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April 19, 2009

ベルク、2009年2月期決算、増収増益、来期1,000億円!

   ベルクが2009年2月期の決算を4/9公表した。売上高991.94億円(109.2%)、営業利益41.34 億円(101.2%:売上対比4.1%)、経常利益42.96億円(101.8%:売上対比4.3%)、当期純利益22.62億円(100.3%:売上対比2.2%)となり、増収増益の好決算となった。特に、売上が順調に伸びており、来期はベルク創業50周年にもあたり、年商1,000億円が目前となってきたといえる。

   今期ベルクは、昨年6月に幸手北店(埼玉県)、7月に上里SC店(埼玉県)、10月にベスタ東鷲宮店(埼玉県)、11月伊勢崎スマーク店(群馬県)の4店舗を新規出店し、現在、1都3県に58店舗を展開している。来期もすでにこの3月に出店した川口差間店(埼玉県)をはじめ、7月にベスタ大泉店(群馬県)、9月東所沢店(埼玉県)、11月にさいたま宮原店(埼玉県)と、合計4店舗の出店が決まっている。

   その結果、通期予想は、売上高1,055.32億円(106.4%)、 営業利益43.42億円(105.0%:売上対比4.1%)、経常利益44.83億円(104.3%:売上対比4.2%)、当期純利益23.75億円(105.0%:売上対比2.2%)となるとのことで、年商1,000億円を突破する予想である。また、今期以上に増益を見込んでおり、利益の方も順調に推移する予想である。

   ベルクは食品スーパーマーケット業界の中でも高収益企業であるが、その要因を今期の決算書から見てみると、原価が74.2%(昨年74.0%)と0.2ポイント上昇した。今期は資本・業務提携しているイオンのPB、トップバリュを積極的に導入するなど、原価改善に取り組んだが、資源・エネルギー価格の上昇による、原価アップの方が大きかったようで、原価はやや上昇気味であった。その結果、売上総利益は、25.8%(昨年26.0%)となった。

   一方、販売費及び一般管理費であるが、25.4%(昨年25.2%)と、こちらも0.2ポイント上昇し、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は0.4%(昨年0.8%)と、プラスにはなったが、ぎりぎり、プラスという状況であり、今期は、原価、経費、双方が上昇するという厳しい営業状況であったといえよう。これに、営業収入が3.8%(昨年3.7%)のり、結果、営業利益は4.2%(昨年4.5%)と、0.3ポイント下がった。ただ、営業利益は4%を超えており、食品スーパーマーケット業界の中では高い営業数値である。

   ベルクの利益の源泉は、このように、マーチャンダイジング力よりも、営業収入3.8%に重みがあるが、その中身は、物流収入が約6割強、不動産収入が3割強、その他となっており、物流収入の比重が大きいのが実態である。したがって、売上をいかに維持し、増収をもたらすかが課題といえ、その意味でも、今後、年商が1,000億円を突破することは、営業収益を高める上でも重要な経営戦略であるといえよう。

   この好調な決算を受けて、ベルクのキャッシュフローの流れであるが、営業キャッシュフローは41.49億円となった。特に、今期は積極的な新規出店もあり、減価償却費が増加しており、この傾向は今後も続き、営業キャッシュフローは安定した数字が確保されるものといえよう。これに対し、投資キャッシュフローであるが、-38.54億円となり、フリーキャッシュフローは2.95億円のプラスとなり、順流ではあるが、もう少し、余裕が欲しいところであろう。その中身であるが、37.33億円とその大半を有形固定資産の取得等による支出と、新規出店関連に充てており、今後とも確実に新規出店を継続してゆく強い意志が込められているといえよう。財務キャッシュフローであるが、-11.44億円とフリーキャッシュフローを超え、資金を取り崩す結果とはなったが、長期借入金等の返済、そして、配当に充てており、株主への還元、財務の改善が進んだ。結果、トータル、-8.49億円となり、期末の現金及び現金同等物は31.46億円となった。

   これに対し、財務の状況であるが、自己資本比率53.1%(昨年51.8%)とキャッシュフローの流れでも明らかなように、長短借入金の返済が進んでおり、自己資本比率の上昇がみられる。その負債の主要項目の長短借入金等の状況であるが、114.56億円(昨年120.99億円)となり、総資産515.97億円の22.2%であり、返済が進んだとはいえ、まだ、やや多めといえよう。一方、資産であるが、出店にかかわる資産である、土地、建物、差入保証金の合計は386.51億円(1店舗当たり6.6億円)となり、総資産に占める割合は74.9%である。自己資本比率から差し引いた出店余力は-21.8%となり、負債に依存する出店構造といえ、今後、安定的な新規出店を果たしてゆくためにも、一層の自己資本の充実が課題といえよう。

   このように、ベルクの2009年2月期の決算は増収増益の好決算となったが、やや気になるのは、特に、今期は原価、経費双方に上昇が見られ、マーチャンダイジング力が下がり、物流収入に負う利益構造となったことである。出店余力もまだまだ負債に負う財務構造といえ、今後、安定成長を目指す上にも、マーチャンダイジング力の改善は急務といえよう。ベルクは来期、1,000億円の売上を突破することは確実となったが、今後、いかに、原価、経費を引き下げるマーチャンダイジング力の改善に取り組んでゆくか、その経営戦略の動向に注目したい。

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