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July 06, 2009

7/4、オーケー公式ホームページ開設、決算数値も公表!

   オーケーが7/4、創業以来はじめてホームページを開設した。売上高約2,000億円という規模の食品スーパーマーケットでホームページがこれまでなかったことが7不思議の1つといえるが、やっとというか、とうとう、公式のホームページが立ち上がった。非上場企業としては、決算数値、経営戦略、飯田社長の思いが強くにじみ出たオーケーらしいホームページである。

   コンテンツ項目は全部で13項目であり、オーケーの哲学、借入無しで年率30%成長、経営方針、経営目標、経営の特色、オーケー会でのご挨拶、沿革、会社データ、役員名簿、業績、店舗一覧、店舗配置、社員募集である。この中で、注目は経営目標であり、「借入無しで年率30%を達成する」ことを宣言していることである。しかも、目標年度を2011年3月期に設定しており、いまから2年後と定めたことである。すでに、第1段階として、経常総経費率15%台を2005年3月に達成、第2段階として、経常利益率4%台を同じく2005年3月期に達成しており、次は、一気に目標達成を狙うとのことである。

   また、これに関しては、独立したコンテンツで13項目のひとつ、「借入無しで年率30%成長」で、さらに詳細が公表されており、ここでは2004年4月から、2009年4月までの経営目標、「借入無しで年率30%を達成する」へ向けての歩みが解説されている。その中で、2008年9月の中間決算で、借入金残高が150.22億円あったが、この時、現預金残高が、152.21億円となり、実質、無借金経営を実現したとしている。今期、2009年3月期の本決算では、借入残高は147.01億円となり、現預金は202.28億円であるので、さらにその差は広がっており、経営目標の借入無しは実質上達成されたといえよう。

   これで、経営目標は年率30%成長に絞られたといえるが、この2009年3月期の数字が114.4%であるので、プラス15%はかなりのスピードが要求される大きな数字といえよう。今期オーケーは6店舗の新店を出店しているが、全55店舗の約10%であり、新店だけで30%を目指すには、単純計算で15店舗以上必要であり、しかも、翌年は20店舗が数字上は必要となる。したがって、既存店の活性化が重要な経営課題となり、事実、オーケーも30%達成の内訳を既存店の客数10%を目標に掲げ、それに負けない売上の伸びをつくるとしており、既存店の伸びと新店とのバランスを重視した経営目標を設定している。

   また、これを実現するために、店長育成にも力を入れ、これまでは大学卒業後10年後の32歳での店長就任が平均だったというが、これを4年間縮め、28歳での店長就任体制を今後構築するという。そして、そのために正規の時間外に実務研修ができる制度を創設するなど、大量出店への準備が整いつつあるといえる。ちなみに、ホームページでは店長の募集も行っているが、店長就任時の年収は603.1万円である。

   経営目標意外に注目点としては、オーケーのホームページで、はじめて現状の全店舗の詳細が確認できるようになったことである。これを見ると、2009年3月20日現在、55店舗であり、今後開設予定店舗が4店舗であることがわかる。しかも、店舗タイプ、売場面積、駐車台数等が公開されており、これまで確認が難しかったオーケーの出店状況がわかるようになった。たとえば、55店舗の内、DC(ディスカウントセンター)が17店舗、DC(ディスカウントスーパーマーケット)が34店舗、DM(ディスカウントミニストア)が1店舗、SM(スーパーマーケット)がすべて仙台地区で3店舗であることである。特に、店舗面積は全55店舗で29,177坪であるので、1店舗平均530.4坪となり、食品スーパーマーケットとしては、大型タイプである。今期売上が1,925.19億円であるので、1店舗当たり35億円であり、1坪当たり659.8万円となる。

   これは食品スーパーマーケット業界の中でも極めて高い数値であり、平均年商35億円もさることながら、坪売上が659.8万円はオオゼキの1,311万円は別格として、上場食品スーパーマーケット約50社の中でも、これだけ高い数値の企業はなく、これが、オーケーのパワーの源泉であることがわかる。

   ホームページには経営数値も詳細な数字が公表されており、過去5年間の営業数値も公表されている。これまで詳細がわかりにくかったオーケーの経営実態がかなり詳しく把握することができるようになった。ひとつ気になるのは、「2005年に株式を買収される危険を回避する手段が無いと判断し、東京株式市場への株式の上場は行わないこととしました。」とのコメントがあり、いつ上場してもおかしくない状況であるといえるが、その意思がないとのことである。

   このように、流通業界待望といって良いと思うが、オーケーの公式ホームぺージが満を持して公表され、上場企業に匹敵する経営内容が開示されたといえよう。また、飯田社長の熱い真摯な思いが伝わってくるメッセージ性の高いホームページとなっており、改めて食品スーパーマーケットの経営とは何かを理解する上でも貴重な内容といえよう。今後、オーケーがどのようにホームページの更新をしてゆくかに期待したい。

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