家計調査データ、2009年5月度、食品102.0%!
6/30、総務省統計局から、家計調査データの最新、2009年5月度が公表された。結果は食品(外食を除く)は1,996.81円(101.4%)とプラスとなり、ここ数ケ月マイナスで推移していた数字が、プラスに転じた。ただ、全体は9,210.65円(99.1%)と昨対を切っており、家計全体は節約志向が鮮明であるといえよう。本ブログでは、家計調査データを食品スーパーマーケットの金額PI値と比較しやすいように、1日当りに換算し、食料から外食を除き、食に関しては、食品として、集計しなおしている。家計調査データは月間集計であり、食料には、外食が含まれているので、食品スーパーマーケットが活用するには、この方が実践的であるからである。
さて、まず、全体の21.6%を占める食品はプラスであったが、全体がマイナスとなった要因を見てみたい。大分類でみると、教育-6.4%、交通・通信-6.8%、水道・光熱-2.0%、教養娯楽-2.0%と、この4部門がマイナスとなったことが大きい。逆にプラスになった部門であるが、家具・家事用品8.2%、住居4.4%、保健医療1.5%、そして、食料(外食を含む)1.5%であり、この5月は住関連用品がよく伸びていることがわかる。
さらに、個々の項目で、特に減少面が大きかったものを見てみると、パック旅行費全体が126.65円(77.7%)となり、その内訳は、国内パック旅行費79.81円(80.0%)、外国パック旅行費46.84円(74.0%)である。また、月謝関連も、月謝類全体が88.13円(85.1%)となり、特に、自動車教習料3.71円(41.5%)は半分以下となり、語学月謝も7.65円(88.8%)も厳しい状況であった。これ以外でも、ステレオセット0.35円(26.2%)、携帯型音楽・映像用機器0.90円(46.7%)、カメラ7.13円(77.5%)、ビデオカメラ1.61円(38.2%)なども、半分以下に落ち込んでおり、厳しい状況である。
逆にプラスになったものは、家事用耐久財の電子レンジ2.90円(180.0%)、炊事用電気器具9.61円(119.7%)、炊事用ガス器具5.19円(240.3%)が異常値であり、まさに、節約志向を反映しているといえよう。金額は小さいが、ミシンも0.65円(500.0%)と異常値である。一般家具も全体として21.42円(140.7%)と良く伸びており、その中身は、たんす2.71円(164.7%)、応接セット7.45円(745.2%)などが良く伸びている。ただ、これらは1ケ月で見ると、判断が難しく、数ケ月の累計で見る必要があるが、それでも、この5月に消費が集中したことは事実といえ、今後の消費動向を占う上で、注意が必要といえよう。
では、全体が厳しい消費環境であったこの5月、数字を伸ばした食品の動向を見てみたい。伸びた部門は、穀類225.26円(106.7%)、菓子類224.19円(105.2%)、油脂・調味料112.29円(104.4%)、飲料142.42円(103.9%)、果物86.97円(102.5%)、乳卵類109.97円(101.4%)、野菜・海藻289.84円(100.1%)、調理食品251.03円(100.0%)と、ほとんどの分類が伸びており、全体的に値上げ関連商品の多い部門が堅調な伸びである。ちょうど、消費者物価指数(CPI)の傾向とよく似ており、値上げ商品=消費増という構図となっている。ただ、消費は、デフレ色を強めつつあり、今後、この堅調な食品が今後とも伸び続けるかは、もう少し、様子を見る必要があろう。
逆に、この5月、昨対を割った項目を見てみると、魚介類220.13円(95.7%)、肉類216.23円(99.8%)、酒類118.45円(99.2%)の3部門のみであり、昨年は絶好調であった肉類が今期は厳しい状況にあるといえよう。ただ、酒類を見ると、ウイスキー3.74円(130.3%)、ぶどう酒5.94円(117.2%)は絶好調であり、ビール関連でも、発泡酒19.81円(108.1%)、他の酒14.03円(113.0%)は好調であり、最も消費額の大きいビールが38.94円(86.6%)となったことが大きく、ビール以外は堅調な数字である。
では、全体的に好調であった食品の個々の項目であるが、110%以上伸びた項目を見てみると、穀類では、乾うどん・そば9.26円(124.8%)、即席めん4.55円(112.8%)、小麦粉2.35円(128.1%)であり、明らかに、小麦の値上げの影響といえよう。乳卵類では、チーズ11.16円(115.0%)、野菜・海藻では、キャベツ8.81円(116.7%)、レタス6.48円(116.2%)、れんこん1.42円(115.8%)、トマト25.32円(113.3%)、こんぶ3.10円(121.5)が良く伸びている。果物では、もも0.26円(160.0%)、バナナ18.48円(131.1%)、キウイフルーツ5.32円(124.1%)が伸びており、特に、バナナは絶好調である。油脂・調味料では、マーガリン2.90円(113.9%)、マヨネーズ・ドレッシング10.61円(112.3%)、菓子類ではキャンデー7.52円(122.6%)、アイスクリーム・シャーベット24.77円(111.5%)が伸びている。調理食品(惣菜)では、ぎょうざ5.61円(116.0%)、冷凍調理食品15.06円(119.4%)が伸びており、特に、ぎょうざは復活といえよう。そして、飲料ではコーヒー飲料11.06円(113.6%)、ココア・ココア飲料0.74円(115.0%)、炭酸飲料9.71円(117.6%)、乳飲料3.39円(118.0%)である。
このように、この5月度の家計調査データは全体的に節約志向が鮮明に表れており、厳しい状況となったが、こと、食品に関しては、値上げ関連商品の影響もあり、全体として堅調な消費額となったといえる。ただ、消費環境は消費者物価指数が示すとおり、昨年のインフレからデフレへ局面が変わっており、しかも、これから10月まで昨年は急激な物価上昇となったことを踏まえると、この5月だけで、今後を判断することは難しいといえ、今後、数ケ月の動きをしっかり押さえることがポイントといえよう。来月、食品の数字がどう動くかに注目である。
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