、総務省統計局から公表された。結果は全体の消費額は実質、名目ともに5.9%の減少となり、全体としては厳しい状況となった。ただ、食品に関しては外食を含めると実質1.8の減少であるが、名目では1.4%の上昇、外食を抜いた名目では2.2%の上昇となり、堅調な数字となった。全体が落ち込んだ要因は寄与度で見ると、自動車等関係費-1.63、交際費-1.12と、この2大部門が大きく全体の消費を下げており、自動車関連の不振、交際費の減少要因が影響した月となった。これ以外では、通信-0.46、外食-0.20、保健医療サービス-0.18、ガス代-0.15、上下水道料-0.14となり、家計の節約志向が鮮明になったといえよう。
ちなみに、自動車関係費であるが、名目では何と70.3%となる大幅な落ち込みであり、特に、自動車購入が54.1%となったのが大きかったといえ、明らかに、自動車の購入が大きく減少している状況が鮮明になったといえよう。これに加え、自動車維持費も76.4%と落ち込んでおり、特に、自動車等関連用品は49.5%と極端な落ち込みとなった。また、交際費も90.8%と落ち込んでいるが、関連の小遣いも84.3%とそれ以上に落ち込んでおり、その中でも世帯主小遣いが88.8%と下がっており、交際費、小遣いが一番に削られるという、家計は厳しい生活に入ったといえよう。
このような中で、外食を除く食品は比較的堅調な動きとなり、名目では102.2%となった。特に、伸びた部門は果物113.1%、酒類106.0%が顕著であり、ついで、油脂・調味料103.5%、野菜・海藻102.7%、魚介類102.7%、穀類102.2%、肉類102.0%と生鮮が比較的好調であった。逆に伸び悩んだ部門は、調理食品99.3%、飲料99.8%と昨対を切った部門はこの2部門であり、しかも、下げ幅はわずかであり、全体として、食品は堅調であったといえよう。
さらに、好調な項目、特に名目で110%以上伸びているものを見てみると、果物では、この時期No.1の果物であるいちごが19.00円(111.8%)と大きく伸びた。さらに、ここ数ケ月好調さが続いているバナナが依然として、異常に伸びており、13.68円(163.1%)という数字である。バナナの伸びた要因を見てみると、購入世帯のみの数字が19.87円(141.0%)と大きく伸びていることに加え、購入世帯の割合も68.8%(115.6%)と伸びており、バナナの新規購入顧客を増やし、購入顧客の消費額も増やしており、バナナが果物全体を大きく牽引しているといえよう。また、この時期特有の項目であるみかんも21.39円(108.3%)とよく伸びている。これ以外でも果物は金額は小さいが、キウイフルーツ1.61円(131.6%)、ぶどう0.19円(120.0%)と伸ばしている。これを見ても、果物は、この1月度、絶好調といえ、食品全体を大きく牽引したといえよう。
ついで、酒類であるが、金額は大きくはないが、ウィスキーがここのところ絶好調であり、2.87円(158.9%)という数字である。特に、購入世帯のみでは99.00円(115.6%)、購入世帯の割合は何と2.9%(137.4%)という高い数字であり、ウィスキーを自宅で愛飲する家計が大きく増えている状況といえよう。また、焼ちゅうも18.71円(116.9%)と良く伸びており、酒は、この2項目が大きく全体を牽引したといえよう。
この2部門についで、伸びたのは油脂・調味料、野菜・海藻、魚介類、穀類、肉類であるが、この中で110%以上消費額を伸ばした項目を見てみると、カレールウ4.48円(114.9%)、キャベツ6.55円(126.9%)、もやし2.90円(118.4%)、れんこん2.48円(116.7%)、レタス5.00円(116.5%)、はくさい4.13円(115.3%)、きゅうり6.32円(111.4%)、さんま1.65円(127.5%)、ほたて貝4.03円(119.0%)、いわし1.32円(113.9%)、さしみ盛合わせ18.52円(112.5%)、ちくわ4.90円(110.1%)、即席めん4.68円(139.4%)、中華めん11.03円(122.1%)、スパゲッティ3.45円(120.2%)、乾うどん・そば2.48円(114.9%)、カップめん8.55円(111.3%)、生うどん・そば11.32円(110.7%)、合いびき肉5.29(112.3%)、鶏肉35.90円(111.2%)である。これを見ても、明らかに内食需要といえ、消費構造が大きく変化している様子がわかる。
これに対して、この1月度、消費が厳しかった調理食品、飲料であるが、調理食品(惣菜)では、サラダは、7.68円(110.2%)と良く伸びたが、うなぎのかば焼き2.97円(73.6%)、おにぎり・その他7.94円(92.8%)、調理パン8.42円(92.9%)となった。また、飲料では、紅茶2.19円(113.3%)、ココア・ココア飲料 2.03円(112.5%)、炭酸飲料5.61円(110.8%)は好調であったが、果実・野菜ジュース17.19円(91.4%)、コーヒー 13.00円(95.7%)、緑茶11.65円(96.3%)等が伸び悩んだ。
このように、この1月度の家計調査データを見ると、全体の消費は明らかに下降線をたどり、厳しい状況となったが、こと、食品に関しては堅調な数字となっており、家計は食費以外の消費を削り、食費に関しては、生鮮品、調味料等が好調なことから、明らかに内食志向となり、家庭での調理が増えているといえよう。昨年の1月度のちょうど原油、資源エネルギー高により、食品の値上げが本格化しはじめた時期と比べると様変わりした消費状況になったといえ、家計の消費状況に大きな変化が見られる。今後、この傾向はますます強くなると思われ、食品スーパーマーケットとしても、家計の消費動向をしっかり見極めた対応が課題となろう。来月以降の消費状況がどのように変化するかに注目である。
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