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March 24, 2009

日本トイザらス2009年1月本決算、減収減益、赤字転落!

   ここへ来て、食品スーパーマーケットをはじめ、様々な小売業で2009年1月度の本決算の公表がはじまった。すでに、本ブログでもマックスバリュ中部、マックスバリュ北海道の決算結果を取り上げたが、今回は、専門店の代表格ともいうべき日本トイザらスの2009年1月度の決算を取り上げてみたい。まず、結果であるが、売上高1,801.24億円(94.2%)、営業利益11.30億円(41.7%:売上対比0.62%)、経常利益10.77億円(36.9%:売上対比0.59%)、当期純利益-29.90億円となり、減収減益となり、しかも、当期純利益は赤字となる厳しい決算結果となった。

   日本トイザらスは現在、日本全国に167店舗(トイザらス130店舗、ベビーザらス20店舗、サイド バイ サイド ストア17店舗)を展開しているが、昨年168店舗、一昨年167店舗と店舗数は伸び悩んでおり、これにともない、売上も昨年が98.4%、一昨年が107.9%となり、昨年、今期と厳しい状況である。また、今期の商品別の売上の状況を見てみると、日本トイザらスの売上構成比No.1は35.4%のベビー用品であるが、この部門は105.4%(昨年106.7%)と好調であり、これに加え、No.5の売上構成比8.0%のスポーツ用品・自転車も108.7%(昨年99.3%)と好調ではあったが、No.2の売上構成比24.6%のエンターテイメントが78.8%(昨年92.4%)、No.3の売上構成比18.7%の玩具92.9%(昨年88.4%)、そして、No.4の売上構成比12.3%のその他も95.7%(昨年98.1%)と不調となった。

   さらに、売上のここ数ケ月の推移を見ると、第1四半期こそ85.4%と厳しかったが、その後、第2四半期98.3%、第3四半期97.7%と持ち直しはじめていた。ただ、さすがに、9/15のリーマンブラザーズショック後の10月96.1%、11月・12月(クリスマス、お正月)94.7%、1月89.0%となり、第4四半期は93.5%と落ち込み、この2月度も90.2%で推移しており、ここ数ケ月が特に売上が落ち込み始めたといえる。

   一方、営業利益の状況であるが、売上原価は69.9%(昨年70.8%)となり、結果、売上総利益は30.1%(昨年29.2%)と0.3ポイント改善した。これに対して、販売費及び一般管理費は29.9%(昨年28.3%)となり、1.6ポイントと大幅に上昇し、差し引き、マーチャンダイジング力は0.2%(昨年0.9%)となり、大きく下がってしまった。そして、これに賃貸料利益が0.7%(昨年0.8%)のり、結果、売上対比では0.9%(昨年1.7%)と大きく減少した。なお、ここでは、賃貸収入を売上に入れずに計算しているので、日本トイザらスの決算短信の売上には賃貸収入も入っているので、比率に若干の差がある。こう見ると、営業利益が減少に転じた要因は減価ではなく、経費の増加要因が大きいといえ、売上減にともなう、広告費の増加が大きかったようである。

   また、今回、当期純利益が赤字となったが、これは、減損損失として13.78億円発生したことに加え、日本マクドナルドとのサービス契約の有効性等に関する訴訟の和解に伴う契約解除和解金等15.01億円を計上したためである。したがって、キャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは147.25億円と膨らんではいるが、これは金融機関の休日と決済日が重なったため、仕入債務の増加額85.92億円、たな卸資産の増加額30.28億円の合計116.20億円が入ったためであり、実質、厳しい営業キャッシュフローであったといえる。これに対し、投資キャッシュフローはわずか-5.40億円であり、その結果、フリーキャッシュフロー141.85億円となり、ここから財務キャッシュフローとしては長短借入金の返済を行い-142.23億円となり、トータル0.38億円のマイナスとなった。なお、翌事業年度の決済となった債権債務の主な内訳は売掛金及び買掛金であるが、その決済金額はそれぞれ6.99億円(収入)及び140.08億円(支出)となったが、買掛金の決済と同時に126億円の借入れを実行して、相殺したという。

   そして、今期の自己資本比率であるが、32.0%(昨年32.4%)と依然として厳しい状況が続いている。その要因を負債面から見てみると、長短借入金の合計は169.80億円であり、総資産の20.0%となり、昨年の308.60億円と比べると大きく削減しているが、先に見たように、今期は金融機関との関係で、決算後の借入をしているので、実質、やや削減という状況である。一方、出店にかかわる資産である土地、建物、敷金及び保証金の合計は516.91億円であり、総資産846.97億円の61.0%となり、結果、出店余力、自己資本比率-出店かかかわる資産は-29.0%であり、負債に大きく依存する出店構造であり、新規出店がかんり厳しい状況になったといえよう。

   これを受けて、日本トイザらスの通期予想であるが、売上高1,760.00億円(97.7%)、営業利益23.00億円(203.5%:売上対比1.30%)、経常利益22.00億円(204.2%:売上対比1.25%)、当期純利益7.00億円(今期損失:売上対比0.39%)と減収増益であり、売上は依然として厳しい状況が続くと予想しているが、利益は回復する予想である。

   このように、日本トイザらスの2009年1月度の本決算が公表されたが、売上がここへきて厳しい状況となり、その分、広告宣伝費が大きく上昇し、経費比率があがり、利益が厳しい状況になったといえる。特に、売上の中身はベビー用品は好調であるが、エンターテイメント、玩具等が厳しい状況であり、まさに、9/15のリーマンブラザーズショック以降の景気の急激な減退の影響を直に受けている状況といえよう。来期も売上は厳しい予想であり、実際、景気も当面厳しい状況が予想される。来期、日本トイザらスが収益構造改善のために、どのような経営戦略を打ち出すかに注目したい。

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