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April 23, 2009

東武ストア、2009年2月決算、増収減益、財務安定!

   東武ストアが出店攻勢にでるという。4/22の日経MJによれば、「東武ストア、過去最大規模の出店、地下下落受け2年で13店」ということである。その中身をみると、今期は2店舗の出店にとどまっていたが、来期2009年には5店舗、2010年には8店舗と、計、今後2年間で13店舗を新規出店するという。結果、2010年度の売上は、現在の820億円から、1,000億円になるという。東武ストアがこれだけ、積極出店に打って出る背景には、今後、2年間は、「家賃コストや建築工事が下落し、人材も獲得しやすくなっている」ということで、新規出店の環境が整ったという。

   では、東武ストアの今期の決算から、この積極的な新規出店が可能かどうかを検証してみたい。まず、東武ストアの自己資本比率であるが、68.2%(昨年65.3%)と昨年よりも一段と上昇し、食品スーパーマーケットの限界に近付きつつある。負債比率は約30%であり、しかも、長短借入金等は11.51億円(昨年21.03億円)と、昨年と比べ半減し、総資産308.06億円のわずか3.7%であり、無借金経営はいつでも可能な状況であり、経営の自由度が広く、戦略の選択肢を豊富に検討できる経営環境である。

   一般に食品スーパーマーケットは自己資本比率が50%を切るようになると、経営の選択肢が急に狭まり、負債対策、特に、有利子負債の削減にかなりのエネルギーを経営陣がさかざるをえなくなる。経営の根幹である顧客との良好な関係を考える時間と資金がなくなり、企業経営が逆回転、すなわち、顧客へいかに利益を還元するかではなく、利益をいかに負債の圧縮にまわすかに追われることになる。これが行き過ぎ、40%、30%と自己資本比率が下がると、さらに負債が増え、顧客への還元がほとんどできなくなるような経営状況に追い込まれる。こうなると、経営に負債側からの強い圧力が加わり、食品スーパーマーケットがいつのまにか、商品ではなく、お金を仕入れることになり、成長が止まり、急激に競争力を落とすことになる。

   東武ストアも今期の自己資本比率は68.2%と極めて健全な数字となったが、ここまで経営が劇的に改善するには、かなりの時間がかかっている。これまでの東武ストアの自己資本比率の推移を見てみると、2009年2月(68.2%)、2008年2月(65.3%)、2007年2月(61.2%)、2006年2月(54.2%)、2005年2月(38.2%)、2004年2月(31.5%)、2003年2月21.5%)、2002年2月(38.3%)という状況であり、特に、2003年2月期は、経営危機にあったといえ、その後、徐々に自己資本比率を改善してきているが、劇的に変わったのは2006年2月期であり、ここから、自己資本比率が50%を超え、経営状況が反転、そして、今期は限界に近い自己資本比率に迫る勢いである。

   4/22の日経MJの積極出店の記事も、この自己資本比率の推移をみると、財務的な裏付けがある内容といえよう。そこで、さらに、今期の東武ストアの出店余力を見てみたい。東武ストアの出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金、差入敷金等の合計を見ると、186.00億円(1店舗当たり3.6億円)と通常の食品スーパーマーケットと比べ、かなりローコストな出店に関する資産である。総資産308.06億円に占める割合は60.3%であり、これは自己資本比率68.2%で十分に賄える財務構造であり、差し引き、出店余力は7.9%とプラスである。財務的には安定的な新規出店が可能な状況といえよう。

   一方、今期の実際の現金の流れ、キャッシュフローを見てみると、営業活動によるキャッシュフローが32.98億円であり、税金等調整前当期純利益21.48億円に加え、減価償却費が12.31億円の合計33.79億円が主なキャッシュであり、今期は当期純利益も増益となり、潤沢な営業キャッシュフローであるといえよう。仮に、これを全額、新規出店に振り向けると、出店にかかわる資産が1店舗当たり3.6億円であるので、約9店舗は自己資本で新規出店が可能なキャッシュフローであるといえよう。

   実際は、今期の投資活動によるキャッシュフローは、わずか5.13億円であり、大半が、財務活動によるキャッシュフローに回っている。ただ、今期は差入保証金・敷金の回収による収入が7.87億円あり、これがほぼそのまま有形固定資産の取得による支出7.59億円に充てられた形となり、投資活動によるキャッシュフローが下がったといえる。そして、財務活動によるキャッシュフローであるが、14.51億円であり、その中身は、長期借入金の返済による支出が9.52億円、配当金の支払い額が4.91億円であり、株主還元と財務の健全化、双方へ向けてのキャッシュフローが当てられている。恐らく、来期は、借入金等の全額返済がなされるのではないかと思われる。結果、現金及び現金同等物の増減額13.32億円というキャッシュフローの流れである。

   このように、東武ストアは確実に自己資本比率が向上し、財務の健全化がはかられ、有利負債もあとわずかとなり、出店余力が増しつつあるといえる。今後、日経MJの記事では2年間に10店舗ということであるが、東武ストアは、CHALLENGE1000PLANの中で、平成19年から平成22年までに20店舗の新規出店を表明しており、成長路線を鮮明にしている。実際、先に見たように、財務的な裏付けは十分といえよう。東武ストアが今後どのような新店をつくるのか、その最新フォーマットに注目したい。

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April 23, 2009 in 経済・政治・国際 |

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