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May 24, 2009

酒類産業新聞700号でインタビュー記事掲載!

   昨年と今年、2回に渡り、酒類産業新聞から取材を受けた内容が5月臨時号、700号で6、7ページの2面に渡り、大きく取り上げられた。これほど、大きく取り上げられるとは思っていなかったので、びっくりである。見出しは、「本格的な価格競争に入ったスーパー業界と焼酎の役割」と題し、焼酎についてのインタンビュー内容である。焼酎に関しては、依然からチェンーンストアエイジでもPI値分析の記事を投稿しており、私にとっても関心の高いテーマである。記事の概要は、食品スーパーマーケット業界のここ最近の動向をもとに、GMSの本格的な価格戦略の発動、これがどのように、小売業界に影響を与えるかなどを述べた後に、焼酎について詳しく、現状と今後の動向を述べたものである。

   特に、今回は家計調査データの独自の分析結果をもとに酒全般と焼酎の特徴を解説しており、その一覧表も掲載されたので、焼酎だけでなく、酒全体についても現状を分かりやすく解説できたと思う。食品スーパーマーケット最新情報のブログではおなじみであるが、家計調査データは客数PI値を算出することができる。これは家計調査データを眺めていて偶然発見したことであるが、金額PI値(全世帯)=客数PI値×金額PI値(購入世帯)という、数式に分解でき、以前は、これを客単価3D分析の一歩手前として解説していたが、最近では、客単価3D分析を包み込む新マーチャンダイジング理論がほぼ確立したため、新マーチャンダイジング方程式の一環として説明している。

   ここでいう客数PI値とは、購入世帯数を全世帯数で割って算出した数字であり、金額PI値(購入世帯)が購入金額÷購入世帯であるので、この2つを掛けると、購入金額÷全世帯となり、全世帯を分母にした平均的な数字となる。したがって、全世帯には購入世帯も、未購入世帯も含まれているが、購入世帯には未購入世帯は含まれてはいず、その項目を消費した世帯のみの数字となる。

   そして、酒において、この客数PI値が重要な点は、酒類産業新聞でも述べたが、食品の中では唯一、客数PI値が極端に低くなる項目である点である。今回の記事のデータを見ても、食品全体の客数PI値は100%であり、食品を1ケ月に1度も購入しなかった世帯はない状況である。記事の中ではデータを省略しているが、食品の大分類はほとんどが90%を優に超える分類である。ところが、酒は客数PI値が58.8%と約6割であり、約4割は1ケ月に1度も酒を購入しない世帯が存在するのが実態である。これは食品スーパーマーケットの売場でみれば、酒のみ来店顧客の6割の方を対象としている商品であるということであり、来店客全員を対象にする他の商品はとマーチャンダイジングの仕方が違うということである。

   特に、酒の中でもウィスキー、ぶどう酒(ワイン)が極端に客数PI値が低く、これについで、発泡酒、焼酎、清酒と続き、最も高いのがビールとなる。ただ、それでも、ビールの客数PI値は25.0%であるので、けっして高い方ではない。ちなみに、このデータは家計調査データの数字であるが、これをID-POSデータ、新マーチャンダイジング方程式にもとづいて分析すれば、さらに詳細な動向がわかる。

   このような特徴を踏まえて、特に、焼酎についてみると、焼酎は甲類、乙類、混和にわかれるが、この3つの焼酎のマーチャンダイジングが全く違い、同じマーチャンダイジングでは売上を伸ばすことができないのが特徴であり、この点を詳しく、記事の中で解説した。酒類そのもののマーチャンダイジングが他の食品とは客数PI値の点で大きく異なる上に、さらに、焼酎では、もっとマーチャンダイジングが違ってくるので、この点をしっかり抑えた上でのマーチャンダイジングが必要になるという点である。

   いくつか記事の内容にそってポイントを述べれば、記事の小見出しがその特徴を述べているので、その小見出しを掲げてみると、「PB化で見直される本格焼酎」、「客数PI値は低いが商品へのこだわり強く」、「品揃えの深さが売り上げを左右」、「乙類へのシフトは混和の売り方次第」というものであり、今後の焼酎の鍵は乙類をいかに伸ばせるかにかかっており、そのためのポイントが混和の存在であるということである。事実、最近のデータでは混和の伸びはすさまじく、混和が焼酎全体の活性化に寄与しはじめているといえよう。ただ、混和で終わってしまっては焼酎全体は伸びず、全体を伸ばすためには、大容量低価格の甲類、甲類の低価格と乙類の本格焼酎の良さを兼ね備えた混和、そして、価格は高めであるが、本格的な香りを味わえる本格焼酎、乙類、特に、その品揃えがポイントであり、この3つのバランスをとりながら、混和をどう焼酎全体の活性化のキー商品に仕上げるかがポイントである、とまとめた内容である。

   それにしても、予想もしなかった大きな扱いであり、しかも、ほぼ、インタビューの内容を網羅しており、内容的にも焼酎の現状と今後をうまくまとめることができたと思う。機会があれば、是非、ご一読いただければと思う。

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