PLANT、中間決算、2009年9月度、増収営業増益!
PLANTが5/18、2009年9月期の第2四半期の決算概要を公表した。すでに、4/30に決算短信を公表しているので、これが確定数字となる。その結果であるが、決算短信をもとに、決算概要も参考にしながら見てみたい。売上高426.02億円(111.0%)、営業利益4.87億円(129.8%:売上対比1.1%)、経常利益2.85億円(84.1%:売上対比0.7%)、当期純利益1.64億円(98.8%:売上対比0.4%)となり、増収営業段階までは増益であったが、経常利益、当期純利益は減益となった。特に、増収となった要因は、既存店は97.8%であるので、新店によるところが大きく、今期、3店舗、大熊店(福島県、2008年3月)、福知山店(京都府、2008年5月)、鏡野店(岡山県、2008年7月)の出店が寄与した。
これを部門別に見ると、全体の66.2%の売上構成比を占めるフーズは113.1%(既存店100.4%)と好調であったが、24.5%の売上構成比のハウスキーピングニーズが全体は110.6%と新店効果により好調であったが、既存店が96.4%と、伸び悩んだ。また、売上構成比の4.2%のホームニーズは104.2%(既存店90.0%)、売上構成比4.3%のエンジョイニーズは92.9%(既存店79.4%)と、苦戦した。こう見るとPLANはますます食品の売上構成比が増しているといえ、業態はスーパーセンターであるが、食品が売上の根幹を占める、食品スーパーマーケットに近い業態であるといえよう。
一方、利益の方であるが、原価は80.8%(昨年81.2%)と、0.4ポイント下がっており、原価の改善が進んでいる。結果、売上総利益は19.2%(昨年18.8%)と上昇しており、粗利が改善した。これに対して、販売費及び一般管理費であるが、18.1%(昨年17.8%)と、0.3ポイント上昇し、差し引き、マーチャンダイジング力、PLANTの場合は営業利益と同じになるが、1.1%(昨年1.0%)となった。昨年よりは若干であるが、マーチャンダイジング力が改善した。ただ、まだ、1%前半であり、今後、いかに、マーチャンダイジング力を強化するかが、当面の課題といえよう。なお、営業利益は増益となったが、経常利益が減益となった理由は、シンジケートローン手数料が1.17億円計上されるなど、営業外費用が大きかったことによる。
PLANTは今期、自己資本比率が16.7%と、極めて厳しい状況にあり、負債に80%以上依存する財務構造となっている。そして、その大半が有利子負債であり、その金額は、205.16億円であり、総資産369.03億円の55.6%にもなる。したがって、今期、支払い利息が1.93億円となり、先のシンジケートローンの手数料とともに、経常利益を圧迫し、営業段階での増益が、経常、当期純利益段階で減益となる要因となった。今後、多額の支払い利息を支払いながら、さらに元本の返済も重くのしかかっており、財務的には厳しい状況がつづくといえよう。
ちなみに、出店にかかわる資産である、土地、建物であるが、169.74億円であり、総資産の45.9%である。この中には、差入保証金の明細が第2四半期決算では未公表であるので、わからないが、さらに、出店にかかわる資産に加算されるので、45.9%よりも大きくなるといえる。これを自己資本比率16.7%から差し引いた出店余力は-29.2%であり、極めて厳しい状況であり、負債、特に有利子負債に大きく依存した出店構造といえる。今期は、新店効果により、当面増収が続くと思われるが、今後の安定的な成長を維持してゆくにはかなり厳しい財務状況である。
そこで、今期のキャッシュフローの流れを見てみると、営業キャッシュフローは2.1億円と極めて厳しい状況である。本来、キャッシュフローの流れは、マーチャンダイジング力の強化により、営業キャッシュフローを増やし、そこから投資キャッシュフローを賄い、さらに、その余力で、有利子負債の返済などを賄うのが理想であるが、この第2四半期のPLANTの営業キャッシュフロー2.1億円では、投資、財務両キャッシュフローを賄うには十分ではなく、厳しいキャッシュの状況である。したがって、投資キャッシュフロー、-8.8億円を賄うことができず、フリーキャッシュフローは-6.7億円となった。
そして、財務キャッシュフローであるが、長期借入による収入172億円を計上し、ここから、有利子負債155.69億円を削減し、さらに配当0.67億円を行い、結果、15.63億円の財務キャッシュフローとなった。本来、営業キャッシュフローで賄うべきところを、財務キャッシュフローで賄っており、結果、有利子負債がさらに増加することになった。キャッシュフロートータルでは、8.93億円増加したが、その増加は有利子負債の増加によるものであり、財務的にはいっそう厳しい状況になったといえよう。
このように、PLANTの今期の第2四半期決算の結果は増収、営業段階までは増益となったが、有利子負債が経営に重くのしかかっており、経常、当期純利益段階では減益となる厳しい結果となった。また、有利子負債がさらに増え、自資本比率も16.7%と厳しい状況となり、今後、新規出店による成長戦略を描くにはかなり厳しい状況となった。当面、いかに既存店の活性化を軌道に乗せるかが最優先の経営課題といえ、そのためにも、すべてのキャッシュの原点であるマーチャンダイジング力をいかに強化するかが課題といえよう。次の第3四半期決算において、どこまでマーチャンダイジング力が改善し、結果、財務内容が改善されるかに注目したい。
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