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April 20, 2009

ライフコーポレーション、2009年2月決算、増収増益!

   ライフコーポレーションが4/14、2009年2月期の決算を公表した。営業収益4,629.68億円(105.3%)、営業利益114.24億円(109.5%:営業収益比2.4%)、経常利益110.61億円(113.5%:営業収益比2.3%)、当期純利益54.50億円(127.4%:営業収益比1.1%)となる、増収増益の好決算となった。利益は2桁、営業収益も堅調な伸びとなり、食品スーパーマーケット業界の今期の決算の中でも好調な決算となった。

   今期、決算が好調な要因は、売上に関しては、昨年3月に今津駅前店(兵庫県)、毛馬店(大阪府)、4月に三国橋店(大阪府)、西九条店(大阪府)、6月に調布仙川店(東京都)、7月に江北駅前店(東京都)、10月に寝屋川黒原店(大阪府)、11月に大国町店(大阪府)、そして、今年2月に天神橋店(大阪府)と9店舗の積極的な新規出店を果たしたことに加え、既存店も102.4%と堅調な伸びとなったことが大きかったといえよう。特に、新店に関しては、昨年は4店舗、一昨年は6店舗であったので、今期は特に出店数も増え、売上に貢献した。これで、ライフコーポレーションは、首都圏91店舗、近畿圏112店舗の合計203店舗と200店舗を超える食品スーパーマーケットチェーンとなった。

   一方、営業利益が2桁近い伸びを示した要因は、原価が、73.7%(昨年73.8%)と0.1ポイント改善したことに加え、販売費及び一般管理費が26.4%(昨年26.4%)と昨年の水準に抑えられたことが大きく、結果、売上総利益が26.3%(昨年26.2%)となり、差し引き、マーチャンダイジング力は-0.1%(昨年-0.2%)と改善したことによる。ただ、まだ、マーチャンダイジング力はマイナスであり、特に、経費比率が高め水準であるので、一層の営業改善が必要といえよう。そして、これに、営業収入が2.6%(昨年2.6%)のり、営業利益が2.5%(昨年2.4%)と増益となった。なお、この営業収入の約80%は物流センター手数料収入であり、いかに、物流収入がライフコーポレーションの収益を支えているかがわかる。

   ライフコーポレーションは今期9店舗という、ここ数年では、最も出店数の多い積極的な新規出店を展開したが、その新規出店をささえる財務状況を見てみたい。まず、自己資本比率であるが、24.8%(昨年23.8%)と厳しい財務状況であり、約75%を負債に支えられた経営構造となっており、経営の自由度が低い状況である。その負債の主要項目である長短借入金等の合計であるが、518.49億円(昨年666.91億円)と、この好決算をもとに約150億円削減したが、総資産1,655.84億円に占める割合は31.3%と、まだかなり高めの水準である。したがって、資産の中の出店にかかわる資産、土地、建物、差入保証金等の合計をみると、977.27億円(1店舗当たり4.81億円)という状況であり、総資産の59.0%と自己資本比率との差、出店余力は-34.2%となる。出店にかかわる資産の大半を負債におう出店構造といえ、財務的には新規出店がかなり、重い負担となっているといえる。

   その意味で、ライフコーポレーションは非常に厳しい財務状況の中で、あえて積極投資を行い、営業収益を好転させ、経営改革を断行するという、強気の経営を打ち出していえるといえ、トップの強い指導力が問われるマネジメントである。また、その背景には、ライフコーポレションは、「「第三次中期3カ年計画」の翌年度に当たる創業50周年、すなわち平成23年度に250店舗、売上高5,000億円、経常利益150億円を達成すべく目標」と、高い目標を掲げており、この3年間で、経営基盤を作り上げるという強い意思が働き、ここ最近の積極投資がなされているものと思われる。

   これを踏まえ、来期であるが、「更なる競争力の強化と生産性の向上を図るべく当事業年度を初年度とした「第三次中期3カ年計画」を策定し」、実行に入るという。そして、来期は、新店投資は現時点では6店舗と、今期よりはやや抑制するが、新基幹システムの入替え、近畿圏物流再構築の実施により一時経費が上昇するとのことで、営業収益4,790.00億円(103.5%)、営業利益103.00億円(90.2%:営業収益比2.1%)、経常利益100.00億円(90.4%:営業収益比2.0%)、当期純利益50.00億円(91.7%:営業収益比1.0%)と、増収減益の予想である。

   今期同様の増収増益の好決算の達成は難しいようであるが、新店を含め、情報システム、物流構築への投資は継続するとのことで、依然として、積極的な投資が継続される予定である。ちなみに、投資家はこの決算をどう見ているかであるが、ライフコーポレーションの株価は、この好決算が予想された3月中旬以降、上昇しはじめ、それまで、1,600円前後であった株価が、3/30には年初来最高値となる1,870円まで上昇した。ただ、その後、株価は下がり始め、この決算発表のあった4/14は1,670円、前日比1円高となり、その後1,650円前後で推移している状況である。

   このように、今期のライフコーポレーションは大幅な増収増益となり、好決算となったが、自己資本比率は依然として、24.8%と財務的には負債に依存する経営構造が続いており、一層の経営改革が必要な状況である。ただ、このような財務状況の中で、あえて、積極的な新規出店、情報システム、物流の整備と積極的な投資を行っており、強気の経営が特筆される。今後、創業50周年、年商5,000億円へ向けて、この積極的な経営が続くものと思うが、負債とのバランスをどうはかってゆくか、今後のライフコーポレーションの財務戦略に注目である。

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