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May 01, 2009

Olympic、2009年2月期決算、減収減益、純利増益!

   Olympicが4/14、2009年2月期決算を公表した。結果は、営業収益1,142.86億円(87.1%)、営業利益7.86億円(82.3%:営業収益比0.68%)、経常利益7.42億円(84.8%:営業収益比0.64%)、当期純利益3.96億円(454.5%:営業収益比0.34%)となり、当期純利益はプラスとなったが、営業、経常段階では減収減益となる厳しい決算であった。

   Olympicは売上の約70%弱がハイパーマーケットであり、純粋な食品スーパーマーケットは10%を下回り、食品スーパーマーケットというよりも、GMS業態に近い小売業である。食品の売上構成比も40%強であるが、最も、売上構成比が高い部門は一般食品の約30%弱であり、一般食品が大きな柱となっている。ついで、ホビー、家庭雑貨がいずれも15%弱で、一般食品についで、大きな売上構成比である。衣料品は5%以下であるので、こう見ると、HCに近い業態ともいえ、衣料品よりも、住居関連商品に重点をおいた食品強化型の小売業といえよう。

   今期、減収となった要因は、売上構成比約70%を占めるハイパーマーケットが97.9%になったことに加え、約10%のハイパーストアも94.0%になったことが大きかったといえる。食品スーパーマーケットは102.0%であったので堅調な売上ではあったが、売上構成比が10%を下回るため、全体を押し上げるまでにはいかなかった。また、商品別に見ると、生鮮食品の100.7%(売上構成比12.6%)、その他の120.5%(売上構成比0.9%)を除き、すべての部門が昨年を下回り、厳しい状況であった。特に、スポーツ、カルチャー、衣料品が95%前後となったことが大きかったといえる。

   一方、利益の方であるが、原価は71.6%(昨年72.2%)と0.6ポイント下がっており、売上が伸び悩んだ中、原価の改善が進んだ。結果、売上総利益は28.4%(昨年27.8%)と上昇しており、利益率は改善した。また、販売費及び一般管理費であるが、32.7%(昨年32.8%)と、こちらも0.1ポイント改善した。ただ、32.7%は、かなり高めの経費比率であり、結果、差し引き、マーチャンダイジング力は-4.3%(昨年-5.0%)と0.7ポイント改善したが、マイナス幅は大きく、今後、経費比率をどう引き下げるかが課題といえよう。

   一般に、GMS業態は経費比率が高い傾向があり、商品売買から得られる粗利である売上総利益から、販売費及び一般管理費を差し引いた粗利(マーチャンダイジング力)がプラスなることはまずないのが実態である。セブン&アイ、イオン等の大手小売、GMSタイプの食品スーパーマーケットも押し並べて、30%前後、企業によっては、30%強となる場合もあり、この経費比率を30%弱、できれば、25%前後まで落とせるかどうかが、共通の経営課題といえよう。

   では、このマーチャンダイジング力のマイナスをどうカバーし、利益を出しているかであるが、それが、営業収入であり、この部分がGMSやGMSタイプの食品スーパーマーケットは極めて高く、ここが営業利益のプラスの源泉になっているのが実態である。その中身は、企業により、まちまちであるが、大きくは不動産収入と物流収入に分かれる。特に、ここ最近は、物流収入の構成比がますます上がっており、仕入の集約、売上の増加によって、この部分の収入をいかに増やすかが経営戦略の柱となりつつある。ただ、この部分はいずれの収入も、売上に連動するので、いかに、増収を確保するかが、営業利益の鍵を握っているといえる。

   では、Olympicの今期の営業収入を見てみたい。今期は、5.0%(昨年5.8%)と、0.8ポイント昨年よりも下がっているが、5%という、通常の食品スーパーマーケットではありあえない高い数値である。ただ、今期、この収入が下がったため、営業利益は0.7%(昨年0.8%)と減収の要因となった。原価、経費の改善は進んだにもかかわらず、営業収入の減収が響き、減益という厳しい結果となった。

   さて、ここ最近、Olympicは安定した新規出店による増収が確保できない状況が続いているが、今期の出店余力を見てみたい。まず、自己資本比率であるが、41.6%(昨年40.2%)と若干の上昇がみられる。したがって、負債比率は約60%であり、その主要項目である長短借入金等は233.20億円であり、総資産675.94億円に占める割合は34.5%と、負債の半分以上を占めている。一方、出店にかかわる資産である土地、建物、差入敷金、差入保証金等の合計は458.41億円(1店舗当たり9.9億円)であり、総資産の67.8%である。したがって、差し引き、出店余力は-26.2%であり、負債に大きく依存する出店構造となっている。Olympicはハイパーマーケットが約70%であるので、出店にかかわる資産も1店舗当たり約10億円と大きい。したがって、自己資本の範囲内で安定的に新規出店を行うのは難しい業態ではあるが、今後、さらに、自己資本比率を引き上げ、出店余力を高める必要があろう。

   このように、今期のOlympicは減収減益となる厳しい結果となったが、営業面では、主力のハイパーマーケットが住関連商品の低迷により、厳しい結果とはなったが、原価、経費は改善されており、マーチャンダイジング力は昨年よりも、一段と増している状況である。ただ、売上が上がらないと、営業収入が伸び悩んでしまい、マーチャンダイジング力の改善が相殺されてしまいかねない。今期はまさに、これが原因で営業利益が減収となったといえる。今後、経済情勢はますます混迷を極めることが予想されるが、Olimpicがどのような経営戦略、特に、増収確保の戦略を打ち出すかに注目したい。

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