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March 27, 2009

改正薬事法施行真近、6/1、登録販売者6万人に迫る!

   6月1日から施行される約50年ぶりという改正薬事法の施行が目前に迫っている。今回の薬事法の改正は薬事法施行規則(昭和36年厚生省令第1号)、薬局等構造設備規則(昭和36年厚生省令第2号)、薬局及び一般販売業の薬剤師の員数を定める省令(昭和39年厚生省令第3号)と、いずれも約50年前の省令の改正となる。その背景には、急速な少子高齢化の中で増大する医療をはじめとする社会保障費により、国の医療財政の立て直しが急務となったことがある。ちょうど、3/26の日経新聞に、「国立病院、後発薬の比率2倍に、厚生省方針13年度までに、普及で医療費抑制」という記事がのったが、いわゆる、Generic drug(ジェネリック)の問題であり、これも医療費の抑制のための行政措置であり、大きくは、改正薬事法の施行とジェネリックの普及が当面の国を挙げての医療費抑制策といえよう。

   食品スーパーマーケットにとって、この国策である改正薬事法の6/1からの施行が重要である理由は、これまで、食品スーパーマーケットでは薬剤師なしに扱うことができなかった薬が、今回改正される改正薬事法によれば、各都道府県で試験の上、合格した登録販売者さえおけば、OTC薬(大衆薬)の大半を販売できるようになることである。もちろん、これは食品スーパーマーケットだけではなく、GMS、コンビニ、ホームセンター、家電量販店でも同様に、登録販売者を置けば、薬の販売が可能になる。ただし、今回、薬が3分類に分かれ、第1分類の特にリスクが高いもの、たとえば、ガスター10(ゼファーマ)、リアップ(大正製薬)などは、依然として薬剤師しか販売できないが、第2類のリスクが比較的高いもの、第3類のリスクが比較的低いものは、登録販売者をおけばすべて販売可能となる。

   そして、この改正薬事法の施行を目前にして、昨年来、全国の都道府県で2回に渡り、登録販売者の試験が実施され、合格者が続々と生まれている。この登録販売者となるためには、試験で合格することはもちろんであるが、受験資格として、1年以上の実務経験が必要であり、そのため、現在は、ドラックストアか薬粧店での実務経験者がほとんどであるといえる。また、今回、特に、登録販売者が必要な理由としては、薬剤師取得のための薬学部が4年制から6年制になったこともあり、今後2年間卒業者がなくなり、その補完の意味もあったといえよう。

   さて、その登録販売者の合格者であるが、様々な情報をもとに集計した結果は、現在、2回の試験の実施を経て、約9万人が全国で受験し、合格者が約6万人となった。合格率は約65%である。第1回目が約6万人受験し、約4万人が合格し、合格率は約70%であり、第2回目が約3万人受験し、約2万人弱が合格し、合格率は約60%であったので、2回目の方がやや難しかったようである。また、2回目は32都道府県での実施となり、1回目の47都道府県と比べると、15都道府県が試験を見合わせており、これらの都道府県が試験を実施していれば、合格者はさらに増えたものといえよう。結果、現在、約6万人が販売登録者の資格を取得しており、この6万人の販売登録者をもとに、この6/1から施行の改正薬事法にもとどく、OTC薬(大衆薬)の販売が各小売業で一斉にはじまることとなる。

   もう少し、この6万人の合格者の状況を都道府県別に見てみると、最も合格者が多かったのは、当然、ほぼ人口に比例することにもなるので、東京都である。東京都は2回試験を実施しており、その合計で見ると、合格者8,180人(受験者10,852人)、合格率75.4%であり、全体平均よりも高い合格率である。ちなみに、全2回合計79回の中で合格率のもっとも高い都道府県は、神奈川県の1回目の3,265人(3,866人)、84.5%である。逆に最も低かったのが、滋賀県の2回目の134人(404人)、33.2%であるので、その差、約50%もあり、都道府県により、かなりの差があるといえよう。さらに、神奈川県を除き、ベスト10の合格率を見てみると、いずれも1回目であるが、山口県704人(855人)、82.3%、東京都4,297人(5,223人)、82.3%、広島県1,058人(1,311人)、80.7%、鳥取県182人(227)、80.2%、千葉県2,144人(2,682人)79.9%、群馬県627人(808人)、77.6%、岡山県1,188人(1,534人)、77.4%、埼玉県2,588人(3,361)、77.0%、長野県724人(959人)、75.5%である。

   このように、当面はこの約6万人の登録販売者を中心に6/1からの改正薬事法の施行により、食品スーパーマーケットをはじめ、各小売業でOTC薬(大衆薬)の販売が始まるとも思われるが、この人数では到底、本格的に各小売業で販売してゆくには人数が足りないといえよう。

   平成19年度の商業統計によれば、ドラックストアは12,671店舗であるので、6万人の合格者がすべてドラックストアに配置されるのであれば問題がないといえるが、食品スーパーマーケットは17,882店舗、コンビニエンスストア43,318店舗、GMS1,583店舗、ホームセンター4,060店舗、・・と見てゆくと、少なくとも数倍の合格者は必要といえ、販売登録者が主だった小売業に配置されるまでには、数年がかると思われる。改正薬事法の施行は目前であるが、当面、今回合格した登録販売者の方は大忙しになるのではないかと思われる。本ブログでは、これらを含め、改正薬事法の最新情報と食品スーパーマーケットの今後のOTC薬(大衆薬)のマーチャンダイジング戦略についても、随時、その状況を取り上げてゆきたい。

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