Chain Store Age4/01、ガムPOS分析スタート!
Chain Store Age、4/01号にガム市場の分析記事が掲載された。「MD特別リポート、菓子売場戦略を考える、Series1」、「キシリトールガムの軌跡、その時市場が変わった!!」というタイトルの記事の中での小コラムである。テーマは「近年のガム市場分析、新商品と重点商品の理想的なバランスとは?」であり、ガムのマーチャンダイジングについて、さわりをまとめたものである。なお、次回は、本格的なガムのPOS分析に入る予定であるが、ここでは、今回の記事に沿って、ガムのマーチャンダイジングの補足を少し試みてみたい。
記事の中でも言及したが、マーチャンダイジングの原則はどのような場合でも重点商品を見つけ出し、その重点商品を極限まで数字改善してゆくことが最優先である。ところが、商品の種類が異常に多いカテゴリー、あるいは、新商品が次から次に登場するカテゴリーに関しては、品揃え、新商品に目がいってしまい、重点商品の方に目が向かない場合が多い。こうなると、重点商品の管理がおろそかになり、本来、安定した顧客の支持を獲得し、売上のベースとなる土台が崩れ、カテゴリー全体のバランスをきたし、結果、売上を落としかねない。
品揃えの幅を広げることも、新商品を積極的に導入することも、目的はカテゴリー全体の売上をあげることであるにもかかわらず、結果がついてこないということがおこる。したがって、重点商品に関しては、どのようなカテゴリーであっても、まず、最初にしっかり押さえ、重点商品の数字を極限まであげる必要があり、それを前提として、品揃えの改善、新商品の導入をはかってゆくことがマーチャンダイジングのポイントとなる。
問題はガムがどのようなタイプの商品であるかであるが、商品には大きく分けて、2つのタイプがある。ひとつは、重点商品の売上が50%を優に超え、60%、70%にもなる商品である。そして、もうひとつは、重点商品の構成比が50%を割り、30%、20%となる商品である。食品スーパーマーケットの商品カテゴリーは圧倒的に前者のタイプの商品が多く、特に、生鮮品ではそのほとんどが重点商品の構成比が高く、60%から70%のものが数多く存在するのが実態である。ただ、生鮮食品の中でも刺身の単品盛り、牛肉の切り落とし、トマトなどは意外に、重点商品よりも、品揃え商品の構成比が高いのが実態であり、このような重点商品だけではなく、品揃え商品も極めて重要な商品もある。
以前、Chain Store AgeのPOS分析の記事の時に取り上げた食パンと菓子パンはまさにこのことを象徴的に表している典型的な商品カテゴリーである。食パンは重点商品の構成比が圧倒的に高く、菓子パンは逆に、品揃えの構成比が圧倒的に高い商品である。食パンの品揃えは、数10SKUであるが、菓子パンは数100SKUと10倍近い品揃えの違いになる。ただ、菓子パン型の商品であっても重点商品の重要性には変わりはなく、菓子パンのマーチャンダイジングを改善する場合でも、まずはじめに取り組むべき課題は重点商品約20品ぐらいの特定化とその商品の欠品防止、鮮度強化、フェースの拡大、発注の重点管理、POPでの訴求、棚割の改善、レイアウトの見直し、・・と重点商品を徹底的に管理し、その数字を極限まで伸ばして行くことが大前提である。
その上で、菓子パンの場合は、品揃えを少なくとも100種類は売場に揃え、毎日毎日、毎週毎週、その品揃え商品の見直しを行い、商品の品数をできるだけ一定にたもちつつ、入れ替えを、1日1日では品数は少なくとも、月間、季節、年間では1,000種類ぐらいの品揃えに挑戦するのが菓子パンのマーチャンダイジングの数字改善の課題となる。その際、菓子パンでは新商品が各社メーカーから毎週毎週、毎月毎月登場し、年間では膨大な数の新商品が市場に投入される。この新商品を品揃えの改廃の中にしっかり組み込めるどうかがマーチャンダイジングのポイントとなる。
では、ガムはどちらのタイプといえるだろうか。食パン型の商品であるか、菓子パン型の商品であるかである。現在、ガムの膨大なPOSデータを様々な角度から分析を試みているが、いま見えてきている段階では、どうもガムは菓子パン型の商品に近いといえそうである。ただし、ボトルガムをはじめとして、PI値は低いが、平均単価が高く、結果、金額PI値が図抜けた重点商品と平均単価は低いがPI値が極端に高く、金額PI値が高い重点商品とがバランスよく混在している状況が見られ、まずは、重点商品をしっかり押さえることがポイントである。また、今回の記事のタイトルにあるように、キシリトール関連のガムは重点商品の中では圧倒的な存在感があり、キシリトールという視点はガムのマーチャンダイジングにおいては重要なキー概念であるともいえよう。
さらに、ガムは現在、品揃えもさることながら、毎月毎月、各社から新商品が続々と登場しており、記事の中でも触れたが、売場が新商品であふれかっているような印象をうけるのも事実である。したがって、まさに、記事のテーマ、「新商品と重点商品の理想的なバランスとは?」が問われる典型的な商品カテゴリーであるといえる。次回以降は、現在取り組んでいるガムの詳細なPOSデータの分析結果を披露できるのではないかと思う。乞うご期待!
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