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March 03, 2009

HC(ホームセンター)、2009年1月度、既存店94.7%失速!

   日経MJ、3/2にHC(ホームセンター)の2009年1月度の速報が掲載された。日本DIY協会の集計内容であるが、結果は既存店が94.7%となり、厳しい数字である。全店の結果も97.0%であり、新店開発も伸び悩んでいる状況といえよう。この集計結果は日本DIY協会の全国46社のHC(ホームセンター)の集計であり、主要チェーンを網羅し、HCの現状を表しているといえよう。ここ最近の推移を見てみると、10月度101.6%(既存店98.0%)、11月度102.5%(既存店98.8%)、12月度98.6%(95.9%)であり、1月度はここ最近では最も厳しい数字であり、今年に入り、HC(ホームセンター)業界へも不況の影響が出始めたといえよう。

   すでに、本ブログでも取り上げたが、2009年1月期の家計調査データを見ても、食品は堅調な数字であったが、全体の消費は94.1%となっており、消費環境は厳しさを増しつつある。特に、HCとも関連の深い一般家具13.94円(71.6%)、室内装備・装飾品22.35円(95.9%)、寝具類22.55円(93.4%)、家事雑貨64.55円(95.9%)などが厳しい状況であり、1月度のHCの失速を裏づけているといえよう。ただ、逆に、1月度伸びた項目もあり、ペットフード17.90円(105.1%)、家事用消耗品57.90円(103.6%)、工事その他のサービス152.23円(123.7%)等もあり、HCとしては伸びている商品を見極めたマーチャンダイジングが求められる。
  
   さらに、この1年間のHCの集計数字を見てみると、全体が昨対を割ったのは、12月度がはじめてであり、この1月度も昨対を割ったことにより、2ケ月連続での全体の昨対割れとなった。既存店に関しては、8月移行昨対を割り続けているが、12月度は極端に落ち込み、この1月度はさらに、数字が落ちており、この推移をみる限り、12月移行、HC業界に厳しさが増し、明らかに数字の落ち込みが鮮明になったといえよう。
  
   ここで、日本DIY協会が公表している2007年度であるが、会員65社のHCにおける一般的な商品分類、商品構成比を見てみると、以下のようになる。構成比の高いもの順に見てみると、DIY用具・素材21.8%(主な内訳、木材・建材4.8%、建築金物3.1%、道具・工具2.8%、電動工具2.4%、作業用品2.1%等)、園芸・エクステリア20.0%(主な内訳、ペット7.5%)、園芸用品6.5%)、園芸生物3.2%、エクステリア2.9%)、家庭用日品19.9%(主な内訳、日用消耗品12.0%、家庭用品7.9%)と、この3分類がHCの中核部門であり、合計約60%の売上構成比となる。特に、日用消耗品、家庭用品、ペット、園芸用品の構成比が高く、これらがHCの中核商品群であるといえよう。この1月度の家計調査データではこれらの消費群は伸びているので、それ以外の落ち込みが大きかったと推測される。
  
   さらに、HCの商品分類、商品構成比を見てみると、電気8.2%(主な内訳、電器・照明4.5%、家電製品3.7%等)、インテリア8.1%(主な内訳、インテリア4.1%、家具・収納用品3.8%等)、カー・アウトドア6.8%(主な内訳、カー用品2.8%、レジャー・スポーツ2.3%等)、教養・娯楽5.1%、サービス業務2.7%、その他となる。家計調査データで見ても、特にカー用品関連は自動車等部品25.81円(61.3%)、自動車等関連用品15.97円(49.5%)、自動車整備費39.71円(77.0%)と激減しており、一般家具も13.94円(71.6%)という厳しい状況にあるので、これらがHCのこの1月度の失速につながっていると思われる。
   
   また、HCの経営数値を日本DIY協会公表の会員の集計で見ると、これも、2007年度であるが、売上高チェーン合計470.6億円であり、店舗数平均が48店舗であるので、1店舗当たりは約10億円となる。したがって、1日当りは273.9万円となる。客単価が2,254円であるので、客数は逆算すると、1,215人となり、一般的な食品スーパーマーケットと比べると、客単価はやや高いが、客数がやや低いといえよう。また、粗利率は29.3%であり、これは食品スーパーマーケットと比べるとやや高めといえよう。そして、商品回転率であるが、年間4.2回であるので、食品スーパーマーケットと比べるとゆっくり商品が動いている。そして、売場面積であるが、1店舗当たり3,099平方メートルであるので、約1,000坪弱であり、これは食品スーパーマーケットの倍近い売場面積である。
   
   したがって、一般的な食品スーパーマーケットと比べると、広大な売場面積の中で顧客がゆったり買い物をしており、商品はきめ細かく豊富であるが、ゆっくり回っているイメージである。食品スーパーマーケットが狭い売場面積の中で顧客がひしめき合いながら、買い物をし、商品は売れ筋に絞り込まれ、激しく回転しているのとは対照的な業態であることがわかる。
  
   今回、この1月度のHC(ホームセンター)とすでにブログでも取り上げたSM(食品スーパーマーケット)の数字を見ると、家計調査データでもその消費状況が裏付けられたが、SM(食品スーパーマーケット)は堅調な数字であったのに対し、HC(ホームセンター)はかなり厳しい数字となり、対照的な結果となった。今後、家計調査データにも表れているように、消費環境は激変し、全体としては厳しい状況になりつつあるといえ、HC(ホームセンター)としては、ここで、思い切ったマーチャンダイジングの見直しが必要であるように思える。恐らく、2月度も厳しい数値が予想されるので、今期、決算発表と同時に、HC(ホームセンター)業界、各社がどのような経営戦略の転換を打ち出すかに注目である。

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