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March 15, 2009

九九プラス、バリューローソンと合併、株価急騰!

   九九プラスの株価が急騰している。今週3/13(金)現在の株価は125,000円(+20,000円、+19.04%)となり、異常な株価急騰となった。今週の上場小売業約400社の中でも5日移動平均乖離率は実質No.1となり、投資家の熱い視線がここ数日集まっている状況である。今週小売業No.1の5日移動平均乖離率はイチヤの100.0%であるが、現在の株価が2円であり、現在、JASDAQ市場の上場時価総額基準に係る猶予期間に入っているので、九九プラスが小売業界実質No.1の5日移動平均乖離率といってよく、3/13現在23.46%である。ちなみに、25週は52.37%、13週は75.08%、そして、26週は88.12%という状況であり、どの段階でも九九プラスの株価は上昇しており、実際、チャートを見てもきれいな右上がりの典型的な上昇カーブとなっている。

   その要因は、この3/6に公表されたローソン100%子会社のバリューローソンとの「合併契約書締結に関するお知らせ」の公表にあるといえ、3/6前後の株価の推移を見ると、3/4(78,000円)、3/5(78,500円)、3/6(80,200円)、明けて、月曜日、3/9(90,200円)、3/10(91,000円)、3/11(95,000円)、3/12(105,000円)、そして、3/13(125,000円)という急騰であり、もちろん、年初来最高値の更新である。

   今回の合併の内容であるが、すでに3/6に両社の取締役会で承認がなされ、契約書が締結されており、その後、5/1に合併がなされる予定である。合併比率はバリューローソンの普通株式1株に対して、九九プラスの普通株式0.97 株を交付することになるという。存続会社は九九プラスであり、バリューローソンは消滅会社となる。

   ここで、両企業の概要を見ておくと、九九プラスはすでに、本ブログでも何度も取りあげているが、2008年3月期の決算数字は売上高1,229.97億円(98.8%)、営業利益4.01億円(41.9%:売上対比0.32%)、経常利益3.56億円(41.5%:売上対比0.28%)、当期純利益0.47億円(前期は赤字:売上対比0.03%)と厳しい状況であった。また、直近の第3四半期決算は赤字決算であり、依然として厳しい状況が続いている。ただ、この第3四半期の3ケ月だけの数字を見ると黒字転換をしており、さらに、直近のこの2月度の売上を見ると、109.3%(既存店106.3%)と売上は好調であり、ここへ来て、業績が回復基調であるといえよう。

   一方、バリューローソンについてであるが、2008年2月期の決算数字は、売上高123.20億円(140.1%)と急成長している。店舗数は現在73店舗であり、売上は順調であるが、利益の方は厳しい状況が続いており、営業利益は5.35億円の赤字、経常利益も6.17億円の赤字、当期純利益も6.88億円の赤字である。しかも、直近の3年間、営業利益、経常利益、当期純利益が赤字であり、厳しい経営が続いていた。

   したがって、この2社が合併することにより、売上への貢献は存続会社九九プラスにとっては約10%近い効果が単純には期待できるが、利益に関しは、一層の経営改善が急務といえ、この合併を機に現在よりも、さらに踏み込んだ経営改革が必要といえよう。ただ、この両社はちょうど2年前の2月に締結した九九プラスとローソンとの資本・業務提携以来、共同での様々な業務改革に取り組んできており、その成果は着々と表れはじめている。今期の決算はまだ厳しいものがあると予想されるが、来期、2010年3月期、両社合併後の初の決算時には業績の好転が期待できるのではないかと思われる。

   現在、この両社は大きく、合併を前提に4つの経営改革に取り組んでいる。その4つとは、①商品の共同開発・共同仕入、②店舗統合に向けた「SHOP99」の「ローソンストア100」への改装実験及び検証、③新FC(フランチャイズ・チェーン)パッケージの構築、④商品カテゴリーごとに点在していた物流センターの集約による物流合理化の推進である。特に、②については、昨年の2月から新規出店及び既存の「SHOP99」を「ローソンストア100」へ改装し、今年の2月末で415店の新型「ローソンストア100」をオープンさせたという。バリューローソンの店舗数が現在73店舗、九九プラスの店舗、ショップ99の店舗数が853店舗であるので、約半数の店舗がローソンストア100へと改装したことになり、急ピッチでローソンストア100化が進んでいるといえよう。

   そして、この先にある経営戦略がショップ99という100円ショップの食品スーパーマーケットとローソンストア100という100円コンビニとの融合した生鮮コンビニの新業態を軌道に乗せ、その結果、経営効率化と競争力強化を促すとともに、企業価値の向上を目指すことであるという。

   このように、今回の九九プラスとバリューローソンとの合併は投資家からの強い関心を呼び、九九プラスの株価急騰という異常事態を招いた。先月2月上旬までは九九プラスの株価は6,0000円強であったが、わずか1ケ月で2倍の120,000円を超えた株価となり、明らかに加熱気味で推移しているといえよう。来週以降、九九プラスの株価がどの辺で落ち着くかわからないが、今回の合併を投資家は強い買いと見たといえる。ただ、親会社のローロンの株価は3/13現在、3,680円(-20円、-0.54%)と下げており、しかも、ここ最近のチャートを見ると明らかに右下がりの傾向であり、子会社の九九プラスとは対照的な株価となった。来週以降、九九プラスの株価がどの辺で落ち着くか気になるところである。

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