ウォルマート売上速報、2009年4月度、102.4%!
ウォルマートが5/7、2009年4月度の売上を公表した。前月の3月度がイースター祭が今月へずれたため、昨対では-1.9%(98.1%)となり、厳しい売上となった。その翌月、この4月度の売上がどのような数字となるか注目されたが、結果は102.4%と、伸び率は低く、わずかな伸びにとどまった。ちょうど、この4月で、13週、第1四半期を終えるが、13週累計では100.9%であるので、ここ数ケ月の中では、この4月度は伸び率が大きかったといえるが、まだ、回復とまではいかず、依然として厳しい売上が続いているといえよう。
ただ、ウォルマート本体は107.7%と、前月の102.6%と比べ、上昇幅が大きく、回復基調といえ、アメリカ国内の動向は堅調であったといえよう。問題は海外部門とサムズクラブ部門であり、特に、この4月度は、この両部門の落ち込みが大きかった。その海外部門であるが、93.0%と、依然として、厳しい状況が続いている。それでも、13週累計では88.8%であるので、やや上向きにはなっているようであるが、この海外部門は現在、売上構成比が23.6%と約1/4であるので、7%の落ち込みは全体への影響も大きいといえよう。ウォルマートの海外部門は、実際の数字は113%と好調であるが、為替変動の影響が約20%あり、差し引き、7%の影響が生じたと説明しており、需要が下がっているのではなく、為替の問題であると強調している。
実際のこの4月度の海外状況であるが、イギリスのアズダは好調であり、イースター祭の影響もあり、既存店の客数が特に伸びたという。精肉、グロサリーの数字が特に良かったとのことで、また、ジョージブランドなど衣料品も、特に女性関連が良かったという。また、新型インフルエンザ、H1N1が猛威をふるっているメキシコでは115.8%の売上となり、既存店も107.8%と好調であったという。客数だけでなく、客単価の伸びも見られたという。ただ、この2週間は、メキシコのウォルマートもメキシコ政府と協力し、H1N1対策に奔走し、メキシコシティの店舗40ケ所の駐車場に移動式の臨時医療センターを設置するなどしたという。また、ウォルマートカナダ、そして、ブラジルは堅調な伸びにとどまったという。カナダに関しては今後スーパーセンターに力を入れて行くという。
そして、日本であるが、既存店は伸び率は低いが堅調な数字であったという。西友のEDLPの商品が好調でありジョージブランドも良かったという。ただ、衣料品、住関連用品が、消費者の節約志向の中で苦戦しているという。最後に、中国であるが、海外部門の中では最も苦戦しているという。デフレの影響がでており、客単価のダウンが見られ、客数もかんばしくなく、厳しい状況であるという。
このように、ウォルマートの海外部門は一部、中国などを除き、売上は好調ないしは、堅調な数字であり、為替変動の影響が極めて大きく、この4月度は93.0%となった状況である。今後、世界経済がどこまで回復するかにもよるが、当面は、このドル高基調が続くと思われ、ウォルマート全体は低成長が続くのではないかと思われる。
さて、もうひとつの今月の課題となったサムズクラブ部門であるが、全体の売上構成比は11.5%と海外部門の23.6%の約半分であるが、この4月度は95.7%と約5%落ち込んでおり、13週累計が100.4%であるので、気になるところである。その最大の要因は、ガソリンである。昨年は、サムズクラブはガソリン等、エネルギー関連の売上貢献度が、資源エネルギーへの投機が起こり、相場が暴騰し、大きく寄与しており、今期は、一転、金融不安により、相場が下がり、ガソリン等、エネルギー関連の売上貢献が大きく下がったからである。
実際、サムズクラブとウォルマートの既存店のガソリン等、エネルギー関連の売上貢献度を見てみると、サムズクラブのこの4月度は-5.4%であり、これを抜いた売上は100.3%とわずかであるが上昇している。これに対して、ウォルマート本体であるが、貢献度は0.0%と、0であり、ガソリン等、エネルギー関連には影響されない売上構造である。サムズクラブは逆に、この影響をもろにうける売上構造であるため、このような大きな影響が生じたものといえよう。
さて、これに対し、ここ数日のウォルマートの株価の動きであるが、5/7(48.89ドル)、5/8(50.14ドル)と上昇気味に推移しており、概ね、投資家は買いと見ているようである。ただ、ここ数ケ月のウォルマートの株価は4月はじめには54ドル弱まで上昇し、その後、4/27には47ドルまで下げており、そこからじわじわと上昇し、この数日は50ドル近辺でもみ合っていた状況であるので、今後、この売上速報を契機に上昇するか見極めがつきにくい状況である。また、そろそろ、第1半期決算が公表されるので、その結果を待っている状況ともいえよう。
このように、ウォルマートのこの4月度の売上速報は102.4%と堅調な数字となり、先月の98.1%のマイナスからはプラスに転じ、ひとまず、息をついた数字といえよう。イースター祭のずれによる売上増もあったが、海外の売上が為替の影響で売上は厳しい状況にあるが、現地は概ね好調であり、13週累計と比べでも下げ幅がせばまりつつある。今後はメキシコだけでなく、アメリカでも新型ウィルス、H1N1の影響が懸念されるが、5月以降、ウォルマートの売上がどのような数字で推移するか気になるところである。
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