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June 15, 2009

チェーンストアエイジ、6/15号、焼酎、POS分析を投稿!

   チェーンストアエイジ、最新号、2009年、6/15号で焼酎のPOS分析の記事を投稿した。この企画は昨年もこの時期に同様のPOS分析の記事を投稿しており、前回の内容も踏まえ、今回はより、詳細な分析を試みた。注目は、混和の躍進である。焼酎は醸造過程の違いから、甲類、乙類の2つに分かれ、甲類がどちらかというと原料の風味が薄れ、よりアルコール純度の高い焼酎であるのに対して、乙類は原料の風味がほぼそのまま残り、いわゆる本格焼酎といわれる焼酎である。これに対して、混和は、双方の良さを活かした焼酎であり、ここ最近その存在感を急激に増している焼酎である。

   実際、チェーンストアエイジの記事の図1で昨年のPOSデータと今年のPOSデータを比較した表を掲載したが、混和の伸び率は焼酎全体がほぼ横ばいの中、115.3%と大きく伸びており、甲類の93.8%、乙類の104.1%と比べても際立った伸びといえる。この数字はTOPNAVI-NETの全国約400店舗の食品スーパーマーケットのPOSデータを集計したものであり、今回は、特に、12月の異常値を抜いた9月から11月の3ケ月間の累計数値を比較したものである。ただ、中身の記事は、12月も含め、4ケ月間のPOSデータでの分析を試みている。実際、各メーカーの動向も混和は好調とのことで、焼酎の中で、今年は、混和に注目という記事の内容である。

   ただし、混和はまだ焼酎全体の中では、10%弱というシェアであり、甲類の約40%、乙類の約50%と比べると、まだまだシェアは低く、記事の見出しのひとつにもあるように、「じわりと存在感を増している、・・」が正確な実情を表しているといえよう。前回の記事では、甲類、特に、乙類に焦点を当てた記事内容であったので、今回は、あえて、この混和をメインに取り上げてみた。

   さて、焼酎の数字をどう判断するかであるが、焼酎は今回分析対象の全国の食品スーパーマーケット約400店舗では、甲類440品、乙類1,588品、混和135品という膨大な商品の販売実績があり、合計2,163品と2,000SKUを超える数にのぼる。したがって、各食品スーパーマーケットでは品揃えが大きく違い、特に、乙類は食品スーパーマーケット独自の品揃えとなる傾向が高い。実際、記事の図2、3を見ると、400店舗の内、客数PI値5%、すなわち、およそ20店舗ぐらいの食品スーパーマーケットで共通の焼酎は甲類50品、乙類100品、混和14品のみであり、これを客数PI値0.5%、数店舗ぐらいまで下げても、277品、717品、79品であり、客数PI値0.5%以下、すなわち、1、2店舗の食品スーパーマーケットだけで扱っている焼酎が数多く存在するのが実態である。

   ここから重点商品を決め、品揃えを確定するのは至難の業であり、各バイヤーの腕の見せどころのひとつといえる。特に、乙類は品揃えが豊富であり、本格焼酎と呼ばれるように、麦、芋、米、その他の独特な香りを残した焼酎であり、希少価値の高いものもあり、調達することすら難しいものもある。今回の記事の中では、混和をメインにした内容ではあるが、重点商品については、甲類、乙類も一覧表を示しているので、参考にして欲しい。

   また、今回も、特に、各単品のml単価も計算して表示して見たが、これを見ても、甲類と乙類の違いは鮮明である。甲類の重点商品はほぼ0.5円前後であるが、乙類は0.5円以下のものは重点商品には一品もなく、すべて0.5円以上であり、1.0円弱ぐらいが多く、甲類の3割から5割増しという価格の商品で占められているのが実態である。さらに、甲類の重点商品には、1.0円を超える商品が1品もないが、乙類の重点商品には、1.0円を超えるものもあり、中には2.0円を超えるものまであり、プライスゾーンが全く違うのが実態である。

   これに対して、混和は、まさに、その中間に近いが、やや甲類に近い価格体系であるといえ、今回、POSデータでも伸びが確認できたのは、乙類の本格焼酎の香りを残しつつ、甲類の価格に近い値段で購入でき、それが消費者の節約志向に合致し、浸透し始めたのではないかと推測される。この微妙なプライスラインが混和の特徴のひとつともいえる。

   ちなみに、金額PI値であるが、甲類、乙類、混和の特にAランクを比較すると、甲類は2,000円から3,000円(1人当たり2.0円から3.0円)、乙類は2,000円から1,000円、混和は1,000円弱ぐらいであり、少し差があるのが実態である。これは、PI値よりも、平均単価の差が大きく、特に、甲類は、価格も安いことから、重点商品は、4Lの大容量が多く、乙類は1.8Lが多いのが実態であり、4Lの重点商品はごくわずかである。また、混和は乙類に近く、1.8Lが多いが、750ml、900mlもあり、より、小容量が多いのが特徴である。

   このように、焼酎は酒の中でも独特な商品のひとつといえ、低価格、大容量、そして、重点商品特化型の甲類、高価格、中容量、品揃え重視型で本格的な香りの楽しめる乙類、双方の中間、あえていえば、甲類の価格で乙類の香りが楽しめるという、どちらかというと乙類に近い混和と、それぞれ特徴が明確な商品群であるといえる。今回の記事は昨年の11月から12月の4ケ月間のPOSデータの結果であるので、ここ最近の節約志向を見ると、今年は焼酎への需要が一層増すことが予想される。年間最大の焼酎の需要期、年末に向け、今期の焼酎のマーチャンダイジングを、このPOS分析データを参考に、いまからじっくり検討し、取り組んで欲しいところである。

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