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March 01, 2009

消費者物価指数2009年1月度、下げ気味、100.7%!

   消費者物価指数(CPI)、2009年1月度が2/27、総務省統計局から公表された。概要は以下の通りである。(1) 総合指数は平成17 年を100 として100.7 となり、前月比は0.6%の下落。前年同月と同水準となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は100.5 となり、前月比は0.6%の下落。前年同月と同水準となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.7 となり、前月比は0.8%の下落。前年同月比は0.2%の下落となった。いずれの段階でも安定した数値になり、特に、(3)の食品はむしろ下げに転じており、ここへきて、物価も安定、そして、下げに転じはいじめたともいえる動きである。
  
   昨年後半までの物価上昇がうそのような状況となり、経済の失速に追随するかのように、物価(CPI)も下げに転じはじめたといえよう。この状況は、同時に公表された(1)から(3)までの図表を見るとさらに明らかである。図表では過去4年間の月別年間数値が折れ線グラフで表されているが、すべてのグラフの線が右下に動いている。特に(3)の食品は過去4年間の中で最も低い数字となっており、このままさらに下降すると、この4年間の中で月次では最も低い物価指数(CPI)となる可能性が高いといえ、ここへ来て、明らかに物価が下がり始めたといえよう。

   では、10大費目でみた場合、この1月度は、12月と比べ、どのような状況であったかを見てみたい。総合指数は100.7、前月比-0.6%の下落であるが、前月比-0.6%となった要因を寄与度、すなわち、相乗積で見てみると、最も寄与度が大きかったのは、-0.39の被服及び履物である。これは小売業の売上速報を見てもGMSのここ最近の衣料品の動きが鈍いこととも連動しているといえる。本来であれば、価格が下がれば、需要が増え、売上は上がるといえるが、ここ最近の動向は、売れないから価格を下げ、それでも売れないので、さらに価格を下げるという悪循環が起こっており、まさに、この消費者物価(CPI)は下落は、これを物語っているといえよう。

   ついで、交通・通信の-0.19であり、教養娯楽の-0.17と続く。この3つの費目が最もこの1月度消費者物価指数(CPI)が下がった費目である。これに対して、逆に、上がった費目を見てみると、光熱・水道が0.10、生鮮食品が0.10とこの2つの費目がプラスになったが、その被服及び履物、交通・通信、教養娯楽ほどではなく、全体としては、-0.60となり、前月比では-0.60となった。

   同様に、前年同月比で見てみると、総合では0.0%であるが、寄与度で最も大きな動きを示したが、-0.90の交通・通信であり、単独では-6.3%と大幅な下落となった。これについで、教養・娯楽が-0.14であり、単独では-1.4%となり、この2費目がこの1月度は昨年と比べ、大きく下落した。これに対し、上昇した費目もあり、わずかではあるが、光熱・水道0.04、生鮮食品0.02である。この費目が最も上昇した数値であり、これを見てもこの1月度は明らかに、物価が安定し、むしろ、下落傾向にあるといえよう。

   では、このような中で、食品関係はどのような状況であったかを見てみてみたい。その前に、昨年後半まで異常な上昇率を示し、物価全体を押し上げてきた要因となったエネルギー関連であるが、前月12月度よりもさらに、同年前月比で下落し、-8.2%となった。何といってもガソリンが-30.9%となったことが大きく、ガソリンの寄与度はエネルギー全体の-0.85よりも大きく下げている。ただ、電気代8.1%(寄与度0.24)、都市ガス代10.0%(寄与度0.10)と、この2項目が上がっているのが気になるところであるが、その上昇を吸収し、全体をガソリンが押し下げており、これまで、ガソリンがいかに物価上昇に大きな影響を与えていたかがわかる。

   そこで、食品であるが、依然として、生鮮食品以外の上昇率は高い傾向が続いている。全体では前年同月比3.7%の上昇であり、12月度の4.0%よりはやや下がってはいるが、まだ高い上昇率であるといえよう。その中身は、チーズ31.4%、マーガリン27.2%と乳製品関連が大きく上昇している。これについで、ひじき23.0%、ちくわ22.5%と海産関連が続き、ついで、小麦粉21.1%、ビスケット21.4%と小麦粉関連が続く。さらに、チョコレート20.5%、揚げかまぼこ19.2%、スパゲティ19.1%、うなぎかばやき18.9%となる。こう見ると、まだ、昨年の資源エネルギー高、そして、原料高の影響が続いているようである。ただ、すでに、昨年異常な上昇を続けたいずれの相場も大きく下落しているので、ガソリン同様、時間差があるとは思われるが、これらは徐々に下がることが予想されよう。

   このように、この1月度も消費者物価指数(CPI)は下降気味で推移しており、昨年の異常な物価上昇はひとまず沈静化したといえよう。逆に、この数ケ月、混迷を増しつつある経済環境の悪化を見ると、今後、値崩れが起こる可能性を否定できず、今年は、昨年度と正反対となる、インフレからデフレへと大きくシフトする懸念があるといえ、ここ数ケ月、注意深く、消費者物価指数(CPI)を見てゆく必要があろう。

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