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June 22, 2009

オーケー、2009年3月期決算を公表、大幅増収増益!

   食品スーパーマーケット業界注目の決算、オーケーの2009年3月期の決算が3/19、公表された。オーケーは、子会社が数社あり、連結と個別の双方の決算を公開しているが、売上高の差はわずか数億円であり、ほぼ同じ数字であるが、それぞれの指標の率が多少違うところもあるので、必要に応じて双方を見てゆきたい。まず、連結であるが、売上高1,925.19億円(114.4%)、営業利益96.54億円(123.1%:売上対比5.01%)経常利益98.92億円(124.2%:売上対比5.13%)、当期純利益53.27億円(114.6%:売上対比2.76%)となり、大幅な増収増益となった。

   また、個別決算についても、売上高は1,921.55億円(114.5%)、不動産収入を含めた売上高1,923.43億円(114.4%)、営業利益96.34億円(123.0%:売上対比5.01%)、経常利益98.26億円(124.2%:売上対比5.11%)、当期純利益52.65億円(114.6%:売上対比2.73%)となり、同様に大幅な増収増益となった。特に、客数前年比が115.4%、既存店客数前年比も102.3%(昨年102.2%)と、なったことが大きく、オーケーの客数が力強く伸び、売上を押し上げた結果といえよう。
   
   オーケーの客数政策については、オーケーはここ数年他社にない、強力な固定客化をはかっており、その効果が着実に表れてきつつあるといえよう。ひとつは、会員カードの活用であり、2006年にオーケークラブを発足させ、会員は当初の消費税額3%が割引されるという特典があり、この時点で80万人の会員を獲得している。3%の割引はいまでも継続しており、通常1%、0.5%というポイントカードが多い中、オーケーの還元率は際立った高さであり、毎日、3倍ポイントを実施している状況と同じである。食品業界ではヤマダ電気の食品売場が3%ポイントをほぼ全食品につけているが、現在では、この2社の還元率が食品業界では、際立っているといえよう。オーケークラブの会員であるが、その後も順調に拡大し、2年後の2008年には120万人、そして、今期、その1年後には158万人となり、この1年で約30万人拡大し、急ペースで会員が増加している。現在、55店舗であるので1店舗約3万人という驚異的な数字であり、この158万人がオーケーの客数をささえる基盤となっているといえよう。
   
   そして、もうひとつの客数政策は、他社にないユニークなもので、顧客へのオーケーの株式販売である。顧客にオーケーの経営に参画してもらうという究極の固定客化ともいえ、2007年からはじまり、この時、2007種類株式227,400株を、2,500円/1株で発行、株主数は2,274名増加し、株主資本が5.68億円増え、資本金はその約半分を組み入れ、12億2,925万円になった。そして、2008年度も同様に、2008種類株式515,600株を3,074.80円/1株で発行し、株主数は2,601名増加し、2007年度の約3倍、15.85億円の株主資本が増え、その半分の7.92億円を資本金に組み入れ、資本金は20億2,193万円となった。この株式は議決権はないが、現在普通株式の資本金9.45億円を合計では、超えており、まさに、オーケーの経営そのものを顧客が支えるまでになったといえ、究極の固定客化であるといえよう。したがって、株主資本比率もここ数年では最高となり、35.8%(昨年31.3%)となった。まだまだ、比率は低いが、着実に改善しており、顧客の会員158万人と顧客の株主4,875名がオーケーの力強い経営の屋台骨をささえているといえよう。
   
   一方、オーケーの今期の大幅な増益をもたらした営業構造はどのような状況であるかを見てみたい。まず、原価であるが、ここからは、小売業本体の個別の数値を見てゆくことにするが、原価は80.3%(昨年80.4%)であるので、結果、売上総利益は19.7%(昨年19.6%)と、昨年より0.1ポイント改善した。20%を下回る売上総利益であり、まさに、ディスカウントストアの典型的な数字といえよう。上場食品スーパーマーケットでは、ここまで売上総利益が低い企業はアオキスーパーの16.6%のみであり、アオキスーパーも営業収入がこれに3.2%加わり、営業総利益は19.8%となるので、19.7%は恐らく、食品スーパーマーケット業界屈指の低さであるといえよう。
   
   これに対して、経費であるが、販売比及び一般管理費が14.7%(昨年14.9%)であり、驚異的な経費比率である。先のアオキストアも16.7%であり、15%を切る経費比率は食品スーパーマーケットとしては、限界に近い数値であるといえよう。これも、既存店の数字が今期堅調であったことも大きいといえ、オーケーの強力なディスカウントを支える原動力となっている。結果、営業利益は5.0%(昨年4.7%)であり、0.3ポイント改善しており、原価、経費双方が改善されての、営業利益の大幅増益であり、食品スーパーマーケットとしては、理想の決算結果であったといえよう。
   
   このように、食品スーパーマーケット注目のオーケーの2009年3月期の決算結果であったが、大幅な増収増益の好決算となり、原価、経費ともに改善され、客数も大きく増加するなど、ここ最近の決算の中でも特に好調な決算であったといえよう。しかも、顧客への株式発行により、株主資本をこの2年で20億円強、増強させており、事実上の上場ともいえ、新たな資金調達が可能となり、結果、自己資本比率も上昇し、経営が安定したといえる。今後、ますます、新規出店がしやすい環境が整ったといえ、当面、オーケーの快進撃は続くものといえよう。次回、中間決算の結果にも注目である。

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