食品スーパーマーケット、売上速報2009年2月、失速?
食品スーパーマーケットの2009年2月度の上場主要企業の売上速報が明らかかになった。食品スーパーマーケットは約60社近くが上場しているが、その内、毎月売上速報を公表している企業は約20社強である。本ブログではこれらの企業の売上速報を毎月集計して公表しているが、月末で売上集計している企業は、この2月度は昨年がうるう年ということもあって1日少ないこともあり、やや全体の数字が下がっているようである。もちろん、10日締め、20日締めなどの企業は3月度に影響がでるので、今月度への影響はないといえ、全体がやや下がっているのは、実際、この2月度がこれまでよりも厳しい結果となったと判断すべきなのかもしれない。いずれにせよ、もう数ケ月、状況を見る必要があるが、この2月度はやや低調な売上となった。
その数字であるが、全体の2月度は102.3%(既存店96.9%)となり、1月度104.7%(既存店99.7%)、昨年12月度104.0%(既存店99.2%)、11月度106.2%(既存店101.5%)、10月度103.9%(既存店99.5%)、9月度103.5%(既存店98.4%)という状況であるので、失速気味であるといえよう。全体の数字も気になるが、特に既存店の96.9%は、ここ数ケ月の推移の中では最も低い伸び率であり、厳しい状況であるといえる。食品スーパーマーケットは9/15のリーマンブラザーズショック以降も、この動きのように比較的順調に売上が推移してきただけに、この2月度の数字は失速感が感じられる数字であり、当面、注意深く状況を見てゆく必要があろう。
では、このような中で、この2月度、全体の売上がNo.1となったのはPLANTであり、113.5%(既存店99.0%)という結果であった。何といっても、昨年のPLANT-5鏡野店、PLANT-3福知山店等の新規出店が売上に大きな貢献をしており、当面、この高い成長率が続くといえ、No.1を維持し続けるものといえよう。既存店も全体が96.9%となる中、PLNTの既存店は99.0%と堅調であり、その中身は客数が100.7%、客単価が98.3%と客単価がやや下がっているのが気になるが、客数が安定しており、売上を支えているといえる。
No.2はスーパーバリューであり、112.6%(既存店100.3%)である。スーパーバリューも新店による売上増が大きく、昨年後半川口前川店、入間春日町店とあいついで新店をオープンしており、全店がこの2店舗を入れて10店舗であるので、売上が大きく上昇したといえよう。スーパーバリューも当面、この高成長が続くといえ、好調な売上であった。No.3は九九プラスであり、全体が109.3%(既存店106.3%)という状況であり、既存店も106.3%と高成長であった。九九プラスはローソンとの資本・業務提携の効果が着々とあらわれつつあるといえ、また、ここきての生活不安による節約志向の高まりが追い風になり、既存店の売上も順調である。現在、九九プラスからローソン100へと急激に店舗の切り変えをかけ、リニューアルを行っていることもあり、当面、既存店のこの好調な数字が続くものといえよう。
この2月は、このベスト3を見ると、いずれも、純粋な食品スーパーマーケットではなく、スーパーセンター、100円ショップであり、この状況を見ても食品スーパーマーケットはこの2月度は厳しい状況であり、失速感が否めない状況であるといえよう。その食品スーパーマーケットであるが、No.4にハローズが入った。純粋な食品スーパーマーケットでは1位となり、全体が108.7%(既存店 95.0%)という結果であった。ただ、既存店が95.0%という数字は気になるところであり、特に客数96.4%、客単価98.6%と双方が下がっており、この2月度は厳しい状況であったといえよう。ちなみに、1月度のハローズはPLANT、スーパーバリューを抑え、No.1であり、しかも、既存店の客数99.8%、客単価99.7%と堅調な数字であったので、この2月度はやはり、気になる数字である。
そして、No.5はマックスバリュ西日本であり、全体107.4%(既存店100.2%)であった。以下、101%以上の食品スーパーマーケットは、ダイイチ105.7%(既存店98.3%)、ユニバース102.8%(既存店99.9%)、マックスバリュ東海102.8%(既存店93.9%)、ヤオコー101.2%(既存店97.5%)、アークランドサカモト101.1%(既存店98.2%)という状況であるが、いずれも伸び率は1月度と比べ失速気味であるといえ、やはり、この2月度はこれまでの流れとは一線を画す状況といえよう。
一方、全体が昨対を下回った食品スーパーマーケットは、マックスバリュ中部99.1%(既存店95.4%)、オオゼキ98.6%(既存店98.6%)、エコス98.3%(既存店95.5%)、Olympic97.8%(既存店93.2%)、いなげや97.5%(既存店94.7%)、カスミ96.4%、トーホー95.6%(既存店93.7%)である。この中でもは昨年来好調であったマックスバリュ中部、そして、オオゼキが入っており、あらためて、この2月度の売上が食品スーパーマーケット業界としても厳しい状況であったことがうかがえる。
このように、この2月度はこれまでの昨年から今年1月までの推移のように、食品スーパーマーケット各社が堅調な売上を維持していきた流れがピタッととまり、逆回転に転じ始めたような失速感のある売上の伸び率となった。特に、既存店が各社厳しい状況であるといえる。この状況が2月というやや特殊な状況であるがゆえに起こったものか、それとも、今後、食品スーパーマーケット業界も売上が失速してゆく転機なのか、現時点では見極めるのが難しい状況であるが、明らかに違和感がある数字といえよう。来月以降、この状況がどのように変化するか、食品スーパーマーケット業界の売上の推移を注意深く見る必要があろう。
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