« オオゼキにみる常連客の経営的な意義を考えてみる! | Main | スーパーバリュー、2009年2月期決算、増収増益! »

April 27, 2009

売上速報、食品スーパーマーケット2009年3月度、失速?

   食品スーパーマーケット、上場約20社の2009年3月度の売上速報を集計した。食品スーパーマーケット業界は現在約60社が上場しているが、その中で、月度の売上速報を公表している企業は約20社である。その結果であるが、101.5%(既存店96.4%)となり、これまでの数字と比較しても、明らかに失速気味の数字といえよう。ただ、3月度の数字は、前回の2月度と同様、一部食品スーパーマーケットでは、2月中旬から3月中旬の数字で集計している場合もあり、今年は2月度がうるう月で1日少ないこともあり、約3%強誤差がでるため、数字が下がった食品スーパーマーケットもある。したがって、来月の数字を見ないと確かなことはわからないが、それでも、101.5%は伸び悩んだといえよう。

   ここ数ケ月の数字を振り返ってみると、2009年2月度(102.3%)、2009年1月度(104.7%)、2008年12月度(104.0%)、2008年11月度(106.2%)、2008年10月度(103.9%)、2008年9月度(103.5%)という推移であり、この3月度の101.5%は、ここ最近では、最も低い伸び率であり、2月度の102.3%と比べても、下がっており、厳しい数字といえよう。ちなみに、昨年の2月度は107.5%、3月度は107.0%、4月度は105.9%、5月度は106.0%と堅調な伸びであったので、ここまでの状況を見ると、食品スーパーマーケット業界も、今期はやや厳しい売上となりそうである。

   このような状況の中で、この3月度110%以上の好調な売上となった食品スーパーマーケットは2社ある。マックスバリュ東海111.8%とスーパーバリュー111.3%である。マックバリュ東海は、昨年、シーズンセレクト11店舗へのM&Aがあったことに加え、4店舗の新規出店を行い、結果15店舗増となったことが大きかった。また、この3月にも2店舗新規出店を行っており、今後、さらに積極的に新店を出店してゆく予定であるといい、当面、好調な売上が続くものといえよう。また、スーパーバリューも現在10店舗であるが、昨年11月に川口前川店、12月に入間春日町店と立て続けに2店舗の新規出店があり、今期は安定した成長が継続されるものといえよう。ただ、両企業とも既存店は97.0%、98.7%とやや伸び悩んでおり、気になるところである。特に、マックスバリュ東海は客数117.5%に対し、客単価が95.2%と、客数に依存した売上増であり、客単価の落ち込みが大きい。

   この2社に続き、105%以上の堅調な売上となった食品スーパーマーケットが3社ある。九九プラス、ダイイチ、PLANTである。特に、九九プラスは108.5%、既存店も105.1%と好調であり、既存店105.1%は今回の公表企業の中ではNo.1の伸び率である。ローソンとの資本・業務提携の効果が確実に業績に反映されてきたといえ、また、消費者の節約志向が強まる中、100円生鮮コンビニが追い風になっているものと思われる。ダイイチは105.5%と堅調な売上であるが、これは昨年7月にオープンした白石神社前店の貢献が大きく、この7月まではこの好調さが続くものと思われる。PLANTも105.0%と堅調な売上である。ただ、既存店は93.4%という状況であり、新店に支えられた売上増であり、今後、既存店の活性化が急務といえよう。

   これに対し、この3月度売上が厳しかった食品スーパーマーケットを見てみると、マックスバリュ北海道が91.9%、既存店も87.2%と厳しい数字となった。特に、既存店87.2%はかなり深刻な数字といえ、今後、抜本的な見直しが必要といえよう。ついで、アークランドサカモト93.5%(既存店94.2%)、マックスバリュ東北94.9%(既存店89.6%)と、この3社が95%を下回った食品スーパーマーケットである。マックスバリュは大きく2極化している状況であり、東海、西日本、中部は好調であるが、東北、北海道は深刻な状況となっており、イオンとしても、食品スーパーマーケット事業への支援体制を一層強化する必要があろう。

   そして、今期、伸び率は105%を下回ったが、100%を超えた食品スーパーマーケットを見てみると、マックスバリュ西日本104.5%、カスミ104.4%、バロー103.1%、オオゼキ102.7%、マックスバリュ中部102.5%、ヤオコー101.5%、CFSコーポレーション100.9%、いなげや100.6%、マルエツ100.3%、トーホー100.2%の10社である。この10社の中で既存店もプラスになったのは、この1年間新規出店がなかったオオゼキ1社の102.7%のみであり、2月度のうるう月という特殊要因があった食品スーパーマーケットもあったとは思うが、それを加味しても、既存店は厳しい数字であったといえよう。ちなみに、この3月度、既存店がプラスになったのは、オオゼキと九九プラスのみであり、食品スーパーマーケットも先月ぐらいから、いよいよ売上を確保するのが難しい経営環境に入ったようである。

   このように、うるう月の影響もあると思われるが、先月から、食品スーパーマーケットの売上が失速気味で推移し始めたといえ、この3月度は2月度以上に売上が失速しており、厳しい状況といえよう。3月は食品スーパーマーケット上場企業の60%強が2月度決算の新年度に当たり、今期は厳しいスタートとなった。次回、4月度の数字がどのような伸び率となるかにより、今期、食品スーパーマーケットの成長性がある程度推測できると思うが、ここまでの、ここ数ケ月の推移を見ていると、今期は厳しい1年になりそうである。次回、4月度の売上速報に注目である。

有料版プレミアム、決算と新MD特集!今週の内容!   お申し込みはこちら!
週間!食品スーパーマーケット最新情報、まぐまぐ!(現在1320人)  資料集
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在620人)

« オオゼキにみる常連客の経営的な意義を考えてみる! | Main | スーパーバリュー、2009年2月期決算、増収増益! »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 売上速報、食品スーパーマーケット2009年3月度、失速?:

« オオゼキにみる常連客の経営的な意義を考えてみる! | Main | スーパーバリュー、2009年2月期決算、増収増益! »