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March 04, 2009

ユニバース、2009年4月期、第3四半期決算、増収増益!

   ユニバースが2009年4月期の第3四半期決算を2/25公表した。売上高726.34億円(102.0%)、営業利益28.37億円(104.5%:売上対比3.9%)、経常利益29.02億円(105.6%:売上対比3.9%)、当期純利益15.92億円(111.2%:売上対比2.1%)と、増収増益の好決算となった。ユニバースは食品スーパーマーケットでは珍しく、4月度決算であり、この時期に第3四半期決算が公表されるが、期間は4/21から1/20までの決算となる。

   この第3四半期、売上が堅調であった要因は、この8月にUマート桔梗野店(青森県弘前市)、Uマート弘大前店(青森県弘前市)を出店したことが大きく、この出店により、ユニバースの総店舗数は43店舗となった。また、このUマートは2店舗ともこの7月に破産したマルエス主婦の店から営業権を取得した店舗を改装したものであり、M&Aによる新規出店である。これに加え、10月に久慈・川崎町店(岩手県久慈市)、11月に中野店(旧ファル茶畑店、岩手県盛岡市)のスクラップ&ビルドを行い、さらに、12月には松園町店(青森県三沢市)のリニューアルしたことが大きかったといえよう。

   また、ユニバースの既存店の状況であるが、売上高100.9%、その内訳は客数が100.7%、客単価が100.2%であり、さらに、PI値は97.8%、平均単価は101.6%となった。また、実際の数字は1店舗当たり、客数が約2,500人、客単価2,224円、PI値1,160%(11.6点)、平均単価191円という状況であり、一般的な食品スーパーマーケットと比べ、客数とPI値が高いのが特徴といえよう。

   なお、ユニバースの通期予想であるが、売上高962.15億円(102.2%)、営業利益32.17億円(96.3%:売上対比3.3%)、経常利益32.89億円(95.9%:売上対比3.4%)、当期純利益17.91億円(130.0%:当期純利益1.8%)と増収減益の予想であり、やや厳しい営業利益、経常利益となるもようである。

   ユニバースの営業構造をもう少し詳しく見てみると、まず、売上原価であるが、73.9%(昨年73.6%)と若干上昇しており、この決算が1/20までであり、ここへきての経済情勢の悪化がやや影響しているようである。結果、売上総利益は26.1%(昨年26.4%)となり、若干粗利が下がった。これに対し、販売費及び一般管理費であるが、21.6%(昨年22.6%)と1ポイント改善しており、経費の削減が進んだといえる。その結果、営業利益は4.5%(昨年3.8%)と0.7ポイント改善しており、さらに売上の増加を加味し、営業利益が増加したといえよう。原価の上昇により、やや粗利は下がったが、それを大きく上回る経費の削減により、利益を生み出した構図であり、これが今期の増益の要因といえよう。

   これを受けて、ユニバースのキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローが23.13億円となった。投資キャッシュフローは21.16億円であり、フリーキャッシュフローは1.97億円のプラスとなる順流となった。主な投資は新店への投資と思われる有形固定資産の取得による支出12.55億円が最も大きく、新店への積極的な投資がなされている。そして、財務キャッシュフローであるが、18.58億円のマイナスである。これは主に長期借入金の返済による支出が15.79億円と大半を占めており、これについで、配当金4.09億円の支出が主な内容である。ただ、これにより、トータルのキャッシュフローは16.69億円の減少となり、現金及び現金同等物の四半期末残高が71.25億円から54.55億円へと減少した。理想的にはフリーキャッシュフローの範囲内で財務キャッシュフローが賄えることであるが、今期は、投資先行型となり、その分、フリーキャッシュフローが減少し、トータルのキャッシュが減少したことがやや気になるところである。

   ただ、長期借入金を削減したことにより、自己資本比率は60.4%(昨年56.0%)へと上昇しており、経営バランスは改善したといえよう。その中身を見てみると、負債の主要項目である長短借入金の合計は36.78億円(2008年4月期決算時51.27億円)と大きく減少しており、総資産362.30億円に占める割合は10.1%となり、財務的な負担が大きく軽減された。一方、これにバランスする資産、特に、出店にかかわる資産である土地、建物等を見てみると207.85億円となり、総資産の57.3%であり、自己資本比率とほぼ同じ割合となり、新規出店が自己資本の範囲内で可能な出店構造となっており、バランスの良い財務構造となったといえよう。

   これを受けてユニバースの株価の推移であるが、2/25(1,142円)、2/26(1,150円)、2/27(1,140円)、3/2(1,125円)、3/3(1,109円)とほぼ横ばいからやや下がる動きであるが、日経平均もほぼ7,300円前後で推移しており、全体の株価とほぼ連動する動きといえよう。投資家は積極的な買いも、売りも示していないといえ、静観している静かな動きである。

   このようにユニバースの2009年4月度、第3四半期決算は増収増益となり、キャッシュフローはトータルとしては減少となったが、長期借入金を返済し、自己資本比率は上昇し、出店余力が高まったといえる。今後、経済状況はますます混迷を深めつつあるといえ、今期マルエス主婦の店へのM&Aが示すように、新規出店を含め、成長戦略を軌道的にとってゆく必要があり、そのためにも財務的な安定は重要な経営戦略の要ともいえる。ユニバースが、この財務の安定を踏まえ、今後、どのような成長戦略を打ち出すかに注目したい。

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