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May 09, 2009

日経MJ新製品ランキング、5/8、活況!

   久しぶりに、日経MJ新製品週間ランキングを取り上げてみたい。今週は、何といっても、全体の解説にも取り上げられているカルビー、ポテトチップスうすしこ味60g、金額PI値270円(一人当たり0.27円)である。先週14位から、一気に菓子部門1位となり、先週比金額PI値172円アップと急上昇である。カバー率も対象45チェーン250店舗の76.3%となり、今後、おそらく限りなく100%に近づくのではないかと思われる。

   この商品は何といっても、従来のポテトチップスうすしお味を60gにし、結果、平均単価が、今週は95円と100円を切ったところにポイントがあるといえ、100円という食品スーパーマーケットの相対的な安さを感じさせる値頃にぴたりはめたことである。食品スーパーマーケットで100円がなぜうけるかであるが、そのひとつの理由は、食品スーパーマーケットの全約1万品の平均単価は約200円であり、100円はその半値となる。したがって、100円は食品スーパーマーケットという平均約200円で囲まれた約1万品の空間の中では、直感的に50%offの感覚が発生し、思わず手にとってしまう心理的な誘因を引き出すからであると思われる。

   価格には絶対価格と相対価格がある。絶対価格とは競合店と比べての価格であり、これは顧客が買い回りしていることを前提に成立する価格である。これに対して、相対価格は売場の中で発生する価格であり、特に棚割の中で、大パックと小パック、NBとPBなどを併売することにより、大のお得感やPBのお得感を価格差をつけることによって醸し出す心理価格である。よく、大リーグで150km/hの速球の後に、120km/hのチェンジアップを投げ、三振に取る場面を見るが、まさに、この30km/h(約20%)のスピードの差がバッターのタイミングをずらすことができるのと似ている。これは、120km/hと95km/hでも同じ効果が期待でき、球が遅くとも心理的な速さの違いをだすことができ、絶対的な速さ同様、相対的な速さも効果が期待できる事例である。価格も全く同じであり、マーチャンダイジングは絶対的な価格よりも、相対的な価格を重視すべきであり、今回のカルビー、ポテトチップスはまさにここにぴたりはまる商品といえる。

   菓子部門は同じ、ポテトチップス60gシリーズがコンソメパンチ3位、金額PI値202円、ペッパー4位、金額PI値180円と上位に入っており、60gは絶好調である。ちなみに、菓子部門2位はロッテ商事プチプッセ<スイートストロベリー>8個、金額PI値211円である。

   これについで、ここ最近冷凍食品部門ではアイスクリームよりも、冷凍食品部門の復活が顕著であり、今週もベスト10の内、7品が冷凍食品で占められた。1位は味の素、ギョーザ12個、金額PI値568円であり、何と、金額PI値Aランク500円を超える高い数字である。2/19初登場の新製品であるので、そろそろ3ケ月となり、ランキングをはずれるが、金額PI値568円は冷凍食品としては極めて高い数字である。2位、3位も味の素であり、プリプリのエビシューマイ12個156g、金額PI値378円、カップに入ったエビのグラタン4個120g289円である。4位に、アイスクリームではトップとなった明治乳業、エッセルスーパーカップ超バニラ200mlが金額PI値215円で入ったが、5位も味の素、お弁当あらびきジューシーハンバーグ6個、金額PI値213円であり、以上が金額PI値200円Cランク以上の新製品である。

   もう1部門、今週の注目部門はその他食品であり、1位、2位は明治乳業、ブルガリアヨーグルトLB81プレーン450g、金額PI値1,720円、プロビオヨーグルトLG21 112g、金額PI値713円といずれも、金額PI値Aランクである。ここ最近のこの上位2品は不動となっているが、今週は3位に異変が起きた。先週11位から急浮上した日清食品、カップヌードル77gである。テレビ宣伝も本格化し、チャーシューの角切りを入れたリニューアル商品であるが、金額PI値は先週比322円アップの620円とAランクを超えた。ここのところ、PBに押されカップめんトップの座を譲っていたカップヌードルが攻めに転じ、結果を出し始めたといえる高い金額PI値となり、来週以降、どのような数字となるかが注目といえよう。

   これ以外では、飲料も、気温があがり、各新製品の金額PI値が上昇しはじめ、500円以上のAランクが5品、300円以上のBランクが9品、Cランクの200円以上が6品と全20品すべてCランクを超える高い金額PI値となった。また、家庭用品では、先週と順位の変動はあまりないが、金額PI値Aランクが2品、Bランクが1品、Cランクが4品と、全体的に金額PI値の高い新製品で占められた。

   このように、今週の新製品は5月に入り、春から初夏が見え始めた時期となり、新製品がアクティブに動きはじめたといえよう。特に、菓子部門のポテトチップス、冷凍食品部門の味の素ギョーザ、その他食品のカップヌードル等の動向が顕著であり、来週以降の動きが気になるところである。また、気温も上昇し、飲料部門の金額PI値も急激に上昇しており、来週以降、どのような新製品が投入されるかも注目といえよう。本ブログでも、再度、新製品情報に注目し、最新動向をいち早く取り上げてゆきたい。

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