売上速報、食品スーパーマーケット2009年5月、104.9%!
主要食品スーパーマーケット、2009年5月度の売上速報をまとめてみた。現在、食品スーパーマーケットの上場企業は約50社であるが、その内、約半分の24社が月別売上速報を公表している。現在、最新の売上は5月度であるが、結果は単純平均で104.9%という数字となり、4月度が102.2%、3月度が101.5%(2月度のうるう日で1日少ない)、2月度が102.3%と、ここ数ケ月、売上が低迷していた状況であったが、堅調な数字となった。
この数字をどう読むかであるが、既存店が99.0%と、ほぼ、昨年の数字にまで回復しており、これも、4月度96.9%、3月度96.4%、2月度96.9%という結果と比較すると、2ポイント強上昇しており、5月度の数字はここ数ケ月では、明らかに上昇基調と見てよさそうである。もう数ケ月様子を見る必要があるが、少なくとも4月から5月にかけて、数字の転換がみられ、既存店が上向き始めたことにより、このまま堅調な数字になる可能性も高いといえよう。
では、この好調さを牽引した食品スーパーマーケットを見てみると、No.1がスーパーバリューであり、117.7%と絶好調である。既存店も104.5%と集計企業の中で断トツの数字であり、ここへきて、食品+HCのビジネスモデルが顧客からの支持を強く受け始めたといえよう。4月度の既存店101.3%、3月度98.7%であるので、明らかに、5月度は数字が大きく伸びており、すごい数字である。この7月には11店舗目となる新店、東所沢店のオープンも決まっており、今後、さらに、売上が伸びることが予想され、当面、食品スーパーマーケット業界No.1を維持するものと思われる。
No.2は116.9%のダイイチである。先月の4月度は105.5%であったが、5月度は、子会社のオーケー(北海道帯広市)が連結対象となったため、売上が跳ね上がったことによる上昇である。既存店も99.7%と堅調な数字であり、ダイイチも今後、スーパーバリューと並び、トップクラスの売上の伸び率を維持するものと思われる。
No.1のスーパーバリューもNo.2のダイイチもほぼ売上の伸び率は同じであるが、その中身が、新店による売上増とM&Aによる売上増と大きく違う。今後、食品スーパーマーケット業界は、大きくは、この2つの方向に進んでゆくものといえ、どの方向性をとるか、方針を明確にした企業の売上が大きく伸びてゆくことになろう。
No.3はハローズであり、115.4%である。既存店も101.0%と好調であり、ハローズは積極的な新店により、売上が大きく伸びており、スーパーバリュータイプでの成長である。No.4はマックスバリュ東海であり、115.2%である。既存店は96.1%とやや苦戦しているが、全体の売上が好調な要因は、M&Aであり、昨年8月に吸収合併したシーズンセレクトの貢献が大きい。まさに、ダイイチタイプである。
以上が、110%以上の食品スーパーマーケットであるが、まさに、新店による売上増とM&Aによる売上増とに2分されており、110%の成長率を達成するには、どちらか、あるいは双方の積極的な展開が必要であることが改めて示されており、今後も5位以下の現時点では110%を下回っている食品スーパーマーケットが、戦略次第で、いつ、トップグループに入ってきてもおかしくないといえよう。
以下、103%以上の食品スーパーマーケットの全体と既存店の数字を見てみると、カスミ108.0%、マックスバリュ西日本107.2%(99.2%)、PLANT 106.0%(96.0%)、オオゼキ106.0%(103.3%)、ユニバース105.7%(100.9%)、九九プラス104.9%(102.2%)、バロー104.4%(99.3%)、イズミ104.0%(96.5%)、ヤオコー103.7%(102.1%)、マックスバリュ中部103.2%(97.8%)である。
この中で、まず、注目はオオゼキであろう。既存店が103.3%とスーパーバリューについで、今回の集計食品スーパーマーケットの中では高く、しかも、ここへ来て、積極的に新店を出店しており、いずれ、トップクラスに入ってくるものと予想される。次に、注目は、九九プラスであろう。ローソンとの資本・業務提携も軌道に乗り始め、ここへきて、既存店も102.2%と堅調であり、新店も今後FCを含め増加が予想されるので、さらに、売上が伸びる可能性が高いといえよう。
また、103.0%までは売上が伸びなかったが、100%を超えた食品スーパーマーケットは、CFSコーポレーション102.8%(95.4%)、いなげや102.7%(99.3%)、マルエツ102.5%(100.8%)、ヤマザワ102.1%(99.8%)、エコス100.7%(99.4%)である。いずれも、新店が少なく、M&Aもここ最近少ないのが特徴である。
一方、この5月度、売上が昨対を下回った食品スーパーマーケットであるが、マックスバリュ北海道99.9%(99.5%)、トーホー 98.7%(98.8%)、Olympic 98.5%(97.7%)、マックスバリュ東北95.9%(93.2%)、アークランドサカモト95.4%(95.4%)である。
このように、この5月度の食品スーパーマーケットの数字はここ数ケ月の数字と比べ明らかに上向いており、しかも、既存店も堅調な数字である。先月までは、このまま失速するのではないかと思われた売上であるが、この5月度は一転、上昇に転じたといえよう。しかも、トップクラスは積極的な新店開発を行っているか、M&Aにより、売上を大きく伸ばしており、当面、この上昇基調は続く可能性が高いといえよう。来月以降も、食品スーパーマーケット業界の売上に注目といえよう。
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