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May 08, 2009

No.3、中堅食品スーパーマーケット苦戦、2009年2月決算

   1回で完結するつもりで、取り上げたテーマであったが、とうとう3回目となった。No.1では、中堅食品スーパーマーケット、北雄ラッキー、マツヤ、マルヨシセンターの利益構造、マーチャンダイジング力について、No.2では、財務構造について、特に、食品スーパーマーケットの経営の根幹指標ともいえる自己資本比率に焦点当て、出店余力について取り上げた。そこで、No.3では、残された決算の重要な要素、キャッシュフローについて、取り上げてみたい。

   食品スーパーマーケットにとってキャッシュフローの重要性は、成長戦略と直結する投資キャッシュフローにあるといえる。この投資キャッシュフローの中で、成長への投資、すなわち、出店にかかわる資産への投資がなされていない場合は、成長戦略が次年度以降十分に描けていないということになる。

   通常、食品スーパーマーケットは中期計画として3ケ年から5ケ年、長期計画として、10ケ年から30ケ年ぐらいを立てることになるが、その経営計画が確実に実施されているかは、まさに、この投資キャッシュフローに現われるといえ、この中の有形固定資産の取得による支出、差入保証金の増加による支出がほぼ出店にかかわる投資といえる。通常、1店舗への投資額は4億円前後であるので、この合計金額がどのくらいかで、また、ここ数年間の累計を見れば、次年度以降の出店が何店舗ぐらい想定しているかが見える。これを経営計画と照らし合わせれば、その実行度合い、そのペースも見ることが可能となる。

   そこで、まず、北雄ラッキー、マツヤ、マルヨシセンターの投資キャッシュフローを見てみたい。北雄ラッキーの有形固定資産の取得による支出は-7.76億円、差入保証金の増加による支出は-3.41億円であり、合計-11.17億円であり、来期以降、2店舗ぐらいの新規出店の意図が見える。マツヤは合計-12.59億円であり、3店舗ぐらいの計画であろう。そして、マルヨシセンターの合計であるが、-5.74億円であるので、1店舗の新規出店であるといえよう。No.1、No.2で見たように、各社とも、厳しい、経営状況の中ではあるが、確実な新規出店を目指しており、食品スーパーマーケットにとって、出店戦略がいかに重要であり、優先度が高い経営戦略であるかがわかる。結果、投資キャッシュフローは北雄ラッキー-5.48億円、マツヤ-15.72億円、そして、マルヨシセンター-8.15億円である。

   そこで、この投資キャッシュフローの財源が問題になるが、食品スーパーマーケットとしての理想はマーチャンダイジング力を充実させ、営業利益を高め、営業キャッシュフローを可能な限り増大させ、投資のマイナス分をカバーし、さらに、余力で財務キャッシュフローをも賄うことである。また、営業キャッシュフローは減価償却費も大きなプラス要素であり、食品スーパーマーケットは出店にかかわる資産が大きいがゆえに、減価償却費も大きくなるが通常である。

   北雄ラッキーであるが、税金等調整前当期純利益4.84億円、減価償却費3.13億円、その他を含め、営業キャッシュフローは9.86億円である。マツヤは税金等調整前当期純利益0.97億円、減価償却費5.65億円、その他を含め、12.79億円である。そして、マルヨシセンターであるが、税金等調整前当期純利益-6.72億円、減価償却費7.60億円、その他を含め26.06億円である。特にマルヨシセンターは、今期当期純利益が赤字となったが、営業キャッシュフローは黒字であり、その要因のひとつが、この減価償却費である。これ以外にも、マルヨシセンターは、減損損失3.48億円、買掛金の増加16.22億円等が加わり、P/Lでは当期純利益が赤字でも営業キャッシュフローは大幅なプラスとなり、キャッシュは結果、大きく増加している。ここがキャッシュフローでなければ経営の本質が見えないところであり、P/Lだけでなく、本当のキャッシュの動きをキャッシュフローでつかんでおきたいところである。

   そして、財務キャッシュフローであるが、その前に、投資キャッシュフローを営業キャッシュフローで賄えているか、すなわち、フリーキャッシュフローを見てみたい。北雄ラッキーは4.38億円、マツヤは-2.93億円、そして、マルヨシセンターは17.91億円となり、マツヤがマイナスのフリーキャッシュフローとなった。そこで、財務キャッシュフローであるが、北雄ラッキー-2.88億円、マツヤ-3.62億円、マルヨシセンター-12.85億円であり、トータル、現金及び現金同等物の増加は、北雄ラッキー1.49億円、マツヤ-6.55億円、マルヨシセンター5.05億円となった。マツヤが厳しいキャッシュフローの状況であるが、北雄ラッキー、マルヨシセンターはプラスとなった。

   このように、No.1、No.2、No.3と思いがけず、3回にわたってしまったが、代表的な中堅食品スーパーマーケット、北雄ラッキー、マツヤ、マルヨシセンターの2009年2月期の決算を見ると、3社とも厳しい営業状況、そして、財務状況といえ、いかに、経営環境、特に競争の激化が厳しいことがうかがわれる今期決算であったといえる。来期も厳しい経営環境が想定されるが、すべての基本は、食品スーパーマーケットはマーチャンダイジング力にあるといえ、今後、各社がどのようなマーチャンダイジングの改善をはかってゆくかに注目したい。

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May 8, 2009 in 経済・政治・国際 |

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