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May 26, 2009

コンビニ売上速報、2009年4月度、106.5%、堅調!

   コンビニの2009年4月度の売上速報が日本フランチャイズチェーン協会から5/20に公表された。この統計は、加盟11社、エーエム・ピーエム・ジャパン、ココストア、サークルK サンクス、スリーエフ、セイコーマート、セブン-イレブン・ジャパン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンの売上を集計したものであり、総店舗数は42,070店舗にもなり、ほぼ、日本のコンビニ全体をカバーしている規模の数字である。その結果であるが、全体では106.5%、既存店も104.3%とtaspo効果が継続しており、依然として堅調な売上を維持している。

   ただ、この1年間の流れを見ると、昨年4月2.0 %、5月5.8%、6月6.4%、7月14.0%、8月7.5%、9月8.9%、10月10.5%、11月9.9%、12月8.5%、そして、今年1月9.6%、2月4.8%、3月6.5%、4月6.5%という状況である。7月は猛暑のため異常値であるが、これを除くと、ピークは10月の10.5%であり、その後、しばらくは10%弱で推移したが、ここへ来て、6.5%となり、徐々に失速しつつあるといえよう。当面、しばらくは、堅調な売上がtaspo効果により、継続されると思われるが、数ケ月後には、taspo効果も薄れ、低成長を余儀なくされる可能性が高く、この数ケ月がコンビニ、各社にとって、次の成長を目指す上の仕込み期間といえよう。

   この4月度の売上106.5%の要因を客数、客単価、そして、商品構成で見てみると、まず、客数であるが、1,122,636,000人(108.7%)と、大きく伸びている状況である。ちなみに、1店舗当たりでは889人であり、平均的な食品スーパーマーケットの約半分弱である。さらに、既存店の客数を見てみると、1,044,523,000人(106.4%)と、同様に大きく伸びており、全体の客数の伸びが既存店に支えられた伸びであることがわかる。まさに、taspo効果といえ、約40,000店舗全体の既存店を押し上げる結果となったといえよう。

   次に、客単価であるが、574.5円(98.0%)と下がっており、増加した客数が客単価の押し上げにはいたらなかったということであり、客単価には若干マイナスに働いたといえよう。これは、既存店の数字も同じ98.0%であるので、同様の結果であり、taspoの売上増効果は、客数に鮮明に表れ、客単価は逆に若干マイナスに作用したといえる。公表資料では、ここから先、すなわち、PI値、平均単価の状況はわからないが、おそらく、たばこ+アルファのtaspo関連の顧客が増加したと考えられるので、平均単価よりも、PI値ダウンの方が大きかったのではないかと想定される。

   そして、商品構成であるが、コンビニは日配食品、加工食品、非食品、サービスに分かれるが、この4月度の商品売上構成比はそれぞれ33.6%、29.6%、32.5%、4.3%であり、日配食品、加工食品、非食品が拮抗している状況である。ちなみに、たばこは非食品に入り、ここの数字がtaspo効果の反映される部門であるが、その伸び率を見ると、123.0%と異常値となっており、まさに、taspo効果がもろに現われているといえよう。その他の伸び率を見ると、日配食品99.1%、加工食品100.3%、サービス105.2%と、サービスは伸びているが、売上構成比はわずかであり、主力部門の日配、加工食品の伸びは全く見られないのが現状である。

   したがって、taspo効果を総括すると、既存店の客数を飛躍的に押し上げたが、その押し上げた新規顧客は、たばこ+アルファの消費しかしていない状況であり、主にたばこの売上がコンビニ全体の売上を底上げしている状況といえよう。少し、これは意外な数字であり、たばこの購入顧客はコンビニの商品をあまり買わない顧客ということになり、コンビニの客層と合わない、逆にいえば、コンビニの品揃えがtaspo顧客の消費動向と合わないということであろう。

   ここで、仮に、この非食品の増加分の大部分がたばこであると仮定すると、全体の売上が6,450億円であり、非食品の売上構成比が32.5%であるので、金額にして2,096.25億円となる。これが123.0%伸びた数字であるので、もとの数字は1,704.26億円である。したがって、差し引き、391.99億円がたばこの売上となり、これを単純に年間計算すると4,703.88億円となる。これが全額ではないにせよ、このかなりの部分が、本来自動販売機でたばこを購入していた顧客がコンビニで購入したことになり、自動販売機の売上が激減したといえよう。

   また、同様に、既存店の増加した客数をたばこ購入客と想定すると、既存店の客数は延べ62,753,000人、1日当り2,091,000人、約200万人が自動販売機から、コンビニに流れたことになる。この数字がすべて、taspo顧客ではないと思うが、かなりのボリュームが雪崩を打って自動販売機から、コンビニに流れたことは事実であり、コンビニにとってはこの1年間まさに特需、自動販売機は悪夢であったといえよう。

   このように、この4月度もコンビニの売上は既存店の客数、非食品の売上が大きく伸び、全体の数字が堅調に推移した。ただ、昨年のピーク時、10月度と比べると、伸び率は失速気味で推移しており、来月ぐらいからはtaspo導入1年を迎え始めるので、伸び率はさらに鈍化し、やがては、昨対ぎりぎりまで、下がることが予想される。その意味で、ここ数ケ月がコンビニにとって正念場といえ、各社がどのような経営戦略を打ち出すかに注目である。

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