CPI(消費者物価指数)、2009年2月下落、マイナスに!
総務省統計局から、3/27、2009年2月のCPI(消費者物価指数)が公表された。昨年4月頃から急激に上昇した数字も、昨年10月頃から下落に転じ、とうとう、この2月は前年同月比がマイナスとなった。特に、食料およびエネルギーを除く総合指数が過去4年間で最も低い数字となったのが大きく、CPI(消費者物価指数)がここへきて、明らかに下落傾向になったといえよう。昨年10月は、ちょうどリーマンブラザースショックの9.15の翌月であり、CPI(消費者物価指数)の上昇がアメリカの金融不安の勃発により資源エネルギーの投機を減退させ、各種食料の国際相場が大幅に下落し、それが日本の物価の下落につながりつつあるといえよう。また、これにより、景気も後退を余儀なくされ、節約志向が広がり、住関連分野へ影響が及んだことも大きいといえよう。いずれにせよ、いかに昨年のCPI(消費者物価指数)が異常であったかがわかり、やっと、正常に戻ったようである。
総務省のコメントであるが、「(1) 総合指数は平成17 年を100 として100.4 となり,前月比は0.3%の下落。前年同月比は0.1%の下落となった。(2) 生鮮食品を除く総合指数は100.4 となり,前月比は0.1%の下落。前年同月と同水準となった。(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は98.5 となり,前月比は0.2%の下落。前年同月比は0.1%の下落となった。」とのことで、どの段階でも数字は下落傾向である。したがって、ここへきて、CPI(消費者物価指数)は明らかに下がりはじめたと判断して良いといえよう。
では、これまでと具体的に、何が変わったのかを見てみたい。まず、10大費目の状況であるが、10大費目とは、食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、保健・医療、交通 ・通信、教育、教養・娯楽、諸雑費のことである。この中で、まず、上昇したものであるが、食料の2.6%であり、ついで、光熱・水道の2.2%、そして、教育の1.0%が大きく、これ以外では、家具・家事用品0.2%、保健・医療の0.0%である。この中で、寄与度をみると、食料が0.67ポイント、光熱・水道0.16ポイントが大きく、その他は0.0ポイント以下であり、この2費目、特に食料が依然として、物価が高い状況である。ただ、前月の3.3%、寄与度0.87ポイントと比べると、1月度よりは下落傾向である。また、食料は生鮮食品と生鮮食品を除く食品に分かれているが、生鮮食品は-1.2%と物価は下がっており、生鮮を除く食品が3.3%と依然として高いのが大きい。もちろん、この数字も先月3.7%と比べると下落傾向ではある。
そこで、この食料の中の生鮮を除く食品の中身を前年同月比で見てみると、チーズ30.2%、マーガリン28.0%と、この2項目がトップ2であり、やはり、乳製品が依然として、現在、食品では最も高い数字であるといえる。これについで、ひじき23.7%、うなぎ蒲焼21.5%と続き、ついで、小麦粉21.4%と小麦粉もまだ高い状況である。ただ、小麦粉は政府売り渡し価格がこの4月から平均14.8%引き下がる予定であり、いずれ、下がるものといえよう。これについで、物価の高値水準のものを見てみると、チョコレート21.4%、ちくわ21.1%、ビスケット20.9%、揚げかまぼこ20.0%、スパゲッティ17.6%、わかめ16.0%、かまぼこ14.9%、バター 14.1%、酢13.4%、落花生12.7%、食用油 12.1%、しょう油11.9%、ポテトチップス11.8%、干しうどん10.1%等と続く。以上が、10.0%以上、この2月度、物価が上昇した項目である。
次に、同じ10大費目で物価が下降したものであるが、交通・通信-5.5%、教養・娯楽-1.3%、被服及び履物-0.2%、住居-0.1%、諸雑費-0.1%である。また、食料の中で、生鮮食品が-1.2%と先月の1.8%と比べ、下落しており、これらを含めて、この2月度は全体が-0.1%となった。さらに、この2月度の物価を押し下げた中身を見てみると、何といってもガソリン代が-27.7%となったことが大きく、ついで、灯油も-26.5%となり、結果、エネルギー全体が-7.3%となったことが大きい。また、耐久消費財の下落も大きく、パソコン(ノート型)-45.2%、パソコン(デスクトップ型)-35.5%、カメラ-33.1%、テレビ(薄型)-26.8%と大きく下がっているのが特徴である。
ちなみに、生鮮を含め、食品ではどうかを見てみると、-10%以上物価が下がっているものは、きゅうり-17.5 %、かぼちゃ-14.3%、りんごB-13.6%、なす-13.5%、れんこん-12.4%、さといも-11.1%、ピーマン-11.1%、レモン-10.3%、グレープフルーツ-10.1%であり、生鮮、しかも、青果のみである。生鮮以外では、ミネラルウォーター -5.7%、コーヒー豆-5.4%、コーヒー飲料-3.6%といずれも飲料であり、まだ、食品関係は大きく下がってはおらず、じわじわ下がり始めた状況といえよう。
このように、この2月度はCPI(消費者物価指数)が、明らかに下落基調となったといえよう。まだ、食品では一部高値水準の商品も見受けられるが、傾向は下落傾向に入ったといえ、今後、さらに、下がることが予想される。昨年後半までの物価上昇が、まさに、9.15のリーマンブラザーズショック以降、反転、この数ケ月で昨年並み、あるいは、それ以下となっており、どの辺で落ち着くかがまだ見えない状況といえる。3月以降もCPI(消費者物価指数)の動向、特に下落幅がどのくらいになるかに注目である。
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